異界の誓い ~転生したら最強の恋に落ちた~

青空多幸感(BL)

第1話 運命の出会い

春の暖かな陽射しが差し込む教室。桐原悠真は、窓の外に広がる桜の木々をぼんやりと眺めていた。


「ねぇ、悠真。授業中よ」


隣の席の女子生徒、佐々木美優が小声で注意する。悠真は我に返り、慌てて教科書に目を落とした。


平凡な日常。それが突然、終わりを告げるとは、この時の悠真は知る由もなかった。


「...んんっ!」


教室全体が眩い光に包まれる。生徒たちが叫び声を上げる中、悠真はただ呆然と光に飲み込まれていく。


気付くと、そこは見慣れぬ森だった。柔らかな草を踏みしめ、木々の間から差し込む光が幻想的な雰囲気を醸し出している。


「ここは...どこだろう?」


辺りを見回しながら、悠真は自分の身体に違和感を覚える。何故か、心地良い熱が身体の中を駆け巡っていた。


「おや、人間のお客様ですか?」


その声に、悠真ははっと顔を上げた。目の前には、この世のものとは思えない美貌の青年が立っていた。白金の髪は柔らかに波打ち、深緑の瞳は神秘的な輝きを放っている。


「あなたは...?」


悠真の問いに、青年は優雅な仕草でお辞儀をする。


「エルフの王子、レイス・エルフィスと申します。この世界へようこそ」


レイスと名乗った青年は、悠真に微笑みかけた。その笑顔は、甘い誘惑のように悠真の心を揺さぶる。


「異世界...?僕は、どうなってしまったんだ?」


混乱する悠真に、レイスは近づき、その肩に手を乗せる。


「選ばれし者よ、恐れることはない。あなたは新たな力を得て、この世界を救う運命なのだ」


レイスの言葉に、悠真の身体はさらに熱を帯びる。その感覚は、今まで味わったことのないものだった。


「その力...まさか、この疼きが...?」


レイスは頷き、悠真の唇にそっと指を当てた。


「その通り。その欲望は、あなたの力の源。私と共に、その力を解き放とう」


そう言って、レイスは悠真の唇を奪う。柔らかく、そして激しい口付け。悠真は抵抗する間もなく、甘美な感覚に飲み込まれていく。


「んぁ...!な、何だこの感覚は...!」


レイスの口付けは、悠真の身体を熱く疼かせ、今まで知らなかった快感を呼び覚ます。


「ふふっ、これが君の力だ。情愛の炎、その第一歩だよ、悠真」


レイスの囁きに、悠真は抗うことを忘れていた。ただ、この未知の悦楽に身を任せ、新たな世界への扉を開いたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年11月30日 12:00
2024年12月1日 12:00
2024年12月2日 12:00

異界の誓い ~転生したら最強の恋に落ちた~ 青空多幸感(BL) @aozoratakokan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画