第14話 ロボ娘vs呂布もどき
場所はテント広場。広めの芝生地帯を大きなテントが覆う広場。障害物などが少なく、元はここで多くの人がピクニックなどをしたであろう。そんな場所にて馬とロボ娘が鉢合わす。互いに席が近く、最近編入してきた星谷世一という男の子と仲が良いくらいの共通点しか持ち合わせていないが、戦うのは心苦しい。そう思うのが普通だろう。
しかし、鉢合わせたのが馬とロボ娘。この瞬間話し合いが行わられたのは、ほんの数回だった。
キリコ「
キリコは自身の右腕をショベルカーのような黄色のショベルへと変形させる。
キリコ「
さらに、左腕をブロワー車のような緑色の大型の扇風機に変形させる。方や馬場は背には巨大な弓、手には巨大な槍を持ち構える。
キリコ「変形完了:これより当機体による殲滅作戦を決行します。」
馬場「ヒヒーン!呂布参る!」
両者ともに一斉に走り出す。
キリコはターボによる加速により走り出すが、馬場は馬なのでもちろん四本足で走る。スピードの差は無い。
先手を仕掛けたのは馬場であった。馬場は巨大な槍を振り回し、キリコへと攻撃する。キリコはショベルで防ぎ、ターボによる不規則な加速で馬場の背後へと回り込みショベルで馬場の背中を叩く。
馬場「ヒヒン!見えていますぞ!」
馬場はノールックダッシュをし続けながら上半身を捻り、槍でキリコのショベルを薙ぎ払う。キリコは薙ぎ払われた時体勢を崩し、加速した勢いのまま地面へと落下。体が物理法則に従って、地面を抉りながらその鋼の身体にダメージが入る。
馬場「ヒヒン。私としたことが、少々大人げなかったでしょうか…」
そう言う馬場を横目にキリコは態勢を整え、ショベルを地面へと突き立て、ターボの向きを変え、威力を殺しダメージを最小限に抑え立ち上がり、身体に修正を加える。
キリコ「
右腕を先端部に二つのノズルが付いた「はしごが伸びるタイプ」のはしご車のような、赤色と銀色のはしごへと変形させる。
キリコ「
左腕を水色のクレーン車のような伸縮可能なクレーンへと変形させる。さらにクレーンの先に二つの小型ドリルが付いている。
キリコ「ターゲット・ロックオン」
はしご部分が伸び、ノズル部分が徐々に青色に発光し始める。そしてクレーンのドリルを展開し地面へと突き刺し、体を固定し支える。
キリコ「
先ほどまでエネルギーを貯めるように発光していたノズル部分からレーザーのような鋭い水を発射する。一直線に向かうレーザーに対し、馬場はそのレーザーを斬るように槍の先端でレーザーを突く。レーザーはその槍に中心から引き裂かれるように分裂し、馬場の身体を射抜くことなく後方の観覧車を通過していく。
馬場「威力こそ確かに凄まじいものでしたが、技量という点においては私の方が上のようでしたね。ヒヒン!」
「
キリコは両腕を青色の大型ドリルに変形させ、背中から翼の先に回転ノコギリが付いた黒とオレンジ色の戦闘機のような翼へと変形させる。
馬場「今度は殺意マシマシですか、骨が折れそうです。ヒヒン!」
キリコはテントをドリルで突き破り、ジェット音を高らかと鳴らしながら空中へと飛び出す。
馬場はテントで覆い隠された空を見上げ、弓を構える。
馬場「ヒヒン…奇策冷徹をもって終わらせましょう。炸裂するは、掎角一陣!」
無駄にいい声で馬場は普通に弓を射る。約10本、構え射った矢は正確に高速で動くキリコをの軌道を射抜いていく。キリコも負けじと劣らず反撃を開始する。ダイバーの高機動力を生かした三次元的な四方八方から両腕のドリルによるラッシュを馬場へと食らわせる。
馬場「これは少しばかりまずいですね…」
馬場は槍で応戦するも、馬の身体では小回りが効かず、苦戦を強いられる。そしてもう一撃、食らうと思っていると
馬場「ヒヒン?」
先ほどまで耳に入っていたキリコが放っていたジェット音が不意に消える。馬が音を検知できる距離は約4km。つまり馬場の認識距離から外れたことを意味する。逃げたと考えるのが普通である。だが、武人でもある彼の直感はそれを否定する。戦おうと言い合った者が言葉も無しに逃亡することはあってはならない、彼女が今ここにいないのは彼女なりの作戦があってのこと。
ゴゴゴゴゴ
馬場「
突如として起きる振動。それは馬場の足下から発生し、徐々に大きくなっていく。
ゴゴゴゴゴ
馬場「
キリコ「ターゲット・ロックオン。
地面からドリルが飛び出したかと思うと巨大なアゴのようなものに馬場は捕まれる。それは徐々に力を増し、馬場を圧迫していく。馬場は必死に抵抗するも空しく、HPがゼロとなる。
キリコ「HPゼロを確認。馬場さんお疲れさまでした。」
馬場「ヒ、ヒヒーン…」
キリコ「提案:このまま駐車場の方まで運搬いたしましょうか?」
馬場「
キリコ「承諾:これより、三国志で有名な呂布殿を運搬します。」
馬場「
後書き
この話を見た分かると思うが、俺は赤兎馬と陳宮が好きだ。キリコの
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