12月26日、幼馴染と再会した。

尾乃ミノリ

12:26の奇跡

「もう11時50分。ずいぶんと待ってるけど、まだ待つつもり?」


 木の根元に座る、赤い服を着た青年がだるそうに聞いてくる。


 雪の降りしきる12月26日、クリスマスモード一色だった世間はすっかり鳴りを潜め、急速に年の瀬へと向かって行く。

 イベントの込み合う12月後半、師走の名のごとく人々が忙しく動き回る中、私も木の周りをウロチョロと忙しく動き回っていた。


「当たり前のこと聞かないでよ」

「ん?ひょっとして……緊張してる?」

「分かりきってるくせに」


 私にとっては大事な時だと言うのに一向に減らず口が減らない赤服に思わずため息が出る。他に選択肢はなかったとはいえ、こいつが私の連れだなんて……


「もったいないねぇ、せっかくの聖夜だってのに……」

「 正しくは聖夜の翌日ね」

「細かい事は気にしなーい」

「にしてもなんで今日なの?プレゼントってふつう昨日とか一昨日じゃないの?」

「君たちみたいなイレギュラーにはクリスマスじゃなくて翌日にプレゼントをあげるって相場が決まってんの。ほんっと、感謝してほしいもんだよ」


 イレギュラー呼ばわりされることに多少の反発心を覚えるも、大人としてぐっと飲みこむ。


「 感謝してるわよ、あなたがいなければ彼と会うこともできなかったわけだし」

「じゃあなんでそんなイライラしてるんだよ」

「してない!」

「ほらしてる。」

「してない!あえて言うなら、彼と会う心積りがまだ出来てないだけよ」

「なら帰る?別に僕は構わないけど」

「それは私が構うわよ」


 全く性格悪いんだから……。


「ねえ、それ今回の立役者に言うセリフ??これだから最近の子は……」

「ちょっと」

「昔の子たちはもっと礼儀正しかったよ?時代が変わると人も変わるんだね、あーあやんなっちゃうヤんなっちゃう~」

「あーもう静かにしてよお願いだから!」


 私もそわそわが高まって、木を周回するペースが上がる。赤服はそんな私を見ながら一つため息をつく。



「で?誰に会うんだっけ?元カレ?」

「幼馴染、恋人なんかじゃないわよ」

「ほんとにー?えらい緊張してるもんだから、てっきりそういう相手かと」

「ちーがーいーまーすー。ただの友達、小学校からの腐れ縁!恋愛感情何てこれっぽっちもありません!」


 私と彼はそんな関係じゃない。恋人なんて括りにされたら、彼だってきっと迷惑だ。私がちゃんと間違いを訂正していると、赤服もやかましそうにする。


「そんなギャーギャー言わないでよちょっとイジったくらいでさぁ。大事な人と会うんでしょ?もっとリラックスしてよ……。」

 そこまで言ったところで、彼はどこか遠くを覗く。


「って、あれ?噂をすれば……あれ、俊介君じゃない? 」


 赤服の視線の先を見ると、私が待ちわびていた彼がいた。


「ウソ!?ちょっと待って!俊介じゃん!えーと待って待って、服のシワは無いし、化粧崩れてないよね、ええと、それと、それと……」

「 いいからさっさと行きなよ!どーせ、そんなの気にしたところで意味ないって。」

「ちょ、ちょっと押さないでよ……」


 赤服は慌てる私の背中をぐいぐいと押していく。抵抗もむなしく、気が付けば目の前には彼がいた。助けを求めるように赤服を見ると、彼は真剣な表情をしていた。


