【CoCシナリオ】ファゲルズァート島奇譚集
逢魔時 夕
◆概要◆
「ファゲルズァート島奇譚集」
原案:ガラウス=ルノヴィア
シナリオ作成:逢魔時 夕
システム:クトゥルフ神話TRPG、ポルナ=パルヴァド神話TRPG
プレイ時間目安:不明
形式:シティシナリオ
時代:現代
推奨人数:1人以上(複数人を推奨)。
推奨職業:無し。
推奨技能:戦闘系技能(本シナリオでは購入できないため)
あった方がいい技能:特に無し(必要な技能は作中で調達可能)
推奨通過シナリオ:「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」、「光金の欠片に願いを込めて」、「終わらない冬山の春」
ルール:持ち物の持ち込みに制限はない。
※このシナリオの著作権(財産権)は全て著作者に帰属します。二次配布や改変版の許可のない再配布、自作発言、商用他、金銭的なものが関わる使用などは禁止とさせて頂きます。
※ご質問、ご指摘等は「コメント」にてお願いします。個人的に遊ぶ場合はご自由に。改変等は、配信・リプレイなどで使用後、動画や小説などで公開する場合においてのみ。根幹に関わる過度な内容の改変はお控え頂けると幸いです。よろしくお願いします。
※リプレイ小説や動画など公開される場合は、「本シナリオの作者名」と「作品リンク」をはっきり記載して頂けるようお願い致します。できましたら、何らかの形で報告頂けると嬉しいです。
※この作品はフィクションであり、実在する人物・団体・地名等とは一切関係ありません。どこかで聞いたことがある神話関係の言葉などが見られても、それらは実在するものとは全く一切関係ありません。
※「小説家になろう(逢魔時 夕名義)」、カクヨム(逢魔時 夕名義)」、「note(逢魔の黄昏名義)」、「pixiv(逢魔時 夕名義)」に同シナリオを公開しております。
【推奨事項】
本シナリオは「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」や「光金の欠片に願いを込めて」、「終わらない冬山の春」と世界観を共有するポルナ=パルヴァド神話シリーズに属するクトゥルフ神話TRPGシナリオとなります(結局、クトゥルフなのかポルナ=パルヴァドなのかどっちなんだよ)。
「光金の欠片に願いを込めて」や「終わらない冬山の春」と同じく舞台は地球で、「光金の欠片に願いを込めて」や「終わらない冬山の春」の中に出てきた一部設定が本シナリオにも関わっていますが、あくまで小ネタレベルのものから派生しているので「光金の欠片に願いを込めて」や「終わらない冬山の春」を遊ばなくても楽しめる筈です。
時系列としては、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」→「光金の欠片に願いを込めて」→「終わらない冬山の春」→ 「終わらない冬山の春」の流れになっていて、その流れである種のキャンペーンシナリオ群として遊ぶとより楽しめると思います。
なお、本シナリオは「光金の欠片に願いを込めて」のTRUE ENDの一つと同じ世界線ということになります。そのため、『新クトゥルフ神話TRPG』と大きく設定が異なっている神格が若干一柱登場しますが、気にしなくて大丈夫です。また、その関係上、いつも以上に執筆者の独自解釈が多分に含まれています。
【本シナリオでの特殊ルール】
本シナリオでは『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』(第七版)の使用を前提としていますが、一部のルールに本シナリオでの特殊ルールを追加しておりますので、こちらを前提に遊んでください。
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1クリティカル(1)
クリティカル(2〜4)
イクストリーム成功(1/5)
ハード成功(1/2)
成功(結果≦能力値)
失敗(結果>能力値)
ファンブル(96くらい? 〜99)
100ファンブル(100)
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【本シナリオにおけるステータスの扱いについて】
本シナリオ中、耐久値を回復できるアイテムを入手することができます。その際、耐久値の上限は99となります。99を上回る回復はできません。また、各ステータスについても99が上限に設定されています。
ただし、ゲンカイトッパーの使用などの特定条件を満たせば最大で999まで耐久値を回復上昇させることができます。他のステータスについても同様です。
なお、正気度には上限がありません。
他のシナリオに参加する際に不都合が生じた場合はKPと相談の上、適切なステータスに変更してください。
【アイテムとアーティファクトについて】
pixivの方で三千代様よりご指摘頂きました。
本シナリオではシナリオ中に入手するものに、アイテムやアーティファクトの区分はありません。
