第2話 甘い罠に落ちて

アランが暮らす部屋は、シンプルながらも上質な家具が置かれ、剣士らしい研ぎ澄まされた雰囲気に満ちていた。


ユウキが部屋に入ると、アランはソファに腰掛け、優雅にワインを嗜んでいた。その姿は、まるで絵画から抜け出したような美しさだった。


「ユウキ、来てくれたんだな」


アランは立ち上がり、ゆっくりとユウキに歩み寄る。その近づいてくる姿に、ユウキは息をのんだ。


「はい...お話って、なんでしょう?」


ユウキは少し緊張した面持ちで尋ねた。


アランはワインのグラスをテーブルに置き、真剣な眼差しでユウキを見つめた。


「実はな、俺はお前に頼みたいことがある」


「頼み事、ですか?」


ユウキは戸惑いながらも、アランの言葉に耳を傾けた。


「ああ。俺はお前と一緒に、ある特別な依頼をこなしたいと思っている」


アランは少し間を置き、ゆっくりと続けた。


「俺たちの力なら、どんな困難な依頼でもこなせるはずだ。そして、その過程で俺たちはもっとお互いを知ることができる」


ユウキはアランの言葉に、心が揺さぶられるのを感じた。確かに、アランと一緒に冒険をすれば、強さだけでなく、様々なことを学べるかもしれない。


「でも、なぜそれを僕に?」


ユウキは勇気を振り絞って問いかけた。


アランは少しだけ微笑み、ユウキの肩に手を置く。


「お前は俺が今まで出会った誰とも違う。強さもさることながら、その美しさと純粋さに惹かれたんだ」


ユウキは顔を赤らめ、言葉を失った。


アランはさらに続けた。


「俺はお前と一緒に、誰も知らない冒険をしたい。そして、その中でお互いの絆を深めたいんだ」


ユウキはアランの熱い視線に、抗えないものを感じていた。


「わかりました...アランさんと、一緒に冒険をします」


ユウキは決意を込めて答えた。


アランは満足げに微笑み、ユウキの頬に手を伸ばした。


「ありがとう、ユウキ。これから俺たちは、最高のパートナーになる」


そう言って、アランはそっとユウキの唇に触れる。それは、甘く、誘うような口付けだった。


ユウキは初めて味わう感覚に、熱くなるのを感じた。


「アランさん...」


ユウキはアランの名を甘く囁き、二人は熱い口付けを交わした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る