羊とブルーライト

雨野水月

羊とブルーライト

真夜中に落ちていきそうだったから声が聞こえる糸を切れない


真っ黒に融け合う世界 コンビニの光が僕に形をくれる


息すらも億劫だからスト缶の海に潜って深く、深くへ


地上から免れたくて、海面に落ちてる月を拾いに向かう


健全な眠りについて街は死ぬ 僕を闇夜に一人残して


真っ黒な瞼の裏に真っ白な月が恋しくて二錠目を飲む


眠れない夜は明日へ進めない 神様は秒針を進める


暗闇に縫い付けられた眼球をブルーライトが這いずり回る


寂しくて群れた羊が瞼から溢れ出てきて涙になって


あまりにも真っ直ぐなあの彗星が僕の心臓を貫いてくれ

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羊とブルーライト 雨野水月 @kurage_pancake

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