「念のため伝えるけど、今日しか会えないんだから。時間は有意義に使いなよ」

「ええ、分かってる」


 私のセリフを聞いて、彼は満足げに微笑んだ。今までに見たことがない位、穏やかな表情だった。


「それじゃ、メリークリスマス。」


 それだけ言い残して、彼はどこかに立ち去って行った。


 私は改めて彼と向き合う。久しぶりに見た彼の表情は昔と全然変わっていなかった。何か切り出さなきゃいけないと頭では分かっている。


 だけど、視覚や嗅覚、私に入ってくる全ての情報が、彼の思い出を想起させて、何から話せばいいのか分からなくなる。


 だが、口を開いたのは彼の方からだった。


「久しぶりだな、陽菜。最後に会ってから…もう5年か?」

「6年!全然来ないから、私の事なんか忘れちゃったかと思った」


 時間感覚が適当なのは相変わらず見たいだ。彼は申し訳なさそうに頭の後ろを掻く。


「仕事の方がようやく軌道に乗ってきたからな……、一人前になるまではこっちにも戻らないつもりだったから」

「ふーん、どうだか」

「言い訳がましいのは分かってるんだけどな。色々整理もついてきたんからな……」

「整理ねぇ……。まあ、今日来てくれただけ、良しとしてあげようか。」

「あ、そうだ……」


 私がそう言うと、彼は思い出したかのように手に持っていた袋をごそごそと探る。


「今日はプレゼント持ってきたんだ。クリスマスから1日だけずれちゃった

 けど、はい。」

「わー、すごいきれい!チューリップの花束?」


 彼が袋から取り出したのは、何本もの黄色いチューリップの花束だった。思わず声が出てしまう。


「チューリップはこういう場にはふさわしくないらしいんだけど、お前が好きな花、これくらいしか思いつかなくて。わりぃ」

「ううん!チューリップ一番好きな花だし嬉しい!俊介、いいセンスしてるね~」

「まあ、その分きれいなのができただろ?これで勘弁してくれ」

「しゃーない、遅くなったことは許してやろう」


 俊介は照れたような表情をする。


「そうそう、今日昼の間にあいさつ回りに行ってたんだけどさ、この町俺が最後に来た時から全然変わってないんだな、驚いた」

「中途半端に開発されてる分下手に再開発もされにくいんだろうね。うれしい

 ような悲しいようなって感じだよ」


 電飾がきらびやかに光る街であるが、電球の数はまばらだし、この辺りは特に飾り付けが少ないから、全体的に貧相に見えてしまう。


 だが、彼からしたらそれが嬉しいらしい。懐かし気な表情で彼は周囲を見渡す。


「例えば……そうだな、公民館の向かいに文具屋あっただろ?文具屋のくせに駄菓子ばっかり売ってる」

「あったあった!あそこの駄菓子賞味期限ぎりぎりなものばっかりなのよねー。あの時は気になんなかったけど」


 アンタたちいっつも来てくれるから特別安くしてあげると言っていたおばちゃんが同じセリフを全員に言っていたことを知った時は、子供ながらにショックだった。


「懐かしいよなあそこ。飛行機のおもちゃ買ったこともあったよな」

「うわ~懐かし~!」


 私達は二人ともお小遣いはすぐ使う派だったから、あれは痛い出費だった。だが他の子どもたちが遊んでるのを見て、ど~しても欲しくなってしまったんだ。確かあれは買ってすぐ……


