死にそうになった悪役豚貴族、鬼畜師匠に出会いチート魔力で陰の実力者になる。
ビートルズキン
第1話 プロローグ
俺様はこんなところで死んでいい人間じゃないぷぎぃ。
毎日唐揚げとか焼肉とかプリンとかうまいものをたらふく食べて死ぬの定めだったはず。
そりゃあ親からもらったお金で奴隷を買って、イイコトしてもらったりそれでも足りないときは村のなけなしの年貢から金をかすめ取って夜遊びに使ったり。
俺様は今、全身に打撲、鼻と口から血と涎を吐き出しながらぴくぴくと潰された蛙のように倒れている。
「プギル……お前の蛮行もここまでだ!」
どこかのアニメのような主人公の男は高そうな甲冑に身を包み、かつて俺様に仕えていた女どもをわきに抱えて俺様に剣を向ける。
冒険者どもを雇って護衛をやとってそれでもその男「勇者」はそれらをなぎ倒し、俺様の贅沢三昧の日々に終止符を打ちながら証拠の書類を見せつける。
「この男は村から金を盗み取り、奴隷を買いとった外道だ」
別に奴隷を買うのはこの世界で違法ではないはずだが、この世界で勇者が現れていこう奴隷の扱いもその存在もないものにしようとしているえ。
俺は目から涙を流し、懇願する。
「い、命だけはお助け下さい。どうか」
「ふん、人間の恥さらしめ、とっとと消えろ。剣が穢れる」
俺は泣き叫びながら自宅へと戻った。
だが、入れてもらえない。
なぜだと門番に怒鳴る俺様。
門番は沈黙。
城の中から声がする。
「お前には失望したぞプギル、働け、そして強くなるのだ」
俺の好きな女どもには見捨てられ、家族からは家を追い出された。
それもこれも全部勇者のせいだ。
あんな奴。
俺様の魔法で一発だ。
奇襲のような攻撃で油断しただけだ。
今度は俺様があいつらをとっちめてやる。
くそったれが。
俺様は舌打ちし、家を後にする。
高貴な俺の服はボロボロになり、傷跡はずきずき痛む。
なにも暴力に訴えなくても金を返せと言えばすぐに返したのに勇者の方こそ野蛮だぞクソボケナス。
俺様は村にたどり着いたが、金はないし俺様の悪評が広まっている。
俺様は始まりの村の領主だったが、今は追放され、無一文。
当てもなく歩き出す。
そして俺様は馬車が来たことを確認してからいい匂いのする空色の髪の女が駆け寄ってくるのを見て意識を失った。
俺様は悪役貴族だ。
こんな世界俺様の優雅な魔法と最強の力をちゃっちゃと手にして、勇者どもから奴隷を奪い取るえ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。