僕の固有スキルは「物語を現実にする力」なので転生した異世界先で固有スキルと魔術だけで世界の王まで成り上がります

玖伝 飛鳥

第1章 転生・固有スキル覚醒編

第1話「転生と物語」

僕の名前は高川 将大(たかがわ しょうだい)。冴えない小説家だ。

「今回の作品も売り上げ12冊か~」

自身の部屋でそう嘆く。

毎回毎回売れない小説を書いては自身の作品の発行社にはダメ出しされたりでとても落ち込んでいる。

「はぁ…今回もダメかぁ……」

売れない小説とはいえ、どれもちゃんと時間を使ってじっくり作り込んだ作品だ。なのに売れないのは本当にショックだ。

「気晴らしに散歩でもするか。」

変わらぬ街並み。今日も天気は晴れている。

「何か面白いことでも起きないかな?」

下を向いて歩いていた   その時だった。

キキーッ!

偶然居眠り運転をしていたトラックに轢かれたようだ。


(あぁ僕、死ぬんだ。まぁもうこの世界に悔いは無いしな)

『目覚めろ』

(今のは?)

『今すぐ目覚めろ』

(なんだ?)

『もうじき世界は絶望に包まれる。』

(絶望?)

『あぁ。だから新たな世界に生まれ変わり、運命を変えろ』

(ちょっと待てよ!君の名前は?生まれ変わるって何?ちょっと?おーい!)

返事は無く、なぜか外の雑音が聞こえる。

「ん…ここは?」

ビルなども無く、自然が豊かな所の草原の上で横になっていた。

そんな時、手のひらにバーコードが見える。

「なんだこれ?」

バーコードに触れると、目の前に能力や個人情報が書かれた『ステータス』なる物が表示される。

『ヴィルス・フューリー フューリー族

14歳 習得済み魔術:何も無し 職業:無職 固有スキル:物語を現実にする 未解決実績:39件 1レベル』

「ん?何これ?」

聞いたことない名前に聞いたことない種族に若すぎる年齢etc.

それに一番気になったのが僕の固有スキルだ。『物語を現実にする』なぜよりにもよって物語なのだろうか?もう物語には懲り懲りだ。

(まぁ戦うことも無いだろうし使わなきゃ良いか!う~ん最初は街を探そう!)