「あのおもちゃ買ってすぐ店内で遊んで、二人して大目玉食らったよな」

「あったね~。でも俊介全然懲りなかったよね」

「そのくせお前は全然懲りないで。」

「……当時の私そんなだっけ?」

「小さいころはお前に振り回されてばっかだったよ」

「いやいや、私そんなんじゃないから!」


 おい俊介!そんな昔を懐かしむような遠い目をするんじゃないよ!私が憤慨していると、俊介は少し寂しそうな目をする。


「あと、今日おばさんの家に行ったんだ。」

「……そっか」

「全然顔出してなかったくせに、おばさんすごい喜んでくれてた」

「お母さん絶対喜んだと思うよ~俊介の事昔っから気に入ってたし」

「ああ、そのまま家に上がらせてもらって、……お線香立てさせてもらって、そのまま晩御飯までごちそうになった。」

「ホント!?私もしばらく帰ってないからな~」

「おばさん、グラタン作ってくれた。お前、好きだったよな。マカロニグラタン」

「いいな~うらやましい~。私もグラタン食べたいなぁ」



 私がうらやましがっているのが伝わったのか、俊介は顔を左右に振り話題を変える。


「そうそう、俺、自分の店を構えることになったんだよ。来月の今くらいにオープンなんだ」

「マジ!?すごいじゃん!独立、ずっと夢だったもんね!」

「ああ、俺、頑張ったんだよ」

「ほんとほんと、努力の証だね~」


 褒められたのがそんなに嬉しいのか、俊介は感極まっている。


「ほんとに、長年の夢がかなったんだよ。やっと一人前って認めてもらえてさ……」

「そっかそっか、まあ私は出来るって信じてたけどね!」

「でも、こんだけ時間かかっちまった。悪いな……」

「まあ、そんだけ道は厳しいってことだね。まだまだ研鑽しなきゃだよ!」


 逆に、こんな短期間で成し遂げたことが驚きだ。ぱんぱんと、背中を叩くようなジェスチャーをする。しかし、彼の表情は未だに暗いままだ。


「ほんとに、ごめんな、遅くなっちまって……」

「だからそんなに謝んないでよ」

 私がこういっているにもかかわらず、俊介は俯いたままだ。


「ごめん、お前が生きてるうちに、この景色、 見せてやれなかったよ……。お前との約束、守れなかったよ……。」

「……約束、覚えててくれたんだ。」


 私の脳裏に、幼い頃の約束がリフレインする。小学校の頃、良心が共働きで俊介はよくウチにご飯を食べに来ていた。自分の家の様に思いなさいと母さんは言ってくれていたが、俊介なりに思う所があったのだろう。


「陽菜ちゃん、俺、料理で人を喜ばせる人になりたい。」

「料理人ってこと?いいじゃん!俊介器用だし、きっとなれるよ!」


 私に褒められて、俊介は不器用な笑顔を浮かべた。


「じゃあ、もし俺が料理人になったら、陽菜ちゃんが最初のお客さんになってよ。」

「うーん、いいよ!私が俊介の料理の毒見してあげる?」

「毒見って……。まあいいや、約束だよ。」

「うん、約束!」


 思えばなんとも失礼な話だが、子供の頃の俊介と私は、そんな約束をしたのだ。


「この町を離れてからは俺、料理の勉強しかしてこなくて、肝心のおまえがどうだとか何にも考えてやれなくて、結局、死に目にも会いに行けなくて……」

「目標決めたら一点集中、それが俊介のいい所じゃん。」

「お前が事故に遭ったって聞いたとき、俺、もうどうすればいいのか分かんなくって。もう呆然としちまってさ……。俺が目指してたものって何だったんだろうって、すげぇ空っぽになっちまって。何もかも信じられなくて、それで、葬式にも行けなかった……。」

「俊介、肝心なところでメンタル弱いんだから。そういう時こそしっかりしなきゃゃダメなんだよ?」


 私が励まそうとするも、俊介は天を仰いで目元を拭う。


「ダメだな、昔話ばっかりしてると、会いたくなっちまうな」


 それは、天に向かって祈るような声だった。


「……せめて、お話くらいできればいいんだけどね」

「泣いたところでおまえが帰ってくるわけじゃないし、お前がちゃんと見てくれて

 るかどうかだって分かんないんだけどな。」


 俊介は空を仰いだままだ。私はここにいるのに、彼の視線は私には向いていない。


「やっぱり、会えないのか?もうお前の顔は見れないのか?」

「……無理よ。こうやって会えた事すら奇跡だし、あの人のおかげなんだから」


 ここでどれだけ言っても無駄だと分かっているが、それでも声を掛けたくなってしまう。まるで会話しているように声を掛けるだけでも、私にとっては十分だ。


 これがサンタから私へのクリスマスプレゼント。辛くなんかない、幸せなんだ。


「一目でいい、たった一目でいいから、お前に会いたいよ…。なあ、昨日はクリスマスだったんだろ?聖夜の奇跡とかが起きてくれたっていいだろ!」

「私だって、話せるなら話したいよ!でもっ、でもっ…出来ないのよ…!」


 私は幸せなんだ。空しくなんか、これっぽっちもないっ……!



