死神

@tinksfurikake

ニアからの伝言

 確かに「山」ゆうたら「川」という合言葉は、数年前、おでが赤穂浪士という名前のユニットに参加していた時に思いついたものです。このユニット、今はもう方向性の違いを理由に解散してしまったのですが、当時のおではセンター(兼討ち入り)を担当していました。マイネームイズニア。そもそもは吉良の野郎が「僕が新世界の神になる!」とか言い出すもんで、ちょっと成敗しとく?みたいな軽いノリでユニットを結成したのがすべての始まりでした。すべての間違いともいえます。ラブワゴンで世界一周の旅に出かけてしまう程度には、軽率なニオイがしました(番組名は「わるのり」でお願いします)。で話を戻すとほら、吉良家って意外と真っ暗じゃないですか。あいつ、「電気代、もったいないがな!」って死ぬほどケチなんですよねえ。そのへんも大石さんはカチンときていたようですけどとにかく、敵か味方かわかりづらいのはすごぶる危険です。闇雲に突撃するわけにもいきませんし、やらかしてもうてから仲間だと気づいて土下座しても、当然もう手遅れです。そりゃあ、その時は許してくれるかもしれませんけど、一緒にお風呂入るときとか、やっぱり傷口とか見ちゃうと気まずくなるに決まってます。さすがに日本刀で斬りつけたぐらいで死んだりしないとは思いますが、テンションは下がる。それはまずい。そういう意味での戦力ダウンは避けるべき。というのも赤穂浪士はたかだか47人です。乃木坂より1人多いだけです。かといってスパルタ兵ばりのスペックも持ち合わせていませんし。だから吉良家で誰かと鉢合わせた場合、めんどくさかろうがそのたびに、合言葉で確認すべきだとおでは大石さんに提案したのです。でもこの作戦、今だから言えますけど、あんまり実戦向きではありませんでした。むしろはてしなくリスキー。練習とちがって当日は、味方かどうか定かでない人間を前にして、「山」とか呑気に言ってる余裕はおでたちにはありませんでした。だって、確認してる間に斬られますよね普通。そんな意見が反省会の時にも出ました。ここだけの話ですけどおで自身、ぶっちゃけ合言葉なしでいきなり斬りつけたりもしました。吉良です…みたいな匂いがぷんぷんしてたからつい。すいません。


「赤穂浪士のおでましだ!」


 なんかこの方法めんどくさいよねってことで大石さんはアンミカを召還しました。そんで当主もろとも吉良家を皆殺しにしたのですが、大石さんがデスノートの持ち主だということは、もちろん内緒です。よって討ち入りが成功したのは合言葉のおかげだ、ということで口裏を合わせておくことになりました。するとテレビ局がこぞってちょっといい話みたいな感じでニュースに取り上げるもんですから、あっという間に日本中が合言葉ブームに沸きました。メディアの力って、ほんとに怖いです。あまつさえ今なんて、いろんなバリエーションが生まれています。例えば兄弟船に乗ろうとした場合、チケットの代わりに合言葉が必要になるわけです。「山といえば、何?」と、真顔で問うてきよるのです。すわ何事かと問われた側が動転し、苦し紛れに「…ピー?」と答えようものならカモメはざわつき、海面はぐいと上昇し、どこからともなく現れた鳥羽一郎にボコられます。いやもしかすると長野誠(SASUKEオールスターズ)かもしれませんが、いずれにしろ海を愛する男にちがいなく、投網でぐるぐる巻きにされ海に投げ込まれて魚の餌になるのがオチです。ましてや「…口達也?」などと答えた場合はきっと、ジャニーさんも墓から出てきてしまうじゃないですか。そこはもう何食わぬ顔で「…川豊?」と答えるよう、じゅうぶんに注意されたしです。「山」ゆうたら「川」の一点張りが通じる時代はもう終わりました。「田」なら「中」だし「いちご」なら「にゃん」です。うちの母親はゴーヤのことを「ゴーヤちゃん」と呼びます。だったら「ゴーヤチャンプルー」も「ゴーヤちゃんプルー」でいいじゃないですか。そういうことでいいじゃないですか。

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