第2話

だから、あの時は驚いた。



驚いたけど、嬉しくもあった。



同時に自分が自分じゃないような不思議な感覚になったことなんて、きっと君は知らない。







窓から入り込んだ、頬を撫でる風。



群青色に染まった、見馴れたいつもの部屋。



どこか不安げで、どこか優しい君の瞳。















―――響子のベースがないと、僕は歌えない。















君の声が、今も耳の奥に残って離れない。

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