ごちゃ混ぜの愛情
海星
第1話
199x年、ある秋の日僕は生まれた。
物心付いた時から母は優しくて暖かくて、完璧な人だった。
でも働かないと僕を養えない。
昼間はフルタイムで働いて、保育園に迎えに来てくれていた。
でも不安で仕方なくてよく泣いていた。
でも母の前では何も無かったように偽っていた。
『いい子でいよう』『嫌われないようにいよう』
『捨てられないようにいよう』
そんな子だった。
母は元気を装うが体調の良くない日もあった。
そういう時はそっとしておいた。
甘えたい。遊んで欲しい。
でも…捨てられたくない。
その思いが強かった。
でも一つだけ救いだったのが、
母が男を作らなかったこと。
母は常に僕を見てくれていた。
僕を傍においてくれていた。
僕にとっても母が全てで
母にとっても僕が全てだった。
2LDKの小さなアパートで
僕と母はお互いに支え合って生きていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます