Vtuberデスゲーム
再々試
第1話 ようこそ
あなたはVtuberという職業を知っているだろか?
Vtuberとはアバターやイラストを使って配信や動画投稿をする人たちの事だ。
顔出しをしなくてもできるという理由で近年Vtuberは参入者がどんどんと増えていっているのだ。
今日本には一万人以上のVtuberがいるらしい。
成功すれば一攫千金、
沢山のファンから大量のスパチャを貰える。
そんな夢を持ちVtuberになった者。
そして叶わなかった者たちのデスゲームが
今始まる。
見よ、Vtuberデスゲームの始まりだ。
___
俺の名前は
渡辺 優太
しがないコンビニバイトだ。
そんな俺にはコンビニバイト意外にもう一つの
顔がある。
それはVtuber、
とある有名男性Vtuberに憧れて4年前から始めたこの仕事だが、
限界が見え始めている。
登録者が全く伸びないのだ。
Vtuber事務所にことごとく落ち続け個人勢とし
活動しているが登録者は未だ1000人未満。
配信には3人位しか来てくれなかった。
この間は生誕祭だったがスパチャは一円たりとも投げられなかった。
もうこんな仕事辞めてしまおうか。
そんな思いが頭をよぎったりもしたが、
機材を買ってしまった上にイラストまで描いてもらってしまった。
もう後にも引けない。
俺は毎日泣きそうな気持ちで配信開始ボタンを
押していた。
そしてそんな俺は今謎の空間にいた。
とても広い部屋で、沢山の見知らぬ人たちがいる。
皆口々に
「ここどこだ?」
「おい、誰かいないのか。」
などと疑問を口にしている。
(何なんだ。一体)
そんな事を思っていた時だった。
突然頭上からモニターが降りてきた。
謎の白いぬいぐるみが写っていた。
「やあ諸君。
これから君達にはデスゲームをしてもらう。」
嫌に高い声だ。
口調と合っておらず何だかチグハグな印象を受けた。
会場がザワザワする。
「ここに集められた者たちは皆Vtuberだ。
しかも登録者が一万人にも満たない底辺Vtuber共だ。
今から君達には生き残りをかけてデスゲームをしてもらう。
最後まで生き残った奴が勝ちだ。」
そう言うと更に会場のザワザワは大きくなったら。
「ここから出せ!」
「何バカなこと言ってんだ。
警察に通報するぞ。」
何人かは今にも掴みかかりそうな勢いでそう
言った。
「うるさいよ、底辺。
警察に通報したいならすれば良い。
どうせ誰も来ないけどね。」
ぬいぐるみは落ち着き払ってそう言った。
「別に君達がいなくなろうと世間は気にしない。
君達のリスナーもまた新しいVtuberを見つけるし、それに君達の親だって自分の子供の職場が
Vtuberだなんてね。
恥ずかしく思ってるよ。」
随分嫌なことを言うぬいぐるみだ。
俺も憤りを隠せなかった。
誰かが言った。
「デスゲームって何だよ。
まさか死ぬのか?」
「当たり前だろ。
それがデスゲームじゃないか。
嫌なら今ここで舌でも噛みちぎれば?
死体はゴミ箱にでも捨てるよ。」
会場中が息を飲んだ。
どうやら本気の様だ。
「もちろん飴と鞭はセットだ。
もしこのデスゲームに勝ったら人気Vtuberと
しての地位を一生保証するよ。
想像してごらん。
たった10分ぺらぺら話すだけで金が貰えるんだ。
生誕祭の日なんかは目にも止まらぬ速さでスパチャが流れる。
今のお前らの配信とは大違いだ。」
思わずはっとする。
Vtuberだけじゃ食っていけないからほぼ毎日
バイトにシフトを入れている。
同級生が立派に働いているのを見ながら
人の来ない配信をする。
「言っとくがな。
今のままじゃお前らは一生日の目を見ないぞ。
横では人気Vtuberが何万人も集めていて
その横でお前らは誰もいないなか虚空に喋り続ける。なんてむなしいことだ。
だがもしお前らが勝てばそんな事もなくなる。
手に入れたいだろう。
人気を、金を、」
もはや会場は静まり返っていた。
「さあ、第一ゲームの始まりだ。」
Vtuberデスゲーム 再々試 @11253
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