各卓ごとの基準で分類してください。
一応の大まかな括りとしては魔術的なもの、神話的なもの、呪いに纏わるものなど……こういった神話要素、ファンタジー要素があるものはアーティファクト扱いでいいと思います。
カードキーなど、一つの施設、一つのエリアでのみ役立つアイテムや食料品、ドーピング薬系はアイテムの括りでいいと思います。
【シナリオ概要(全体公開用)】
本作はファゲルズァート島を舞台とした複数のシナリオの短編集になります。
旅行代理店の緋夏樹旅行株式会社は五十周年を記念して人気のリゾート地ファゲルズァート島に一ヶ月間滞在できるミニバカンスを提供する企画しました。
その企画に応募し、大勢の応募者の中から選ばれた探索者達は七月三十一日に日本を出立して八月の一ヶ月間、リゾート地・ファゲルズァート島でバカンスを楽しむことになります。
宿泊場所のホテル費用を飛行機代と共に緋夏樹旅行株式会社に出してもらえることになった探索者達は自由に一ヶ月の間、ファゲルズァート島を満喫することになります。
以上は全てのシナリオに共通する概要で、ここからは探索者の選択で大きく分けて六つのシナリオに分岐します。
【シナリオ概要(KP向け)】
……まあ、ウソなんですけどね。
実際にはファゲルズァート島という島もなければ、緋夏樹旅行株式会社なんてものも存在しません。
特別な牛ミノタウロスから神の力を少しずつ抽出して結晶化させ、『光金の欠片』を手に入れた
緋夏樹旅行株式会社という旅行会社を現実改変で生み出し、その社長令嬢の
マンダリーナは実験期間を一ヶ月、三十一日間と決めており、その期間が過ぎると島を消滅させます。つまり、ファゲルズァート島には八月三十二日も九月も存在しないということです。この期間を過ぎても島にいる場合は強制的にキャラロストとなります。島そのものが消されるため、対抗する術はありません。アザトースの夢が覚めるようなものです。
このマンダリーナの野望を挫くのが、本作七つ目のシナリオ「(裏)三十一日の幻想」ということになります。
ちなみに、本作の六つの短編シナリオにはそれぞれ七つ目のシナリオのヒントが隠されています。
「ファゲルズァート島スタンプラリー」
シナリオの動機づけであるマクガフィン、「ファゲルズァート島スタンプラリー」ではスタンプラリー、「(裏)三十一日の幻想」では緋夏樹旅行株式会社の五十周年記念ツアーが重要という点が共通しています。通常、マクガフィンは「物語の成立を目的とするならそれ自体が何であるかは重要ではなく代替可能ですらあるもの」を指しますが、本シナリオでは動機づけのためのイベントこそに意味があり、何故、そのイベントが行われたかという真意を考える必要があります。
また、シナリオの構造そのものも二つのシナリオは類似しています。
なお、シナリオの発想元は『名探偵コナン 紺碧の棺』ですが、シナリオのボスについては某ラピュタ王家の分家の影響があるような、ないような……。
「コーヒー牛乳の謎を追え!」
本シナリオに登場する『光金の欠片』は『
また、牧場主のアニェッロが宇宙人の被害から逃れたくて緋夏樹旅行株式会社から自然豊かで安全なファゲルズァート島の高原での牧場経営を提案されたのに、未だに宇宙人達の襲来に怯えている点も大きな気づきを与えてくれるでしょう。
また、宇宙人達から繋がる火口遺跡にはミノタウロスからエネルギーを抜いていた装置も残されており、この装置も七つ目のシナリオの存在を推測するヒントになると思います。
それに加え、アニェッロが一便前の飛行機で島にやってきたにも拘らず全て島の名産品としてコーヒー牛乳が出回っている点も探索者達に気づきを与えてくれるでしょう。
「呪われし館の殺人事件」
このシナリオはアガサ・クリスティーの名作推理小説『そして誰もいなくなった』のオマージュ要素が散見されますし、作中のお助けNPCである
その実態はクトゥルフ神話の名作シナリオ『悪霊の家』であり、探索者達は推理小説の世界から非現実的な世界に迷い込むことになりますが、この
「美人の島の魔法の鏡」
このシナリオのラスボスであるミロワールは美に執着していますが、「(裏)三十一日の幻想」のラスボスであるマンダリーナは創世の神フェルマダに執着しています。
この何かに執着しているという要素が二つのシナリオのラスボスの間で共通しています。
「ウェーバード博物館の『金剛の涙』」
本シナリオのラスボスは邪神を蘇らせようと一連の事件を起こしました。しかし、実際にはラスボスの邪神は妄想の産物であり、実際は存在しないという情報がしっかりと探索を進めると判明します。
本作の六つのシナリオも島民達も『光金の欠片』で生み出された幻想に過ぎず、出会った島民達全てがどんな歴史を持っていても偽物に過ぎません。
「ファゲルズァート島そのものが存在しない」という「(裏)三十一日の幻想」で判明する大どんでん返しは、「ウェーバード博物館の『金剛の涙』」の核を担う邪神が実は妄想の産物であるという点と共鳴し合っているように感じます……よね?
