異世界ギルドから始まる、美しき剣士と魔法使いの禁断の冒険。

あおぞら多幸館

第1話 誘惑の始まり

レインフォードに夕陽が差し込む頃、ユウキはギルドの仕事を終え、帰路につこうとしていた。


「ユウキ君、お疲れ様!」


ロキがにこやかに声をかけてくる。ユウキは爽やかな笑顔で応えた。


「ロキさん、今日もいろいろとお世話になりました」


「いやいや、君の活躍のおかげで、最近のギルドは活気付いているよ。本当に感謝しているんだ」


ロキはユウキの肩を軽く叩き、誇らしげに笑った。ユウキの強さと美しさは、今やレインフォード中に知れ渡っていた。


そんな時、ユウキのポケットに入れた通信水晶が、静かに振動した。


"ユウキへ。今夜、俺の部屋に来ないか? 話したいことがある—アラン"


ユウキは通信水晶の文字に目を通し、心臓が高鳴るのを感じた。アランからの突然の誘い。それは、冒険とはまた違う、甘美な誘惑の始まりを予感させた。


「ユウキ君、どうした? 顔が赤いぞ」


ロキが不思議そうにユウキを見つめ。ユウキは慌てて顔を伏せた。


「あ、いえ...その...少し暑くて...」


言い訳のように言葉を絞り出し、ユウキは足早にギルドを後にした。


夕陽に染まる街を歩きながら、ユウキは頭の中でアランの姿を思い浮かべた。銀髪の美しき剣士。強さと優しさを兼ね備えた、完璧な男。


(アランさんと、二人きり...)


ユウキの心は期待と不安で揺れ動く。今まで味わったことのない感情が、彼の心をざわめかせていた。


やがて、アランが暮らす宿舎へと辿り着く。ユウキは深呼吸し、意を決してノックした。


「入れ」


アランの低く、落ち着いた声が聞こえ、ユウキはゆっくりと扉を開けた。


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