「出来るよ」



「……え?」

 私の横にいつの間にか、赤い服を着た彼がいた。


「だから、出来るよ。」

「ほ、ほんとに……?」

「君が言ったんじゃん。『こうして会えたのはあの人のおかげ』って。」

「じゃ、じゃあ彼と、話せるの!?」


 焦る私に、彼はあくまで淡々と話し続ける。


「うん、あの男にはクリスマスプレゼントをあげてないし、このままじゃあまりに後味が悪いから、出血大サービス。」

 そう言って彼は私に触れた。光ったとか、そういうのは無かったけどすべてが変わったような、そんな気がした。


「ありがとう、本当にありがとう…!」

「お礼なんていいから早く行きな。あとちょっとで日が変わるよ!」


 赤服はそう言って立ち去る。私が俊介に向き直ると、彼は今度は俯いて、私の墓石に縋るようにしていた。


「あのさ、今日はお前に大事な報告があってきたんだ」

「うん、何かな」


 彼はすぐに私の声のした方を向く、だが直ぐにははっと、自嘲的に笑った。


「…ってついに幻覚まで見えちまってるのか。いよいよだな、俺」

「ふふ、必死に目こすってやがんの」


 私がからかってやると、俊介は赤い目でこちらに近づいてきたかと思うと、手袋を付けたままの手で、がしがしと私の顔を触ってくる。


「これ……ホントに現実なのか?」

「ちょっと、そんなに触んないでよ、くすぐったい」

「あ、悪い……」


 俊介はぱっと手を下ろす。私はそんな俊介の腕をつかんでやる。


「幻覚じゃないよ、ちゃんと現実」

「なら、なんで……?」

「さあ、聖夜の奇跡ってやつじゃない?俊介いい子にしてたみたいだし、サンタさんがプレゼントくれたんだよ。」

「いい子だなんて、俺は、そんな……」


 またすぐ落ち込む俊介。彼の手を放し、今度は私が両手で彼の顔をぐいっとこちらを向かせる。


「ちょっと、折角久しぶりに会った幼馴染にそんな落ち込んだ顔見せてもいいの?」


 私がそう言うと、俊介は顔を抑えられたままははっと笑う。


「陽菜」

「なによ」

「手、冷たい」

「私がどんだけあんたのこと待ってたと思ってんのよ」

「それは……ゴメン」

「ほんとよ、来るの遅すぎなんだから」

「でも、待っててくれてありがとう」

「……よろしい」


 そうだ、私はこいつのこういう表情にずっと魅了されてきたんだ。何年ぶりにあっても、変わんない。


「で、私に何か言いたい事あるんじゃないの?」


 まあ、無いなんて言ったらぶっ飛ばすけど。


 しかし、俊介はしばらく考えこむ。


「悪い、お前に伝えたい事、全部言っちまった。」

「はぁ?」

「だから、今日おばさんの家に行っただろ、昔話も出来たし、チューリップも渡せた。お店開くことも、ちゃんと言えたしな。」


 俊介はなんてことないように指を折りながらカウントする。


「いや、それは私見えてなかった時の話でしょ?そういうのは伝えたって言わないからね」

「だから、お前に伝えたいのは、ありがとうくらいしかないな。」

「っ――――」


 俊介の昔からずっと変わらない、晴れやかな笑みに私も言葉に詰まる。立ち尽くす私を、俊介は思い切り抱きしめてきた。彼の体温が伝わってきて、体の中心からジン割と温まる感じがする。


