世界というは想像以上に広いようです。
赤景色
異界帰りの僕は想像以上に強いようです。
ここはSSS級ダンジョン。
異世界から帰ってきて1週間後、僕はこっそり立入禁止のSSS級ダンジョンへと忍び込んでいた。
目的は、この世界での自分はどのくらい強いのか確認するためだ。
油断はしない。慢心も、あまりしてないと思う。
右手には魔王殺しの聖剣。
左手には一切の攻撃を遮断する神盾。
全身には神々に祝福された不壊の鎧。
マジックバッグにはエリクサーが9998本入っている。
異世界に召喚される前から世界中にあったダンジョン。
以前の僕ならC級ダンジョンでちまちま戦うのがやっとだった。
しかし、異世界で魔王、龍王、そして邪神を倒したことにより、こうやってSSS級ダンジョンのダンジョンボスである終末龍王ガラガラスを一撃で倒せるまで強くなった。
ずるいとは思わない。
召喚された際に付与された高ステータスや神々や精霊の加護は確かに強力だった。でも、何度も死にかけた。生きるために、誰かを救うために努力をして与えられたものの上に色んなものを積み重ねていった。
始まりはチートだった。
でも、終わりは積み重ねた努力がすべてだった。
だから、ずるいとは思わないし僕は僕の力に自信を持っている。
正直、帰ってきたら世界最強だと思っていた。
僕はステータスを表示する。
目の前に表示される僕だけが見える半透明の画面。
名前 有為 雄一
職業 世界最強の勇者
ランキング 3位
スキル 身体強化
探索術
dj'@w.
tj.ljjjd
qdapw
異世界で得たスキルが文字化けしてることも気になるが、それ以上に気になっているのはランキングだ。
何のランキングかって?
これはシンプルにダンジョンに潜りステータスを得た人間の『個としての強さ』のランキングだ。
遥か昔からダンジョンと共に生きる人類が長い検証を得てそう判断した。
僕もそう思う。
異世界のステータス画面でもランキングがあったから。
誰が倒せるの?人類には無理じゃね?と思えるほどバカ強い邪神を倒したら、僕のランキングが1位に上がったので間違いないだろう。
「3位かぁ……まじかよ」
この世界には、邪神より強い僕より、強い人間があと2人いるらしい。
世界は想像以上に、広いようだ。
職業の『世界最強の勇者』が泣いてる。
いや、勇者の中では最強なのかもしれないけど。
ダンジョンボスのドロップをマジックバッグに収納し、僕は帰宅した。
世界というは想像以上に広いようです。 赤景色 @akaakaakaakaaka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます