Chapter 023  今日も元気に行ってみよう!


 やぁ、ごきげんよう。

 マカロニだよ~~。


 今ね~山林国ケルウッドの首都カプラルの西側にオルズベク皇国があるんだけど、その国境付近にいるよ~。

 ミルミウ山の依頼が終わったあと、近くの山村の長老のお爺ちゃんに安全になったよ~って報告に行ったんだ。


 次に首都カプラルの冒険者ギルドに戻って報告して、ご褒美もらったりしたんだ。なんかね~今回のクエストって異例中の異例だったみたいで『特異のゴブリンが武装して組織的な戦闘をした』ていう情報がギルドとか国の偉い人達が驚いたらしくて、ギルド長に細かく何度も聞かれたりテラフは王宮に呼ばれたりして、それで数日くらい忙しくバタバタしてたんだ。  


 その後、ペンネ君を冒険者登録したかったんだけど「ステータス欄に『種族:黒ゴブリン』って出るからやめとけ」ってテラフが言うから、しょうがなくペンネ君の方は、登録とか要らない非冒険者斡旋所、日雇い部門の仕事をしてもらってたんだ。


 そしたらね~。一昨日、冒険者ギルドに入ると、いつも僕に話しかけてくる三人組の人たちがペンネ君が、冒険者登録していないのに僕たちと依頼受けてるのは、インチキだって騒ぎだしちゃったんだ。


 無実を証明するならギルドの受付にある【天眼鏡ルーペ】使って証明してみせろって言われて、テラフがその場はうまく話してくれて、その日は大丈夫だったんだけど……。


 次の朝に冒険者ギルドの前でテラフとヒルメイさんと待ち合わせで先に来て待ってた僕とペンネのところにあの三人組が来て、スキル【鑑定】を持っている人を連れてきて、いきなりペンネ君に【鑑定】掛けられちゃって、黒ゴブリンってバレちゃったんだ。


 そのスキルを持ってた人が、なんか天使教の中でもちょっと魔物に対して「イケイケの人達」だったらしくて、もうそこから大騒ぎになっちゃって……どんどん追いかけてくる人達が増えてきて、テラフとヒルメイさんに会えないまま、ここまで逃げて来たんだ~。


 あとね、なんか親指の通信機能からずっと逃げてる間、「帰ってきて、黒ゴブリンを引き渡しなさい」ってギルドの人の声がしてるけどペンネ君捕まったら、何されるか分からないから可哀相だから一緒に逃げることにしたんだ~。


 あーあ……「森の散歩者トレッキング」気に入ってたのにな……。 

 オルズベク皇国って魔族の領地で蛍火カルノアさんっていう人が治める国なんだ。

 

 なんか二つ名あるとカッコいいよね? 

 この世界の有名人は結構持ってたりするんだ~。 


 僕もいつかは呼ばれてみたいなぁ。 

 あっ、また脱線しちゃった。 


 オルズベク皇国って、他の種族もいるけど基本は魔族の人達が多いので、天使エッダという天使を信仰しててそのエッダ教の人達ってあの“マナ教”って人達をライバルと見なしてるとかなんとかで、結構、魔物に優しくて人里に現れた魔物でも、余程の被害が出ない限りは、保護して森に返したりするんだって。

 魔物に優しいね~。


 だから、ね。オルズベク皇国に行けば、何とかなるかな~って思ったんだ。それでもダメならオルズベク皇国を南西に抜けるとナラクっていう、鬼族が住んでる国があって、そこは、他の種族は入れないので、そこまで行けばペンネ君間違いなく大丈夫だと思うんだぁ。 


 だって、ゴブリンって鬼族の仲間みたいなもんだよね、違うかのな?


 そういえば、逃げてる途中に手の甲が光って「貴方選ばれましたわ~、もっと背が高かったら唾をつけるのにもう……」って頭の中で声がしたんだぁ。意味が分からないし、なんか怖かった~。


 その後、なんか更に体のキレが良くなったんだよね~。

 頭の中に響いた声は怖かったけどね~。


 あっ……また、追いかけて来た。

 今度は五人組だね~。

 でも、僕たちそんな人数じゃ全然捕まる気がしないけどね~。


 そういうことで、しばらくマナ教の人達と「鬼ごっこ」やっておくね~。

 また、次回、お会いしましょう!!


「じゃあ、ペンネ君、ご一緒に~」


それでは今日も元気に行ってみよーソレデハ今日モ元気ニ行ッテミヨー!」




【魔物設定】──────────────────


 黒ゴブリン

 体高一.五m程度の黒色の皮膚で外見は醜い、単体でもノーマル(緑)よりステータスがかなり高め。広刃剣と槍を持って群れて襲ってくる。


 黒ゴブリンリーダー

 スキル 頭目(ヘッド)、偽計

 体高二.〇m程度の黒ゴブリンのリーダー、武器は洞窟内の宝箱から入手した大戦槌で振ると戦槌の前方に重力波を起こす。リーダーを倒した後、ペンネの武器となる。


 守護者【洞窟】

 スキル なし

 体高二.五m程度で人型、手に硬鞭と呼ばれる鉄棒状の武器を持っている。


 守護者【海底宮殿】

 体高三.〇m程度で人型、手は四手に斧槍を持ち、四本それぞれ独自に器用に操るのが脅威。

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