閑話 偵察作戦 side香瑠


これは2人のデートの少し前のこと…


(ふーん、今度の週末にショッピングねぇ…ちょっと明那さんと情報共有してどうするか決めよっと)


「青山先生〜」


「お、宮本。どうした?」


「あの二人のことでちょっと」


「なるほど。空き教室の鍵借りてくるから少し待ってろ。」








「なるほど、週末にショッピングか、十中八九デートのつもりだろうな」


「だよね、それで、ついて行ってみようかなって。」


「なるほど、偵察作戦か、よし。協力しよう。」


「やった!じゃあ週末ね!」



そして当日


「あ、いたいた。あきなさ〜ん!」


「ああ、おはよう香瑠。あんまり大きい声で呼ぶとバレるぞ?」


「大丈夫ですって。ほら、」

そう言って指さした方では桃がナンパされていた。


「ちなみに凛がそろそろ着くはず」


「なるほど、それは面白いことになりそうだな。」


「それ、教師の発言なの?」


「お、来たみたいだ。」


「案外早く追い払えたな。」


「あ〜あれは自分の顔の良さわかってやって

るわ。言われなきゃ女ってわかりにくいし」


「姫乃顔真っ赤だな。そりゃあそうなる」


「あ、次は凛が悶えてる。これまだ始まって数分だよね?胸焼けしそうなんですけど。」


「あれで付き合ってない、何なら片方は好意に気がついてないのか・・・」


「あ、ようやく回り始めるみたい」


「よし、尾行開始だ」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「え、ここ!?」


「なるほど、姫乃から誘ったみたいだな」


「いや、あの子コスプレとか興味あるのか・・・」


「いや、多分着せた反応を楽しみたいだけだろう」


「ああ〜そういう・・・じゃあ私達もやってみます?」


「いや。遠慮しとく」


「そんな事言わずに、私、明那さんの白衣姿見てみたかったから!」


「そこまで言うなら・・・」


「やったー!じゃあ早速、はいこれ!」


「見つけていたのか・・・まあ香瑠の頼みだ。期待に応えてやるか。」


「こんな感じか?」


「おお〜!やっぱり似合う!やっぱりそのきれいな黒の長髪に合う!」


「それはどうも。なあ、香瑠も少し着てみないか?」


「え?い、いや〜それはちょっと・・・」


「ほら、これ」


そう言って明那さんが渡してきたのはメイド服だった。


「いや、こんなの着せるとか。明那さんそういう趣味あったの?!」


「いや、趣味ではないが香瑠が着たらさぞかわいいんだろうなって。ダメか?


「ううぅ〜それはズルい・・・」






「はい、これで満足ですか?」


「ははっ、本当によく似合ってるな。こんなかわいいメイドさんがいたら毎日が楽しそうだ」


「向こうは主従逆転してるのにこっちは逆らえる気がしない・・・」


「そんなこと企てた時点でアウトだ」


「はあ・・・」






「で、なんで買ってるの!?」


「え、可愛かったから。以上」


「いや、いつ使うの」


「いつってそんなの・・・」


「あ〜わかった。わかったから!」


「聞き分けが良くてよろしい。それより、あれ、面白いことになりそうだな」


「え?ホントだ、ソフトクリーム買ってる!これは間接キスのチャンス!」


「チャンスと言うか、やってるな。」


「え?凛ってそんなに心臓強いっけ?」


「いや、無自覚だなあれは・・・あ、ついでみたいにあーんしてるぞ」


「アイツ・・・強いのかアホなのか・・・あ、気付いたっぽい。」


「あれはアホなんじゃないか?」


「おい、教師・・・」


「今日は、かわいい香瑠の彼女だよ」


「っ!それは反則です明那さん。」


「お前もその顔でよく言うよ」






ここまで読んでいただきありがとうございます!

励みになりますので良ければ♡、☆、フォローお待ちしてます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る