第6話 従魔契約


「キサマっ! 私をどうするつもりだッ」


(なんだ、このロリの塊みたいなのは?)


:いやいや、いいんじゃないコレ……

:ロリコンはだまってろ!

:かわいい……


「くっ殺せ」


:よっしゃぁぁ!? くっころゲットぉぉぉ

:配信で初めて聞いたw


 ──墳墓の隠し扉の奥に入っていくと、はりつけにされた女の子が、恨めしそうにボクをにらんでいる。

 背丈は150センチにギリ届かないくらい。白い絹のような肌に左右をあごの高さで切りそろえた黒い長髪。カラダは小柄だが、顔の造形がこの世のものとは思えないほど整っている。


:姫カット萌え~

:クレオパトラっぽくねw

:それな


「待ってください。ボクはそんなつもりじゃ」


 ようやく、神プレイヤがボクのカラダの拘束を解いてくれたので、彼女に話しかける。


「だまされぬぞ、この悪党めッ」

「いや、ボクは悪党なんかじゃ……」

「先ほどの悪行の数々、このチャーノズド・キュアがしかと見た」


(おーひどい言われようw)


:いや、アンタのせいだろ?

:キュアちゃんだって、かわいいね~ッ


 ──どうしよう? 先ほどから頭に響いていた声はこの子だったんだ。

 

「ボクに神プレイヤがついてますから大丈夫です」

「なんだと?」


(キャラって、オレのこと認識できてんだ?)


:神プレイヤってプレイヤーのことか

:悪神に憑りつかれてかわいそ

:あぁ~ッ、かわいい……

:おまえ、さっきからそればっかなw


「神に一時的にカラダを操られるのは知ってますか?」

「話には聞いたことがある。まさか本当にいるとはの……」


 神プレイヤの名前を聞いて、落ち着きを取り戻してくれた。少し胸を撫でおろした瞬間『ピロ~ン』と、あの変な音が鳴った。


──────────────────

  解放する

  なにもしないで立ち去る

 ➡契約する

──────────────────


 ビックリした。いきなり目の前に文字板が現れた。そして、神プレイヤは即決で選択した。


「くっキサマ、まさか」


(そりゃ契約するだろ? 使い勝手のいいペットなんだから)


:発想が最低だこの男

:契約ってなんだ?


(ふむ、そかそか、HELP見てきた。ひと族に近いものと契約する方法は……)


:へぇ~それはそれは

:よし、いってみよう!


 ──ああ、神プレイヤさま。なんてことをしてくれてるんですか?

 契約がなんなのか、ボクにはわかりませんが、その方法が彼女の首すじにキスをするだなんて……。


(あー大丈夫。オレ、ガキには興味ないから)


:いいよーいいよーッ

:あ~オレたちのキュアちゃんがぁぁぁぁッ


「は、放せバカモノぉぉ~~ッ///」

「ゴメンなさいぃぃーーーーッ」


 互いに顔が真っ赤になりながら、ボクが離れる。


(よし、解放だ)


 もう一度、ボクのカラダが勝手に動いて、彼女を壁に縛り付けている楔を抜いて、戒めを解いた。


「……じゃ」

「え?」

「契約は契約じゃ。なんども言わせるな、バカモノ」


:ツンデレ属性さんだw

:なんか、いい……


 神々が、なんか盛り上がっているが、神プレイヤはあまり興味はないみたい。ボクのカラダの制限を解いて好きにさせている。


「あの……ちなみに契約ってなんですか?」

「キ、キサマ、そんなことも知らないであのような破廉恥なことをッ!」


:契約は主従契約のことだと思うぞー

:そうそう、セルくんがあるじで、キュアちゃんが従者じゃない?


「そうなんですね。ありがとうございます」

「おぬし……誰と話しておる?」


 そうか、キュアさんには、神々のこえ……流れる文字がみえないのか。


「すみませんひとり言です」

「変わったヤツだな……」

「ちょっと待って、またカラダが……」


(そろそろ、ステでも見てみようか?)


:待ってた

:みせるなら、はよ!


 ─────────────────────

 セル・G・モティック 男 14歳

 階級:貧民

 筋力  0.782(0.221Up)+2.00(0.50Up)

 瞬発力 1.112(0.237Up)

 耐久力 0.388(0.076Up)

 魔力  0.228(0.138Up)

<固有スキル>

【指し手(U)】

 発動型(効果:兵士2体の召喚※器の成長により変動あり)

 <スロットスキル>

【テラ・ストレージ(SSS)】

 保有中永続(効果:スキルスロットが5増加)

【忍の一族(B)】

 発動型(慣性力を10秒間キャンセルできる)

【模写(SSS)】

 発動型(指定条件を満たすと相手のスキルをコピーできる)

【残像(D)Lv1】

 発動型(残像を発生させる)

【無音歩行(B)】

 永続型(足音を消して歩くことができる)

【火炎(C)Lv1】

 発動型(火炎を操ることができる)

【蝕魂(AA)】

 発動型(魂を浸食すると、簡単な命令を与えることができる)

「空き」

「空き」

<能力スキル>

【怪力(AA)Lv2】

 永続型 (筋力に補正)



<従魔>

チャーノズド・Ⅰ・キュア 女 ?歳

 筋力  Unknown

 瞬発力 Unknown

 耐久力 Unknown

 魔力  Unknown

<固有スキル>

【Unknown】

<スロットスキル>

【Unknown】

【Unknown】

【Unknown】

<能力スキル>

【Unknown】


 ────────────────────


(キャラの魔力が低いからか、”Unknown”が多いな)


:これはかなり彼女に期待

:キャラより圧倒的に強いなこれはw

:キャラが貧弱すぎる


(まあそうだな。ちょっと鍛えてやるか)


 ──ひぃっ。なんか神プレイヤと神々がよからぬことを考えているような気がする。


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