底辺の俺 大人気の彼女に惚れられる " 別ば~じょん "
猫之丞
第1話
「くそ~~~~っ! ふざけんなよ!」
俺は今居酒屋で浴びる程ビールを呑んでやけ酒している。
えっ? 何故かって? そりゃ決まってるでしょ。
好きだった女の子に告白して、そりゃもうこっ酷く振られたからだよ。
大学生になってから初めて出来た女の友達の事が好きになった俺は、なけなしの勇気を振り絞ってその女の友達に告白した。 しかし
『はぁ? あんた、自分の姿を鏡で見た事ある? イケメンから遠く離れた容姿だし、何より身長が160cmしか無いチビが何私に告白してんのよ? そもそもあんたに優しくしていたのは、あんたを金蔓にしようと思ったからだからね? あんたバイトしてお金持ってるんでしょ? あんたの価値はそれしか無い事を自覚しなさいよね。 じゃあ私行くから、金輪際近寄らないでね。気持ち悪いから。 じゃ~ね~』
と言われ振られた。
……金蔓? なんじゃそりゃ! 確かにバイトはしているけど、そんなに金は持ってねーよ! 良く考えてみろよ! 大学生のバイト代なんてたかが知れてるだろうが? 俺からバイト代全部毟り取るつもりだったのかあの女は!
今晩は酒でも呑まなくちゃやってられない!
……という事で今の状態に至るという訳だ。
2~3時間程居酒屋でビールを呑んだ俺は、ふらふらした身体を引き摺りながら居酒屋を出て自分の住んでいるアパートに帰る事にした。 ……うっぷ! 呑み過ぎた……気持ち悪い……ワンチャン吐くかも……。
公共を管理している皆様……吐いたらすみません。
おっと……自己紹介がまだだったな。
俺の名前は "
世に言う三流大学に通う大学2年生。 今年の5月で20才になったから酒を呑んでもOKな年齢だ。
俺をこっ酷く振ったあの女が言う様に、俺は一般の大学2年生より少しばかり身長が低い。(160cm 小学~高校時代にはこれ以上伸びなかった(涙) 大学生になったらもっと身長が伸びてくれると強く信じている)
それに、イケメンじゃ無いとしても、見れない程の不細工では無いと思っている。
学部は教育学部所属。 何故教育学部を専攻したのか。 それは、高校時代に大変お世話になった先生に憧れたからだ。 俺もあんな先生になりたいと強く思ったんだよな。 高校二年の夏までの俺には大学に進学出来る学力は無かった。しかし憧れた先生に勉強を根気強くマンツーマンで見て貰い、三年生の大学受験時には三流大学なら何とか現役合格出来る位の学力を身に付ける事が出来たんだ。
全く先生には感謝してもしきれない。 高校を卒業してから二年経つけど、先生は元気にしているだろうか。
俺は酔っ払った頭でふらふらしながら道を歩いていた。 すると、近くの路地裏の方から
「や、止めて下さい!」
と女の子の嫌がる声が聞こえてきた。
俺はその場に立ち止まりその声がする方に視線を向けた。
視線の先には嫌がる女の子と、女の子を囲む様に女の子の退路を塞いでいる男が三人居た。
……ふむ。これは所謂嫌がる女の子を無理矢理ナンパしている野郎共の図だな。
「この女、面倒だから拐っちまうか」
「そうだな。ホテルに連れ込んだらこっちのもんだし」
「良いねぇ!」
「い、嫌ぁ!!」
……おっとこれは宜しくないな。 これ以上は犯罪になっちまうぜ?
俺は路地裏に移動し
「ちょいとお兄さん方、それ以上はいけない。その女性を離してあげなよ。 言う事聞かないと痛い目みちゃうよ? 物理的に……ね?」
と野郎共に声を掛けた。
「……はぁ? 何言ってんだこのチビ?」
「子供は家に帰ってママのおっぱいでも吸ってな(笑)」
「そ~。それな(笑)」
うん。こいつらは言っても無駄な奴らだな。 じゃあ宣言通りに……物理的に痛い目を見て貰おうかな。
俺はおぼつかない足取りで野郎共の1人に近付き、その野郎の腹にグーで一撃を入れた。
「グ、グエェ!?」
俺の一撃を貰った野郎は自分の腹を押さえたままその場に踞り、盛大にゲロを吐く。 そしてそのまま意識を失った。
「!? て、てめぇ!! 何しやがる!!」
意識を失った野郎の仲間が俺に向かってそう言いながら殴りかかってきた。 俺は野郎の拳を軽く避けて、カウンターの一撃を野郎の顎に入れた。
顎に一撃を喰らった野郎は当然ながら脳震盪を起こし気絶した。
「だから言ったじゃん。物理的に痛い目をみちゃうよ?って。おいそこのお前。まだやる?」
俺が残りの野郎にそう問い掛けると、野郎は首が取れるんじゃないか位の勢いで首を横に振り、慌ててこの場から逃げていった。
……お~い。お友達忘れてるぞ~。連れて帰れよ~。
俺はこの場に倒れている奴らを起こそうと倒れている奴らに近付いた。 その時
「……うっ! おぇぇぇぇ!」
大量にビールを呑んでいたせいか急に気持ち悪くなり、倒れている奴らの頭に大量のゲロを吐き掛けてしまった。
結果、ゲロまみれになったナンパ野郎共は触りたくないから放置する事にした。
そして俺は何食わぬ顔で襲われそうになっていた女の子に
「……失礼。お見苦しい物を見せちまったな」
「……えっ、いえ。あっ、危ない所を助けて頂きありがとうございました。なんと御礼を言えば」
「当然の事をしただけだから気にしないで良いよ。しかし、何故こんな薄暗い路地裏なんか通ってたんだ? あんたみたいな女の子は是非に襲ってくれって言っている様なもんだぜ?」
「えっと、この道を通れば目的地に早く着くかなって思って」
「まぁ、今回の事を教訓にして、次から時間短縮を考えずに大通りを通りなよ。じゃあ俺はこれで」
酒のせいで気分が悪かった俺は、早々にこの場から立ち去ろうとした。 それに眠かったし。 すると
「あ、あのっ!!」
女の子に呼び止められた。
「ん? 何?」
「お、御礼がしたいので、貴方の連絡先を教えて戴けませんか!!」
「ん? ごめん拒否するわ」
「な、何故ですか!?」
「ん~? 何か面倒臭い事になりそうだからかな? それに、今は女の子とは関り合いになりたくないから。それじゃ」
俺の後で何か言っている女の子を無視して俺は自分の住んでいるアパートへ帰った。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら ♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです (* ̄∇ ̄*)
今後とも拙作を宜しくお願い致します (。-人-。)
仕事の都合上、更新は遅くなるかも知れませんがそれでも良ければ宜しくお願い致します(。-人-。)
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