第45話 目覚め(2)

 そして次に僕の瞳に映ったのは弁姫さまの双子の姫さま、ツンツンしている協姫さまでね。その後は学園の校長先生をしている王允先生に「あっ!」だ。


 そう僕が驚嘆してしまう少女の顔が映る……。だって僕の瞳に映ったのは幼馴染で元カノだったリちゃんに張繡さん……。


 それと何故かヤンキー少女の樊稠さんに。先ほど僕のことを殴り倒した。やはり僕とは幼稚園の年少から幼馴染になる牛輔君と李傕君、郭汜君の三人も上から覗き込んでいるから。僕は何故? と思い。みんなどうしたのかな? 何か遭ったのかな? まあ、僕がこんなことを思えば。


「あなた~、意識が戻ったようですね……」


 劉弁姫さまが僕へと告げてきた。


 だから僕は「うん」と頷き。


「弁姫さま、協姫さま……。王允先生……。そしてみんな何か遭ったの?」


 僕は横になったまま二人へと尋ね……。僕の後頭部が何故柔らかいのは、弁姫さまの柔らかい膝の上に頭が乗かっているからなのか、と理解する。


 だけど僕はまだ自分の今置かれている立場に理解をしていないから困惑、動揺をしていれば。


「仲穎、眼が覚めたのならば早く、弁姉様の膝から頭を上げなさい。仲穎! 貴方は本当にデブで重量があるのだから、弁姉様のか弱い足が痺れて立てなくなるでしょう。さぁ、早く。そこを退きなさい」


 いつもツンツンしている、でもあの時はデレデレしている協姫さまが僕の弁姫さまの膝から早く退け──頭を撤去するようにと急かしてきた。


「うん、分かったよ」


 僕は素直に頷くと慌てて自分の頭を弁姫さまの柔らかい膝から離し、上半身を起こした。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る