読者に配慮した異世界転移
@sssuo
第1話これって第1話だよな?
ふと、目を開けた。
あ、異世界転移だ。
0.7秒。俺が目を開けてから異世界転移したと悟るまでの時間である。
我ながら驚異的な早さだったが、正直これは目の前の景色があまりにわかり易すぎたからであって、俺がなろう系をすっごく嗜んでいるというわけではない。まあまあだ。
目の前には、石畳の道に中世ヨーロッパ風な建物がなら・・・いや待て、こういうのも俺がやんなきゃいけないの?こういうので情景描写とかするのって主人公なのか?いや普通にめんどくさいし作者が頑張るところだろ。頼んだぞ、作者。
とりあえずまじで本当にテンプレって感じな異世界だな。ケモミミがちゃんと目に付くとこ歩いてるし。うわしっかりエルフもいますわー、えかっわい!かっわい!え、もうこの時点でこの作者俺と可愛い子くっつける気まんまんでしょ。うわー最高すぎるわ。まじあざす。やっぱ情景描写は俺がやろうかな?ド素人だけど大丈夫そうかな?まあなんか天から「情景描写お願いします」とか書いた紙が降ってきたらやりますか。作者、そういうことで。
というか、まずは俺もやらなきゃいけないことがあるか。そう言えばまだ一言も喋ってないわ。やっぱ異世界来たら、茫然自失って感じで「ここ・・・どこだ?」が定番か?そうだな。他に思いつかないし、あんまり尺使ってもしょうがないからな。あ、てかアニメ化も考えてちゃんとカメラ意識した立ち回りした方がいいのかな。えーとカメラ、カメラどこにあるんだろうなぁ。あそこか?いややっぱ斜め上からとかの方が臨場感でるよな。・・・と見せかけて後ろっ!あー、今絶対ここにカメラあるわ。もう感じるもん。この俺の目の前のザ・異世界の景色を映しつつ俺を映す感じだよな。おっけい。
よーしじゃあいってみっか。俺の異世界転生、初めての言葉!よーしえーと、「ここ・・・どこだ?」だよな。よし、えーとじゃあ、本日お集まりいただき誠にありがとうございます。不肖、この私が作る異世界転移ファンタジーを、是非お楽しみください。では、いかせて頂きます。コホン・・・
「どこ・・・ここだ?」
ヒラ・・・ヒラ・・・。
何この紙。
『情景描写よろ』
・・・夢の国の歌うたったろかな
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