第11話
千紗の所に身を寄せた翌日には紗里の元へ戻った。でもその日の夜、紗里が寝た後、千紗に電話をかけた。
―――――――――。
『千紗。』
『なに?』
『寝てた?』
『まだ起きてた。』
『…いつからかな。』
『ん?…』
『頭の中、紗里じゃなくて千紗が占める割合が多くなってる。』
『あたしはずっと前からそう。』
『…そうじゃなくて。…もういいや。』
『流星、あんたが好きだよ。』
『え?』
『あたしも遠慮してた。でもこの気持ちを遠慮した次の日って絶対ってほどあんたはなにか起こすんだよ。もしかしたら次は本当に待ち合わないかもっていつも思って、思ってるのに言えなくて。でもあんたは、あたしのこと言葉があればきっと違うのに…今まで言えなくてごめん。』
『大丈夫。』
―――――――――――――――あの後電話を切ってすぐに家を出た。
――――――――――――――――――。
「……」
「……」
10分後には千紗を抱きしめていた。
「千紗…」
「流星、あんたが好き。だから馬鹿なことしないで。」
「どんな好き?」
「どんな好きがお望み?」
「……。」
「思った事言っていいよ。」
「なんでもいい。でも、情ならいらない。」
「大丈夫。そういうのあたし嫌いだから。あんたが一番よく分かってるでしょ。」
「…毎日一緒にいても変わらない?」
「変わらない。」
「男作りたい?」
「要らない。」
「……」
「……」
僕から唇を重ねた。
「すっげぇ…女の顔してる…」
「ならせたいんでしょ?」
「欲しがらせたい。」
「…そういうあんたも好き」
――――――――――――――――――。
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