楽器店
繁華街。
羽美先生
「あら?誰から電話かと思えば恵美ね。
あなたが日曜日の朝から早起きして外出なんて
珍しいわね?
今日は巨大隕石の雨でも降るんじゃないかしら?」
谷先生
「羽美ねえいちいちうるさいなぁ。
うちだって早起きくらいするわい!」
羽美先生
「そのニヤニヤと気持ち悪い顔私に向けられるとウザくてうっとおしいんだけど、
一応聞いてあげるわ。
あなたどこに行ってるの?
まあ、別にあなたがどこに行っても興味は無いんだけどね……」
谷先生
「よくぞ聞いてくれました。
実はな。
朝からさっきまでうちの研究室のOB仲間の集まりがあってな。
その中にバンドやってる奴がいて、
うちも混ぜてもらえることになったんや」
羽美先生
「そう言えば、あんたは
学生時代にギターやっていたんだっけ?」
谷先生
「そうそう。
昔はアコギをやっていたんや。
バンドではエレキギターかベースで参加する予定やから、
帰る前に楽器店探して覗いてみようと思ってな」
羽美先生
「そう言うことね。
でも、うちの中では練習しないでよ!
騒音でうるさいって苦情をうけるの
いつも私なんだから」
谷先生
「電子楽器だから音はヘッドフォンで出せる。
心配しなはんな。
ほな、うち楽器屋行ってくる~」
【某所 楽器店】
店員
「いらっしゃいませ!」
谷先生
「お~!
ここがバンド用の楽器を売っている店か~。
こんなに沢山の種類の楽器。
この機材は何に使うんだ?
アコギも貰い物だったから、
楽器店は初めてどうやって選んだらいいか
わからんな」
店員
「あの~、
お客様。本日はどんなものをお探しですか?」
谷先生
「お~、店員さんか。
エレキかベースで検討したいんだが、
何かオススメはあるか?」
店員
「ご予算は考えておられますか?」
谷先生
「まだ考えてないが、
手頃でコスパがいいやつで頼む」
店員
「かしこまりました。
ご予算をこれくらい出して頂くと、
こちらの商品がセール中の割引もあり
一つ下のランクの商品とほとんどかわりません。
それに、聞き慣れないメーカーと言われましたが、
このメーカーは海外製トップメーカーのギターの
いくつかも製造をしており、
国内に愛用者が沢山いるんです。
今非常にお買い得ですがいかがですか?」
谷先生
「よし。あんちゃんそれで!」
店員
「お客様、デモ機で試しに弾くことも
可能ですがこのままレジに進んで大丈夫ですか?」
谷先生
「おお、大丈夫!」
店員
「お客様、当店のメンバーズカードはお作り頂いていますか?」
谷先生
「持って無い。
うちからこの店遠いんでいらん」
店員
「メンバーズカードは購入後のメンテナンス等に必要ですし、会費等も一切かかりませんので
お作りさせて頂きますね」
谷先生
「おう」
店員
「メンテナンスは全国の
店舗で受けることが可能です」
谷先生
「おい!
そうなのか?
じゃあ、うちのすぐ近くにあるから問題無い。
助かったよ!」
店員
「は……?」
店員は先の谷先生の発言にたいして、
急に目をまるくした。
店員
「お客様、大変な失礼を承知でお伺いいたしますが、
お客様の今お住まいの住所はメンバーズカードに
ご記入頂いた場所でお間違えありませんか?」
谷先生
「うん。間違いないぞ。
何故そんなこと聞くんだ?」
店員
「あの~?
お客様のお住まいのご住所には
当グループ店は無いハズなんですが……」
谷先生
「も~、またまた~。
お兄さん、まだまた新人ちゃいまっか?
うちの近くにあるんですよ!
どゃ」
店員
「は、はぁ……」
谷先生
「ほな、記入と支払いはこれでしまいやな。
ほな、ありがとな。
お兄さんドンマイ!」
店員
「ありがとうございました」
谷先生
「よ~し、家帰ったら
このギター羽美ねえに自慢したろ~」
【谷姉妹の住まい】
谷先生
「羽美ねえただいま~!」
羽美先生
「あら、早かったわね。
それに、今日は下見とか言ってたのに
もう買ったのね」
谷先生
「そうや!
どやぁ~?
このギターごっつかっこえ~やろ~?
フフフフ」
羽美先生
「はいはい。
私は非常識星人のあんたのことだから、
楽器店でまたひと騒動あるのかと予想していたわ」
谷先生
「うちを信用してや!
あ!
そうやそうや。
うちの楽器選び手伝ってくれた店のあんちゃんな、
うちの近くにも店舗があること知らなかったから
うちが教えてあげたんよ」
羽美先生
「は……?
あんた何言ってるの?」
谷先生
「だって、
ほら、真智の家の近くにあるやんけ」
羽美先生
「あんたそれ本気で言ってんの?
真智ちゃんの近所の
しま●ら って それ服屋よ!」
谷先生
「はにゃ?
ナナナ、ナンデスト〜!!
じゃあさ、うちが店員のあんちゃんに
言ったことっって、
全部うちの勘違い?」
羽美先生
「そう……ね。
残念でした~、
ハハハハ」
谷先生
「うちとしたことが~、
いや~残念やな~。
アハ、ハハハハ、ハハハハ……、
バタン!」
羽美先生
「ねえ?
ちょっと恵美?
急に倒れて……、あなた大丈夫!?
あら!
白眼で口から泡吹いてるわ!
大変!」
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