第27話
「勇太ッ…あの、これ、いつまでッ?」
「イくか、潮でも噴いたら」
「しお…あの、勇太、楽しい?」
「うん、楽しいしコーフンするね」
「ッねぇ、風俗でも、こんな…ことシてたの?」
「は?せぇへんよ、こっちから手ぇ出さへん」
興が削がれた勇太は怪訝な顔で、手元をクイクイ動かしては私の反応を見た。
「お気に入り、とかッ…可愛い子が、いる、のかなぁ、って、気になって、」
「おれへん、最低なこと言うけどな、商売でやってる女はオナホールとおんなじ……オナニー用のグッズ、抜くだけ、手を借りるだけ」
「さい、てい、」
「向こうはそれを商売にしてんねん、こっちはそれ目的、本気で恋する奴もおるやろうけど、こっちは迷惑かけへんと金払うのだけが誠意よ」
勇太はそう言うと角度を変えて腹側を重点的に責め始める。
「ふゥっ」
「顔も名前も憶えてへん、浮気とも思えへん、売ってるものを買った、そんだけ」
「ひッ…」
「それともナンパとか援交の方が良かったか?ちゃうやろ、連絡先も何も要らん、割り切って抜いてもらうだけ、仕事に対して金を払う、そんだけよ」
「わかる、けどぉ、」
あれ、じゃあお金無しで性欲処理されてる私の方が上手いこと使われてるってこと?思考が追いつかない。
丸め込まれる、気持ち良い、顔も髪もソコだってぐちゃぐちゃでみっともない。
けれど本気で抗おうなんて思えない。
「しやから最低や言うてるやん、千里が特別やねん、そういう適当なことができひんから丁寧にシてんやろ、それに疲れたんは俺の落ち度、バレてもうたんも俺の落ち度や」
「…なに、やッ」
「キてんの、スポットな、千里のイくとこ、見たいなぁ」
「なに、勇太ッ⁉︎」
「初めて?気持ちいいだけよ、力抜いて……キスしよか」
こんなに至近距離なら表情だって見えないし口が塞がってれば喘ぎ声だって出ないよね、勇太の唇をはむはむと吸って脚を少し閉じた。
そうしたら盛り上がって来ていた興奮が一気に跳ね上がった。
「んッ⁉︎んー‼︎」
「……ふふ」
なんで笑うの、そんなに無様なの。
ジタバタ暴れれば、勇太は自身も私の腿へ付けてずりずりと動き出す。
「ゆーた、抜いてッもう、いいッ」
「スイッチ切っとこ、俺は太腿で楽しませてな」
「やだ、そんなことするんなら挿れてよ、コレ抜いて、」
「いや、まだ妊娠したないんやろ、ここで我慢やな」
「いじわるッ‼︎」
その後勇太は私の太腿の感触で極まり、最終的には馬乗りになって私に見せつける形でフィニッシュした。
「あー……千里、ヘソに溜まってる」
「やだ…」
「最初ナマで挿れてもうたから…これでデキとるかもしらんね」
「うん…それはそれで…」
射精前でも妊娠する可能性はあるのだ。もし既に受精しているとしたら「まだ妊娠したくない」なんてことを言ってしまって申し訳ないなぁと自分を恥じる。
ティッシュで拭いて引き抜いたオモチャも丁寧に拭いて、勇太は隣へころんと横になり私の腕のシャツを解いた。
「あー…すげぇ満足感やな…」
「そう…」
「………何べんも言うよ、千里…ごめん、千里がいながら他所でシてもうたんはほんまにアカンことやった。完全に忘れろとは言わん、思い出す度に責めてくれてええ、何べんでも謝るから」
「うん…」
責められているうちに跡が付いたのだろうか、勇太は私の眉間を親指でくしくし擦っては伸ばして
「元々がな、そない真面目な男やあれへん、エッチなこと好きやねん、興味があんの、結婚しても続けてたんは俺の落ち度や、けど千里が嫌いな訳ちゃうの、何べんも言うよ、千里が好きやねん」
と念を押した。
「うん…もう、行かないで」
「行かへん、絶対」
「シたくなったら私に言って、お金も要らない、サービスする」
「ありがたいけどなんかちゃうねんなぁ…」
その夜は寄り添って眠り、翌朝はスキンを着けた上で少し荒っぽいセックスをした。
つづく
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