ごちゃ混ぜの愛情

海星

第1話

199x年、ある秋の日僕は生まれた。


物心付いた時から母は優しくて暖かくて、完璧な人だった。



でも働かないと僕を養えない。



昼間はフルタイムで働いて、保育園に迎えに来てくれていた。



でも不安で仕方なくてよく泣いていた。



でも母の前では何も無かったように偽っていた。



『いい子でいよう』『嫌われないようにいよう』

『捨てられないようにいよう』



そんな子だった。



母は元気を装うが体調の良くない日もあった。



そういう時はそっとしておいた。



甘えたい。遊んで欲しい。

でも…捨てられたくない。


その思いが強かった。



でも一つだけ救いだったのが、

母が男を作らなかったこと。



母は常に僕を見てくれていた。

僕を傍においてくれていた。



僕にとっても母が全てで

母にとっても僕が全てだった。



2LDKの小さなアパートで

僕と母はお互いに支え合って生きていた。

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