第5話

村の防衛を仲間にしたモンスターたちに任せ、私は新たな冒険へと出発することにした。心強い仲間がいるおかげで、村は安全だと確信できた。ドリルを手に、未知の世界へと歩き出す。


仲間たちと共に森を抜け、丘を越え、私は進み続けた。途中、様々なモンスターと出会ったが、私のドリルのおかげで難なく突破できた。


「この先に何があるんだろう? 少し緊張するな」


私はさらに歩を進める。すると、ふと遠くの方から、助けを求める声が聞こえてきた。


「助けて……!」


その声は、明らかに人間のものだった。私は声のする方向へ駆け寄ると、草むらの向こうに、二人の人影が見えた。


「何が起きているんだ?」


そこには、恐ろしい魔族たちに囲まれている一人の女性と、その傍らで彼女を守るように立つ男性がいた。彼女は美しい金色の髪を持ち、優雅な服装をしている。


「リン! もう少しで助けが来るから、頑張って!」


護衛の男性は、剣を構えて懸命に立ち向かおうとしていたが、

魔族の数があまりにも多い。私はその光景を目の当たりにし、心が高鳴った。


「あの二人を助けに行かないと!」


魔族たちの注意を引くために、私はドリルを掲げ、突撃する。


「私が相手だ!」


私の叫び声が響き渡る中、私の武器を構え、魔族たちに向かって走り出した。

ドリルを一振りし、敵の一体を倒す。魔族たちは驚き、私たちの存在に気づいた。


「お前たち、何者だ!」


私は構わずに攻撃を続けた。


「なんだお前!邪魔だ!」

「そんなことはさせない!」


私が次々と魔族を倒していく中、レンも見事なさばきで魔族を撃退していた。彼の力強さに感心しながら、私はさらに攻撃を続けた。


「ドリルパンチ!」


鋭く回転したドリルが魔族に命中し、倒れ込む。その光景を目にしたリンは、私の姿を見つめて驚いている。


「あなたたちは……?」

「心配しないで! 私が助けに来た!」


魔族たちは次々と倒れていく。最後の一体を倒した瞬間、周囲は静まり返った。


「これで全員倒したか……」


私は安堵の息をつきながら、リンとレンの元に駆け寄った。


「大丈夫ですか?」


リンは少し震えながら、私の顔を見上げた。


「あなたは……誰ですか?」

「私はテト。異世界からきただけの人間です。助けるために、ここに来ました」

「テトさん……本当に助かりました!」


レンも私に礼を言い、安心した表情を浮かべている。リンは少し顔を赤らめながら私に頭を下げた。


「感謝します。私たちがこのような危険にさらされているのは、魔王の手下が関わっているからです」

「魔王の手下……?」


私はリンの言葉を聞いて、何か大きな問題に巻き込まれていることを感じた。


「私たちは、王国の外へ向かっていたのですが、魔族に襲われてしまいました。彼らは私を殺そうとしていたのです」


レンが話を続ける。


「私たちの任務は、魔王を討伐するための情報を集めることです。しかし、王女を守るためには力が足りず……」

「えっと…あなたってもしかして勇者様ですか?」

「勇者……? 私はただの異世界転生者だけど」

「…いいえ、あなたの力は間違いなく勇者です。私たちと共に、魔王を討伐してくれませんか?」


その言葉に、私の心は揺れた。勇者としての使命が私に託されるのか?


「それなら、私も力を貸す。大切なものを守るために、魔王を倒さなければならない」


リンとレンは、私の言葉に感謝の意を示した。


「私たちは、女王様に報告しなければなりません。女王様ならば私たちを救い出してくれるでしょう」

「女王様……?」


リンの言葉を聞いて、私は不安になった。女王に会うことができるのだろうか?


「急いで行きましょう。」


私たちはリンとレンと共に、急いで王国へ向かうことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る