耳を叩いて
次は品川。9時20分を過ぎた頃。なぜ東京なのかと言うと、東京はかなり前だが、楽と2人で来たことがあるからだ。もちろん勘ではあるが、楽は東京に行ってる気がする。だが、よく考えて見ると1日で東京を探し回れるわけが無い。つまりこの先ずっといるかもしれない友を探すことになる。時間はたっぷりある。気長に探すとしよう。
それから8時間、ひたすら歩いた。前に2人で来た所はあとここで最後になる。ここに来た時、元々いっぱいお金はあったのに、気づいたらほとんど無くて、予定を変更して2人でハンバーガーを分け合って食べたのだ。なんだかんだ言って沢山歩いた後だったから美味かった思い出がある。入ってみたが、やはりいなかった。もしかしたら東京では無いのかもしれない。次はどこに行こうか。そんなことを考えていた。
「な。ちょっと分けてくれないか。」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「楽?楽なのか?なんで。」
「お前ならここに来ると思ってな。それより、本当に済まない。ループさせてしまったのは俺のせいだ。」
何を言っているのか。そして何故ループを知っているのか。あれが呪いだったとして、楽にかけられたというのか。そんな訳ない。そんなことあいつはしない。
「どういうことだ?これはお前のせいなのか?だとしたら解いてくれ。もう散々だ。10年は経ってる。」
「10年も、か。まぁ待て。説明する。これは元々また別の友達にかけられた呪いで、解呪をするとまた別の人に移るっていう呪いだ。しかもこっちで決められる訳では無い。完全ランダムだ。俺が呪いを解いた後、運悪くお前に移ってしまった。」
「つまり、まず解くことはできるんだな。良かった。それなら移った人をまた解けば良いんだな。」
「そんなことが出来たらな……。」
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