第29話
ある日、特訓を始めてから数週間が経過した。
テト、ミク、リン、レン、ユカリ、カイト、ずんだもん、ウナ、アオイ、アカネ、
そして女王ルカの11人は、全員が心身共に鍛え上げられ、絆も深まっていた。
「今日は特訓の成果を試す日だな!」
私がそういうと、みんなが頷く。
だが、そんな期待感に包まれた瞬間、空間が歪むような感覚に襲われた。
次の瞬間、11人は神殿にテレポートされていた。
神殿は神秘的な雰囲気に包まれ、淡い光が溢れている。
壁には古代の文字が刻まれ、祭壇には美しい彫刻が施されていた。
テトはその場に立ち尽くし、周りを見回す。
「ここは…神殿?」
とリンが驚きの声を上げる。
「どうして私たちがここに?」
レンが不安そうに周囲を警戒する。
その時、神殿の中央に立っていた神が、優雅にこちらを振り向いた。
「テト、ミク、リン、レン、そして他の者たちよ。ここに来たのは運命だったのだ。」
テトは神の言葉に驚きながらも、何かが違うことを感じ取った。
しかし、次に発せられた言葉は、彼の予感を確信に変えた。
「あなたを転生させた神が、何かよからぬことを企んでいる。私にはそれがわかるのだ。テト、君はただの駒ではない。その神の計画を阻止しなければ、この世界は破壊されてしまうだろう。君が選ばれたのは、そのためだ。」
テトは戸惑いと不安が入り混じる感情を抑えながら、神の話を受け止めた。
「止めてほしい」
という神の言葉が、重く心にのしかかる。
背後の仲間たちも神の言葉に動揺しているのがわかった。
ミクが一歩前に進み、鋭い視線で神を見つめる。
「どうして私たちにそれを任せるんですか?あなたが直接行動すればいいのでは?」
神はその質問に微笑みを浮かべ、静かに答えた。
「私の役割は終わりに近い。世界に干渉することは、もはや許されないのだ。お前たちが行動を起こすべき時が来たのだよ。」
「その神が、何を企んでいるのか具体的にはわかるのか?」
レンが神に問いかける。神はゆっくりと首を横に振り、深いため息をついた。
「それはまだ完全にはわからない。ただ、彼はテトの力を利用し、この世界を破壊し、新たな秩序を生み出そうとしている。彼の狙いは『破壊神・オド=ルゼ』を召喚し、全てを終わらせることだ。」
その言葉に、テトの心は動揺し、手が自然と拳を握りしめた。
「僕を転生させた理由が、それだったのか…」
「そうだ、テト。」
神は頷き、続けた。
「お前は選ばれし者だが、彼にとってはただの道具に過ぎない。しかし、お前には彼の計画を止める力がある。世界の命運は、お前たちにかかっている。」
神の言葉を聞き、テトは目を閉じ、深く息を吸い込んだ。
重い決断が待ち受けていることを理解しながらも、
仲間たちと共にその道を歩む覚悟ができた。
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