火星移民の日誌
地球文明歴1.005
火星歴26年
第20次火星移民人型団
団長 MEGURI AWASE (40)
私が男女合わせて40人ほど集団のリーダーに抜擢されたのは単純にその母集団で1番年齢の行った男だったからだ
男女2人で一つづつ支給された20隻の人型宇宙住を破綻無く2年の航海を終えれば
新天地と住まいと運が良ければパートナーまで付いてくるこの計画には
社会から落ちこぼれ
健康と年齢を無くしたおっさんが自分をチップに夢を見るのは十分過ぎた魅力があった
ただ年齢も高くパートナーも居ないおっさんに一緒に住んでも良いよって女性は少なく
パートナー候補が見つかったと聞いた時は大変喜んだものだ
その喜びも初顔合わせをキャンセルされ
電話もメールも交換しない状態で出発日になった事によってほぼ絶望に変わっていたが
後で聞いた話だが
出発前までパートナー候補の情報が無かった場合普通はキャンセルするんだそうで、しかもキャンセル料はキャンセルを申し出た側
つまり顔合わせで気に入らなかったらキャンセルさせる様に仕向けてる
あまり素性のよろしくない女性だった様で初対面でひたすら文句を喋っていた
見た目は痩せ型で160程度
声が高くて耳に痛く
狐顔の美人さんだった感じ
年齢は40代と言ったところ
とにかく自分大事の人を気遣う精神は0の様で有る
最後まで自己紹介すらしなかったので仮名としてザマスと名付けた
地球から月基地まではおよそ1月の工程で月で一度引き返す選択が可能な為
私は彼女が当然引き返す物だと思っていたが
あの女の悪意はもっと酷かった
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