「ゼルンの匣――十年前からのタイムカプセル」
このシナリオでは過去にタイムスリップしますが……実は元の時代で探索者が破壊したものは過去の時間軸でも破壊された状態で登場します。過去から未来へと流れる時間の流れを踏まえれば絶対にあり得ない時系列の矛盾です。
これは、ファゲルズァート島に過去も未来も存在せず、現在を参照して適宜、過去や未来を作り出しているため起こる現象ですが、この違和感はこの世界が作りであることを探索者に気づかせる大きな要素となるでしょう。
【注意事項】
・探索の時間について
本シナリオでは時間が重要になります。そのため、厳格に時間設定を設けさせて頂きます。
建物などの個別の探索箇所の場合は「軽く調査する」場合は10分、「しっかりと調査する」場合は20分経過したことになります。
街などの大きなエリアを探索する場合は「軽く調査する」場合は30分、「しっかりと調査する」場合は60分経過したことになります。
なお、この調査は買い物なども含みます。
【『KP情報』シナリオ開始のヒント】
本シナリオではメインシナリオを開始するためのフラグが各所にばら撒かれています。
特定の条件を満たさない場合はメインシナリオが開始できませんので、探索開始前にどの場所に行くことでシナリオを開始できるかという情報をKPが必要だと思う範囲でPLに伝えてください。
「ファゲルズァート島スタンプラリー」
港町リュレーエの町役場観光課でザグーマに話し掛けることがフラグになっています。
スタンプラリーの場所は情報が記された地図を手渡してもらえるため、その地図を元に移動すればほぼ全ての探索場所を調査することができます。
「コーヒー牛乳の謎を追え!」
温泉街アクアリーティアの温泉(店の種類は問わない)でコーヒー牛乳に興味を持って情報収集することがフラグになっています。
ミノタウロス牧場のあるクレータ高原はシナリオ開始時点では探索場所に指定できませんが、温泉街アクアリーティアで牧場の所在地情報を得ると探索場所に指定できるようになります(具体的には路線バスで移動できる駅が一つ追加されます)。
「呪われし館の殺人事件」
港町リュレーエの市場で探偵風の格好をした氷岡玲奈に話し掛けて頼みを聞くことがフラグになっています。
呪われた館のある大樹海はシナリオ開始時点では探索場所に指定できませんが、玲奈から所在地情報を得ると探索場所に指定できるようになります(具体的には路線バスで移動できる駅が一つ追加されます)。
「美人の島の魔法の鏡」
港町リュレーエのリュレーエ港についたタイミングでイベントが発生し、化粧品会社ELIXIR ROUGEの調査員二人が早乙女紅緒に怒られている光景を目にします。その際に「ロクザと呼ばれる固有種の実が美白村にある」という情報を<聞き耳>に失敗しても得ることができます。成功した場合は「ロクザの実には更に美肌効果がある」といった更に詳しい情報を得ることができます。
このイベントに遭遇することがシナリオ開始フラグになっていますが、その時点では美白村を探索場所に選べないため美白村について情報収集をする必要があります。
美白村について所在地情報を得ると探索場所に指定できるようになります(具体的には路線バスで移動できる駅が一つ追加されます)。
「ウェーバード博物館の『金剛の涙』」
ウェーバード博物館に足を運んでもイベントはシナリオは開始されません。
大都市リンプレントの街中で情報を収集する、或いは港町リュレーエの市場で玲奈から話を聞いた上で館に行くことを断ることでフラグが立ちます。玲奈の依頼を受けた場合は呪いの館の攻略後にフラグが立ちます。
「ゼルンの匣――十年前からのタイムカプセル」
ゼルン市に向かうとカルロスと出会う強制イベントが発生します。このイベントがフラグになっています。
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