「陽菜、今までありがとう。」

「お礼言われるようなことなんて、何もしてないわよ。」

「いや、今まで俺、陽菜のお陰でここまでやって来れたんだよ。」

「そんな、俊介が自分で頑張ったからだよ。」


 俊介は、一層強く抱きしめてくる。

「ちょっと、痛いんだけど。」


 しかし、俊介は抱きしめた手を緩めない。


「陽菜……俺、ずっと前からお前の事が好きだった。」

「うん……私も、俊介の事好きだった。」

「俺、これからも陽菜のために頑張る。だからこれからも、応援してくれないか?」


 私は俊介の肩を持ち、グイっと体を引き離す。


「それはダメ。あんたは生きてるんだから、死んだ人間なんて頼りにしないで」

「陽菜……」

「それに俊介の応援なんてしてたら、私天国で悠々自適に暮らせないじゃん。そんなの無理に決まってるよ。」


 俊介には、私が重荷になってほしくない。俊介は未来ある人間なんだ、前だけを向いて生きていてほしい。そう考えていたら、俊介は手袋を外し、肩に置かれた私の手を握る。

「陽菜は冷たいね」

「そりゃ死んでるから」

「でも……あったかい」


 俊介は私の手を見て、しみじみと語る。俊介の腕時計を確認すると、11時59分を示していた。


 私は俊介に握られた手をほどく。きっとこれが最後の会話になるだろう。俊介も何かを察したのか、改めて握り返しては来ないが、表情は悲痛そうだ。


 変なことを言って、俊介に未練を残させたくない。死人に口なし、お別れはさっぱりと行こう。


「そろそろお別れしなきゃみたい。久しぶりに話せて、嬉しかった!」

「もう、終わりなのか……?」

「うん、今日中って約束だったの。だから、これでおしまい。」

「今日中って、じゃあ、俺がもっと早く来ればよかったのか?俺が、こんな時間になっちまったから……」

「違う。俊介とこうして話せるのは、5分が限界なんだって。だからベストタイミングなくらい。」

「そう、なのか……。」


 ああ、最後に嘘をついてしまった。嘘をついた人間は地獄行きだったっけ?まあでも俊介は、見上げるくらいがちょうどいいか。


「なあ、また来年も会えるんだよな?12月26日にここに来たら、またお前は会いに来てくれるんだろ?」


 私はその言葉に返事できないまま、彼に背を向け続ける。俊介の最後の記憶に残る顔がこんなひどい顔だなんて、そんなの許せない。



 俊介、私の好きな人。小さい頃からずっと、ずっとあなたの事が好きだった。あなたのお店に行ってみたかった。あなたの料理を食べてみたかった。あなたの傍にいるのは———私だと思ってた。でももう、その夢はかなわない。


 今まであなたと一緒に過ごした時間が、今日交わした会話が、全てが、私の宝物だ。だから、これは私のもの。これから一緒にあなたと歩んでいけない分、古い宝物は私が持って行く。俊介には、あげてやらない。


 だから、あなたは私の事なんか忘れて、あなただけの未来を歩んでいってください。



 さようなら、私の好きだった人。



「さようなら、俊介。」



























 ********




「全くクリスマス翌日だってのに、墓地の掃除なんてついてねぇ。」

「ほら、文句言ってないで早く掃除しろ。」

「はーい。……って、あれ?」


「どうした」

「じーちゃん、ここなんだけど……」

「ああ?あー、そこはそのままでいいよ。」


「そのままでいいって、これ、痛んじゃうんじゃないの?」

「大丈夫大丈夫。明日になったら回収しに来るから。」


「そうなの?ってかこれ初めてじゃないんだ。」

「ああ、毎年この時期になるとお供えされてるよ。」


「へえ、お供え物にしても珍しいね



 ―――――グラタンと、黄色いチューリップなんて。」




                                fin.  





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12月26日、幼馴染と再会した。 尾乃ミノリ @fuminated-4807

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