おそらく僕は異世界転生してきた。

異世界転生系の小説はよく読んでいたため僕はすぐにこの世界に慣れた。

「さぁ行くぞ!」

僕は起き上がり、この場所から離れた。








「う~ん…あった!」

しばらく歩いたら、一つの城下町を見つけた。

『実績その1:始まりの町「マキナ」に到着する。 達成!』

頭の上にこのメッセージが表示された。

「これが実績か~…げ!これあと38個あるの!?まぁいっか!にしてもここはかなり和風だな!」

見たことがない街に僕はテンションが上がる。

「ひとまずは探索だな~」

とりあえず歩く。

「美味しそうだけど金が無い!」

どうやらこの町の通貨も円らしく、価値も変わらないようだ。

「う~ん…我慢我慢!」


    かれこれ30分後

何も成果を得られずに疲れたので休憩することにした。

「何も成果を得られなかった~ていうか生きてくために金も必要じゃ~ん!」

ベンチの背もたれにもたれる。

「あの~すいませ~ん」

「ぬぁ?誰?」

突然同い年くらいの少年に声をかけられる。

「大丈夫ですか?ボロボロの服で寝てたので…」

「あぁいや大丈夫!」

「そうですか…もしかして家出してきたんですか?」

「あ…いや違くて…」

「まぁ私と歳近いだろうから強がるのも無理ないか!まぁ事情は後で聞くから私の家に来てください!」

「分かりまし…た?」

僕は少年についていった。



「ここが私の家です!」

「うぉ~!すげ~!」

外見は江戸時代にありそうな古い見た目だが内装はモダンな感じになっていて驚いた。

「はい。これコーヒーです。」

「あ、ありがとう…」

「で、事情を教えてください。」

「あ、え~と実は……」

僕は少年に今までの経緯を教えた。

「え!あなた転生者!?」

「まぁ多分そう。何か?」

「実はこの世界では転生者は処刑されちゃうんですよ…」

「嘘!え、じゃあ隠しといた方がいいよね!」

「そうですね。」

「じゃあ隠す!教えてくれてありがとう!」

「いえいえ…そういえば自己紹介がまだでしたね」

「確かにそうだな」

「では自己紹介をやりましょうか」

少年が自身のステータスを映し出す

『リゼン・メント メント族 14歳 習得済み魔術:周囲爆発系統魔術 職業:冒険家 固有スキル:??? 未解決実績:0件 56レベル』

「へ~リゼンって言うんだ!次は僕だね…」

僕はステータスを映し出す。

「ヴィルスさんですね。よろしくお願いします。……フューリー族!?」

「なんか凄いのか?」

「凄いどころじゃないですよ!フューリー族は王族の中の王の種族ですよ!」

「え!マジ!?」

「マジです。」

「まぁ気をとりなおしてこちらこそよろしく。なんか敬語だと堅苦しいからタメ口で良いよ。」

「あ…そうなんだ。じゃあ改めてよろしく!」

「うん。よろしく。」

握手を交わした。


『プルプルプル』

電話が鳴った。

「あ…誰からだろ?」

リゼンが電話に出る。

「もしもし……はい。分かりました。」

「ヴィルス…町に2体の魔物が出ました。」

「魔物!?」

「退治に行ってくる。あと、もし外に出るときはそこの黒いローブを着て、フードも被ってから外に出ること。」

「分かった。行ってらっしゃい」




「やぁやぁ人間さんよ!ずいぶんと弱いなぁ!」

「そうっすね!オーク!」

オークとゴブリンが立っている。

「止まりなさい!冒険家だ!」

銃を構え、撃つ。

「おぉ来たか!ずいぶんと貫禄あるね~」

「でも全然痛くないっすよ!」

「これ以上人間に危害を加えるなら、討伐するぞ!」

「構わねぇさ!俺達人間ごときにやられるほど弱くねぇよ!」

「そうっす!倒せるもんなら倒してみろ!」

「じゃあお望み通り!」

剣を持ち、斬りかかる。

「ほほう。かすり傷だな~」

「ワイは少しだけ痛かったっす~!」

「だったら…」

リゼンの下に魔法陣が描かれる。

「爆ぜて消えろ!周囲爆発系統魔術:ビッグバン・フレア!」

オーク達の下にも同じ様な魔法陣が描かれ、そこから炎が出てきて、爆破する。

「なかなかやるなっ!」

「ワイもう倒れそうっす!」

「おい!ゴブリン!あれをやるぞ!」

「分かったっす!」

ゴブリンがそう答えたら、お互いスライムみたいなネバネバしている物質になり、絡まり合い、一つの形を生み出される。

「ゆ…融合種だと!」

「俺達は生まれ変わった!オークゴブリンになぁ!」

「何だと!」

「だからこんなこともできるんだよ!」

ゴブリンの素早さを利用して軽々走り、斧に魔力を込めて、リゼンに振りかぶる。

「死ねぇ!」

「ぐわぁぁぁぁっ!」

リゼンは倒れる。




僕はずっと見ていた。リゼンが戦っている所を

「リゼン…!?あいつ…倒れた!早く行かないと!」

リゼンに言われた通りローブを着て、フードを被って外に出た。



「さて…俺らはこの町をボスの物にするか!」

「やめ…ろ…」

オークゴブリンの足を掴む

「まだ生きてたか!じゃあ今度こそ死ねぇ!」

斧を振りかぶる。

「待て。」

「あ?何だ?まだただの人間がいたか。まぁ良い!そこの人間もまとめて殺してやる!まずはこの冒険家からだ!」

もう一度斧を振りかぶる。

「だから待てと言っているだろう?今すぐ斧を手放せ。さもないと手が出るぞ。」

「何を偉そうに!お前から殺してやる!」

オークゴブリンが近づいてきた。

「俺はフューリー族だ。」

「フューリー族!?嘘だ!フューリー族ならフューリー製のアクセサリーを見せろ!」

(アクセサリー!?そんなもの…)

ポケットに手を入れてそれらしき物を探す。

(あった!)

「これか?」

「な!本当にフューリー族だと!」

「お前は僕以外の人間を殺しかけた。死んでもらう」

リゼンの家にあった剣を持つ。

「あ…れは!?」

「ばいばい。」

「お願いだ!やめてくれ!」

「今さら無理。死ね」

(やっべ~フューリー族ってこんな感じで合ってるのかな?王族って言ってたし、死ねとは言わないのかな?)

剣の刀身がオークゴブリンに当たる

ポキッ!

「はぁぁぁぁぁぁ?」

「それは…使用…期限が切れた使わない……ガラク…タだよ。」

「うっそ~!」

「え?あっれれ~王族もその程度かな?じゃあ同じことやり返してあげる!ふっ!」

オークゴブリンに思い切り殴られる。

「がはぁっ!」

遠くまで吹き飛んだ。

「ごほっ!」

口から血を吐く。

「ヴィルス…固有スキルを…使って…」

「固有スキル?ごほっ!どうやって…」

僕は固有スキルの使い方が分からなく、ひとまず、ステータスを開いた。

(固有スキル…あ!小さい文字で実行って書いてある!)

僕は実行ボタンを押した。

そうしたら辺りの環境が変わった。ふんわりしていて時々、ネオンカラーが混じっているそんな世界だ。

そして僕の手元にネオンカラーの万年筆が現れた。

僕はふと頭に出てきたセリフを言う。



     「今日は何を描こう?」



「ふ…ふざけるな!所詮は見せかけだろ!」

オークゴブリンが殴りかかってくる

「それはどうだろうね~」

素早く万年筆で空に字を書く。

オークゴブリンのパンチが当たると思いきや目の前に突然現れたネオンの盾によって防がれる。

「何でだ!何で俺のパンチが当たらない!」

「僕の書いた物語には僕への攻撃は全て通用しないという設定だからね。お前が僕が展開した世界にいる間はこの設定は永続だ。」

「何だと!?生意気な!」

斧で僕を斬ろうとしてるがそれも防がれる。

「せっかくだから斧も使えないようにしてあげるね!」

空にまた字を書く。

斧が消えた。

「嘘だ!嘘だ!嘘だ!人間が出来るわけがない!」

「物語の制作者はその物語の中では神に等しい存在だ。覚えておけ俺はまだ今は人間じゃない。神だ!」

空に字を書く。

その時、僕の手に魔力が溜まり、それが青い炎になる。

「悪は燃え尽きて滅びろ。」

オークゴブリンの腹部に向かって殴る。

そして僕の拳はオークゴブリンの腹部を貫いた。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

そのまま消えた。

「最後に…」

空に文字を書く

「あれ…回復した!」

「リゼン!帰ろ!」

「うん!助けてくれてありがとう!」




「ふ~ん。ヴィルス…新しいフューリー族…面白くなりそうですね…」




続く…






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僕の固有スキルは「物語を現実にする力」なので転生した異世界先で固有スキルと魔術だけで世界の王まで成り上がります 玖伝 飛鳥 @kudenasuka16

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