3話 オーラバトラーまさる

まっつのパチンカス仲間であるまさるは焦っていた。

いつもなら勝利して当然の抽選でまさかの226番という養分いらっしゃいという番号を引いてしまったのだから。


昨晩、良番を引いた際にはまっつから代打ちの仕事を持ちかけられており、負けるわけにはいかない中でこの結果である。


しかし、パチンカスとして極みの段階に至っているまさるの思考の切り替えの速さは既に常人の域にはいないのである。


『たとえ良番でなくとも、良台でなくとも勝てばいいのだ!』

『226番だって半分切るぐらいだから良番と言えよう。』

『よって、昨晩の約束は成立しているのだ!』

『今日のスポンサーはまっつに決定!』


なんとも身勝手に思考を切り替えることで、まさるのオーラ力はかつてない程に高まっていった。。


まっつは自分の目に映った光景が恐怖を感じた。


「な、なんだあれは!?」

パチンカスの群れの中から一際目立つオーラ力が天高く放たれているではないか、それはまさにラストシューティング。


まっつは25番という良番というのを忘れ、恐怖のあまり思わず帰宅したくなった。


226番というクソ番を引いたにも関わらず、世紀末裸王マシャオウとしてまさるは覚醒したのである。


そのオーラ力は頭上から天高く光り、後光もさしているではないか!


「まさる…帰宅しないのかよ…ピエロとのジハードでも起こそうというのか…」


まっつは今になって昨晩かわした約束に恐怖した。


そもそも抽選番号が悪い以上その約束が守られるはずなかったのだが、あの男の思考回路では226番は良番に置き換えられている可能性がある・・・

まっつの指は先ほどとは別の意味で震えていた。


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ラストシューティング:機動戦士ガンダムの名シーン。ジオングとの決戦でメインカメラを失いながら勝利するポーズ


世紀末裸王:まさるの普段の姿である


ピエロ:ジャグラーのこと

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