十三歳、夏

第1話

――13歳。



この世は、隅々まで美しいものだと思っていた。






――13歳。



世界は、万華鏡のように限りなく輝いていた。






――13歳。



いつかは私も、多くの女の子のように、甘くて淡い綿あめのような恋をするのだと信じていた。
















彼に、出会うまでは―――。

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