鬼だけどスローライフを送りたいっ!

ルカ

1.来世に向けて

「はやとー!ちょっとここ教えてくんない?」


「んー?ここはね…」


3年生の1月下旬。


「っな感じで解くといいよ。」


「まじありがと隼人。俺、明後日入試なんだ。」


「おぉ。がんばれよ」


神楽田隼人かぐらだはやと

大学の入試も終わり、後は結果を待つばかり。だが、彼の学力ならば落ちることはないだろう。


「んじゃ帰るか、」


「そーだな。行くか」


彼は、友人と帰っている時に


「──でさぁ」


「まじか、やばく、ね?」


キィィ


亡くなった。


(痛い。熱い。死にたくないっ)



「おーいおきてー!」


「!?」


「お、起きた起きた」


「ここは病院じゃない?」


彼は死んだ。それは間違いない。

だが、


「ここは│世界の狭間せかいのはざまって言われてる場所だよ」


「えーと俺はなんでこんなところにいるんですか?」


「あー。それはねー」


「?」


「ゴメンナサイ。事故でこうなりました。」


「…俺が事故で死んだから、ですか?」


「いや、君はもともと天国行きだったんだけど、ボクの配下の天使が魂をここに落としちゃったんだよね。」


「は?え?じゃあ俺は天国に行けないんですか?てか天国ってあったんですか?」


「天国はあるよ。でも、死んでから時間がたっちゃったから、もう天国には─」


天使たちのミスにより、天国にいけなくなってしまったのだ。


「─って言うことで、天国に行くには、もう一度人生を歩まないといけないの。」


「え、あぁ、はい…?」


「そんじゃいってらっしゃーい」


「へ?」


そうして、彼は第二の人生を歩むことになるのだった。


「あ、生まれ変わんなきゃいけないんだっけ。記憶消してないから転生判定になっちゃうかな…ま、今言っても仕方ないか!」




「んぎゃあ。んぎゃあ。」


そうして、とある世界に新たな『鬼』が生まれた。










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