第3話

道の先が茂みに覆われ、これ以上進めなくなった。


「ぐすっ、ぐすっ……」


顔中が、涙と鼻水でメチャクチャだ。


泣きじゃくりながら茂みの向こうを、葉の隙間からそうっと覗く。


先には、赤い何かが見えた。


どうやら、この先も道が続いているようだ。







わたしは無我夢中で、茂みに体を潜り込ませた。


針葉樹が容赦なくチクチクと体を刺し、鈍い痛みが全身に走る。


どうにかこうにか体を動かせば、やがてスポンと茂みの向こうに出た。













───そしてわたしは、息を呑んだ。

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