猫だけど異世界では意外と強い!?
猫好き
第1話「猫になってる!?」
はぁ…そうため息が出てしまう、朝6時に起きて誰もいない家を出て満員電車に揺られ出社する、そんな日常が今週も始まってしまった。
「今日は商談かぁ」
そう呟きながら会社に着いた、いや着いてしまったと言った方が正しいか。
???「先輩!」
「おお!中川!今日の商談の原稿持って来たか?」
こいつは中川翔太俺の優秀な後輩だ。
中川「はい!バッチリです!」
「じゃあ行くか」
中川のプレゼン力に感心しつつ今日の商談を乗り切った
「終わった〜!」
伸びをしながらそう呟いた
中川「終わりましたね、でもあんまり自信ないです」
「そうか?俺は上手く言ってたと思うぞ?クライアントの反応もそこそこ良かったしな」
まあ中川も初めての商談で気にしすぎているのだろう
「中川!今から飲みに行かないか?今日の反省会もしたいしな」
中川「え?いいんですか?それだったら先輩と行きたい店あるんですよ!」
中川は嬉しそうにはしゃぎながら道路を渡る。
その瞬間時が止まったような感覚がした、信号は青そしてここはそこまで車通りも多くない、それなのに猛スピードでこちらに向かってくるトラックが視界の端に見えた、反射的に体が動いて中川を突き飛ばした
中川「先輩!」
その声が聞こえた直後全身に激痛が走った、そのまま道路に吹っ飛ばされ4回転ぐらいして止まった
中川「先輩!大丈夫ですか?とにかく救急車を…」
あたふたしている中川の声が少しずつ小さくなっていく感覚があった、
「あぁ、俺ここで死ぬんだな」
意識が朦朧として視界が歪んでいく
「神様、俺まだ死にたくねぇよ」
そんな願いも虚しくそこで俺の意識は途絶えた。
---
(ピヨピヨ)
小鳥の囀りで目が覚めた
「どこだここ?」
目を覚ましたその場所は森の中だった
「と言うかなんで俺生きてるんだ?」
ふと我に帰った俺は状況を理解するために一度今の情報を整理する事にした
そこで俺は重大な事に気づいた
「あれ?手が手じゃない?」
何かぷにぷにした物とふわふわした黒い毛がついている細い手…
肉球!?
近くにあった水を除いてみると
「猫だなぁ…」
猫だった、ふわふわした黒い毛黄色い目少し垂れた耳少し短めの尻尾
猫だ、その現実を受け入れなければいけないのにそれを拒否している自分がいた
その瞬間後ろの林に何かがいる気配がした
「誰だ?」
警戒しながらそちらをみると何か異様な存在感を発しているゴブリンがいた。
え?ゴブリン?理解ができなかった
その瞬間俺を見つけたゴブリンが俺に向かって弓を打って来た
「うわぁ!」
その瞬間本能的に逃げなければと危険信号を脳が発していた
---
そこからそこそこの距離を走った
走ってて気づいたが何故か息切れしなかった、人間の時は100m走っただけで死にそうなのに猫になった影響なのだろうか
それでもゴブリンは追いかけて来た
「しつこいな!」
その瞬間木の根に足が引っかかって転んでしまった、そのせいでゴブリンに追いつかれってしまった
「あぁ、俺また死ぬのかぁ…俺なんで2回も死ななきゃいけないんだ?」
昔から俺は運が悪かった、それに怒りも悲しみもなかった
しかし何故か今回ばかりは腹が立っていた
「神様?居るのかはしらねぇが2回も殺すのは酷くないか?」
ゴブリンが弓を引いてこっちに放とうとしている
「ふざけんなぁぁぁ!」
苛立ちが爆発してしまった、その瞬間体の中からエネルギーが出ていくような感覚があった
(ドゴォォン!)
その瞬間火の玉のような物体が俺の口のあたりから放出された
気づいた時にはそこにゴブリンの姿はなく焼け跡だけが残っていた
???「レベルが上がりました、新たに速度上昇のスキルを手に入れました」
その声は耳から入った声ではなく直接脳内に語り掛けられているような感覚があった
「誰だ?お前は」
???「私は世界の声、人間の間ではミルスと呼ばれています」
「ミルスか、で?レベルが上がったってどう言う意味だ?」
ミルス「この世界ではレベルというものが存在し魔獣を倒す事で得られる経験値のような物です、レベルをあげる事でステータスを上げたり進化できるようになります」
「ステータス?それはどうやって見るんだ?」
ミルス「心の中でステータスと呟けば見ることができます」
ステータス!
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ステータス
種族 黒猫 スキル 所有魔法
レベル2 自己再生 念力 火炎魔法
体力26 攻撃力35 魂吸収
速度63 魔力200 速度上昇
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「魂吸収?」
それ以外はアニメが好きだった俺にとっては簡単に理解できたただ魂吸収だけはピンと来なかったのでミルスに聴く事にした
ミルス「魂吸収はあなたがこの世界に来た時に神から貰った固有スキルです、内容は倒した対象の魂を吸収する事で所有魔法やスキルを自らのものにできるスキルです」
なにそれ、めっちゃ強いじゃん!
「なるほど…ありがとうミルス!」
そう言って俺はこれからの事について考える事にした
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