第13話 開幕バトルロワイヤル
サイレンが鳴ったと同時に爆音がハイウェイオアシス内で響く。俺はその方向を見ると、火柱と氷柱が立ち上がっているのを確認した。
星谷「おお!あそこは確か幼児用複合遊具らへんだったか。やってんねー。そんでもって、そこで見ているお前たちは、俺のこと攻撃しないのか?」
そう言って、遊具の反対側に隠れている奴らに話しかける。
「
そう言って現れたのは白髪の青年だった。そしてその後ろを追うようにツンツン頭の男と丸っこい男が続く。互いに遊具に囲まれた真ん中付近まで近づく。
星谷「は!何が「そろそろ気付く」だ。とっくに気付いてたが、お前たちよりも面白そうな戦いが起きてる方に夢中になってただけさ、えーっと名前は…」
「僕の名前は
「俺の名前は
「オイラの名前は
星谷「ご丁寧に自己紹介どうも、三上に遊斗、そして恵ね。」
三上「そんな悠長にしてていいのかい?既に君、僕たち三人に狙われてるけど?」
星谷「そんなに急かしたいなら、今すぐにでも……始めてやるよ!!」
俺は三上に対して斬りかかるが、すんなりと避けられる。そしてこの攻撃と同時に恵はどこからか武器を取り出し、遊斗に持たせ
遊斗「お前ら、分かってると思うが五分間だけだからな!」
そう言葉を送り、剣と銃を三上に投げ渡し、三上はそれを受け取ると、ウィンクをして合図する。合図を送られた二人は散会し、現状俺と三上が対峙する。
星谷「そんなオモチャみてぇな剣と銃で俺とやりあえるかよぉ!」
三上に対してまたも
星谷「だったらこれはどうだ!」
ブレイカーの刃先を擦り合わせて火花を散らす。それにより、
この情報はまだ学校で言ってないというか、現状俺しか知り得ないアドバンテージだ。これなら目の前のコイツの意表を突ける。
そう確信し、剣を解き再び斬りつけようとするが、三上は一切驚きの表情を見せなかった。余裕をこいているのか、ウィンクまでしてやがる。攻撃を交わし、応戦し、銃を撃つ。そして、紛れもないふざけた銃声が響く、俺の頬を掠めて何処までも突き進んでいく赤く光る銃弾はまるでSF映画を彷彿とさせる。
星谷「オモチャのくせにどんな性能してやがるんですか!?」
あり得ない。さっきから有り得ないことが引き続き起きている。どこからともなく現れる武器に、オモチャみたいな形の高性能な武器。そして、極め付けはいくら攻撃しても理不尽なほどに避け続けられる。それに初出し情報にも動じずに…
星谷「お前らのZONE、なかなかに厄介だぜ」
三上「そう言って貰えるとは、感謝するよ。」
何だこいつ?こっちは果敢に攻めてるってのに、ウィンクしながら平然と剣の軌道を反らしたりしやがる。だが、妙だな。一方的に攻撃している俺のせいでもあると思うが、それにしても向こうからのアプローチが全く来ない。これだけの実力を持ちながら、なぜ向こうから攻撃してこない?一応は元部さんと互角ぐらいにはやり合える俺の太刀筋に平然と着いて来てるのに…
星谷「どうしたどうした!
遊斗「焦るなよ。ゲームはまだ始まったばかりだせ?星谷!」
遊斗が三上の後ろから援護射撃を行う。今度は対象年齢が十五歳くらいの銃での射撃だ。スポンジの先にプラスチックが付いたような見た目の弾が
星谷「え?」
恵「横がお留守ですよ。」
恵が放ったオモチャのレーザー銃が俺の体に当たる。ジュッという音と共に肌が焼けるような感覚に襲われる。
星谷「っ……!」
こいつら一体どこから武器を取り出してるんだ!?アイツら手ぶらで俺に会いに来てたよな!?
ダメだ、三対一だと圧倒的に不利。一度でもいい、アイツらを引き離す!
星谷「地上じゃなくて、もっと場所移そうぜ!」
大型遊具の上へと走り飛び、三上に対してこっち来いよと手で表現する。その誘いに乗った三上は俺と違って結構な時間をかけて、頑張ってよじ登って、その際か息が上がっている。
星谷「どうした?もう息切れか?」
三上「うるせえ…」
星谷「じゃあ、来てみろよ。」
発破をかけるが、片目を閉じて、こちらに向かってくる様子が無い。
やっぱり基礎能力や反応速度は向こうの方が明らかな格下。だが、俺が攻めに回った時、一度も三上に攻撃が当たることが無かった。それにカウンター型の武術を習っていたとしても、自分からの攻撃手段を学ばないことなんて無いだろう。
現に、三上は自分から攻めてくることは無かった。基本的に俺が攻めに回ってたからだ。しかし、俺がいざ守りに回った時、アイツの攻撃はとてもじゃないが、強い奴の動きをしてなかった。武術であの守りの動きができるなら、攻めもできるはずだ。それをしないってことは……つまり、ここから導き出せる答えは。
星谷「ようやく、お前のZONEのカラクリがわかったぜ。こっからギア上げていくぞ!」
全ての攻撃が相手に見透かされている時は何をすればいいのか?そりゃ、簡単な話。
星谷「お前が未来を見ても、対応できない速度でぶっ倒してヤラァ!」
三上のZONEはおそらく未来を見ることができる、直感の最延長線上にあるような技能か異能系ZONE。それに三上は所々目を瞑るような動作をした。おそらく、それが発動条件!
息切れを起こしながらも、三上は必死に抵抗を続ける。
遊斗「三上君!」
遊斗は三上を援護しようと恵のそばを離れる。
恵「やばいよやばいよ!?」
恵が一人になったことで状況は三人すべてバラバラの位置にいる。この状態なら、必ずまた違う対象の援護に回る時、一定の距離が開く。つまりは三キルチャンス到来だ!
俺は三上の足がふらついた瞬間に
星谷「さーて、次は誰を狙うかねー?五分とか何とか言ってた、お前を狩るか。」
そう言い放つと同時に、俺は用意しておいた秘策を使う。ブレイカーモードの二本の柄の先端の連結部分を大体3m前後の長さの鎖で繋げる。
星谷「行くぞオラッ!」
繋げた鎖で遊斗の右足を拘束する。
遊斗「バカな!?」
星谷「今からハンマー投げしようぜ!お前がハンマー部分な?」
鎖を振り回し、遊斗も振り回される。三上は振り回される遊斗を助けようとするが、結構な速度で回ってるため近づくことができない。そして遠心力に耐えきれなかった鎖の拘束が解け、遊斗は遊具の側面に叩きつけられる。
星谷「後は、お前だけだな。」
三上「クソッ…」
星谷「種明かししてやろうか?お前のZONEは片目を閉じることで閉じた時間だけ先の未来を見ることができる未来視だな?そして、オモチャみたいな武器で俺を凌ぐことが出来た理由は、遊斗のZONEによる影響。おそらく触ったものを実体化できる能力。それで、恵のZONEで取り出したオモチャを実体化したんだろう。そしてこの五分間という制限、それは実体化が解けるまでの時間って訳だ。」
三上「どこまで分かってやがるんだ…?」
星谷「
三上「時間までちゃんと測ってたのか…」
星谷「時間の話なんて聞いたら誰だって警戒するもんだろ?事前確認を俺の目の前でやったのが運の尽き、遊斗の親切心がお前たちの作戦の仇になったって訳だ。これからは敵前での会話は時間稼ぎと煽り、そして連携する時以外は辞めとくんだな。」
三上「お前何様だよ」
星谷「勝者目線からのお前らへのアドバイスだよ。どうやら、お前ら友達っぽいし、いい連携はできてたとは思うぜ?だけど練度が足らないな。銃の扱いはお粗末だし、三人もいるんだったら俺を誘導して倒すこともできただろうよ。なんせ、俺ZONE無いし。」
三上「そこまで言われちゃ、もう戦う気は失せたよ。もう一思いにやってくれ。お前が言ったこと、あいつらにも伝えておくからさ。それで猛練習して次はお前を倒すからな。」
星谷「おう、期待して待ってるぜ。」
俺は三上を
一方別、アナウンス直後の場所では
テント広場
馬場「ヒヒン!よもや、このような戦場でこの呂布に再び出会ってしまうとは。」
キリコ「否定:あなたは呂布奉先ではなく赤兎馬では?」
馬場「あちらの方でも戦闘が始まっている頃でしょう。どうです?私たちも始めますか?」
キリコ「肯定:では、始めましょうか。」
馬場「この呂布、容赦せん。」
フィールドアスレチック
キリエ「まじ、あんたが初戦なの?」
ガマ「そうみたいやな。久々に本気出せる相手が来て嬉しいわ。」
キリエ「でも、あんた既にバス内で私が触れてるから、そっちが不利だからね?」
ガマ「そんなのわかっとるわ。ほな始めるでェ。」
観覧車付近
妃奈「三上さんたちを向かわせましたけど、ほんの五分でやられてしまうなんて…
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