第35話


『破壊神オド=ルゼ…その踊りは、大地をも恐れる。始まりと終わりを既に知り、そして、その運命に従わせるべく、突然踊り出す。』



オド=ルゼの体には仲間の顔が埋め込まれていた。

テトはオド=ルゼの前に立ち、強い決意を胸に秘めていた。

その巨大な影は、圧倒的な存在感を放ち、彼女の心に恐怖を植え付ける。

だが、今は恐怖ではなく、怒りと希望が渦巻いていた。

彼女は仲間たちの顔を思い出し、その思いを力に変えた。


「私の運命は、私が決める!」


オド=ルゼの目が細まり、まるで楽しむかのように口元が歪んだ。


「面白い。我を相手にするつもりか?人間の小娘が、我に勝てると思っているのか?」


その言葉にテトは逆に奮起した。


「私は、世界を守るために、絶対に負けるわけにはいかない!」


オド=ルゼはその言葉に笑い、周囲の空間を揺るがしながら前進した。

彼の手が空中でひらひらと動くと、恐ろしい力が渦を巻き、テトを取り囲む。


「ならば、試してみるがいい。だが、君には死が待っているだけだ。」


その瞬間、オド=ルゼは指を鳴らし、周囲に無数の破壊的なエネルギー弾を放った。テトは咄嗟に反応し、素早く身をかわしながら、彼の攻撃を避ける。

エネルギー弾が壁にぶつかり、衝撃が周囲に広がる。


「くっ…!」


テトは自分の無力さを感じながらも、仲間たちのために立ち向かう決意を強めた。

彼女はを構え、反撃のチャンスをうかがう。

オド=ルゼはその様子を見て、再び笑った。


「生半可な力では、我には勝てない。」


そう言いながら、オド=ルゼはさらに力を増していく。

周囲の空間が揺れ動き、風が吹き荒れる。

テトはその圧力に耐えながら、ドリルを握りしめた。


「仲間たちの思いを背負って、絶対に諦めない!」


彼女は全力で突進し、オド=ルゼに向かってドリルを振り下ろした。

だが、彼の腕が伸び、テトの攻撃を軽々と受け止める。


「お前の力など、無意味だ。」


その瞬間、オド=ルゼはテトのドリルを弾き返し、反撃に転じた。

彼の拳がテトに向かって襲いかかり、衝撃が彼女の体を襲う。

テトは地面に叩きつけられ、痛みが全身を走った。


「これが我の力だ、弱者よ。」


テトは息を整える。

彼女は痛みを感じながらも、仲間たちのために負けるわけにはいかなかった。

彼女は再び立ち上がり、ドリルを構え直した。


「まだ…まだ終わってない!」


テトは再び攻撃を仕掛ける。彼女は全力で突進し、ドリルを振り下ろした。

オド=ルゼは再びその攻撃を受け止めるが、

今度はテトの力が以前よりも強くなっていることに気づいた。


「ふっ、少しは力が増したようだな。」

「私の仲間たちが、私を支えてくれているから!」


その言葉に奮い立たされ、テトは攻撃を続けた。

彼女はドリルを振り回し、オド=ルゼの動きを読んで一撃一撃を放つ。

オド=ルゼはその攻撃をかわしながらも、徐々にその動きに苦しむ様子を見せる。


「お前の執念、侮れん!」


テトはその言葉にさらに力を込め、攻撃を続ける。

オド=ルゼはそのたびに後退し、彼女の攻撃を防ぐのが精一杯になってきた。


「これが、私の力だ!」


彼女は最後の一撃を放つために、全力を振り絞った。

その瞬間、ドリルが輝き、彼女の周囲に仲間たちの思いが溢れる。


「私の仲間を、守るために!」


テトはドリルを振り下ろし、オド=ルゼに直撃させた。

衝撃が空間を揺らし、彼の姿が一瞬歪む。

テトはその瞬間を逃さず、さらに力を込めた。


「この一撃で…終わらせる!」


オド=ルゼは絶叫し、全力で防ごうとしたが、テトの攻撃は彼の力を上回っていた。強烈な光が周囲を包み込み、オド=ルゼの姿が徐々に消え去る。


「これが…私の力…!」


テトは最後の力を振り絞り、全てを込めて攻撃を続けた。

オド=ルゼの姿が完全に消え去り、静寂が戻った。

その瞬間、彼女の心の中に新たな希望が生まれた。


「みんな…私、みんなのおかげで…勝てたよ。ありがとう……。」


テトはその思いを胸に、これからも前を向いて進んでいくのだった。

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