虹色の美少女様 〜流川グループ次期社長と言われる俺が社長である父親の命令で俺が通っている高校にいる七人の美少女……通称虹色の美少女様との一つ屋根の同棲生活を送ることになった件
赤岡伊織
第1話 虹色の美少女様
俺が通ってる丘の上高校には、七人の美少女。通称、虹色の
俺の名前は
俺は、今や聞かない日はないと言われているほどの大企業、流川グループのトップである社長の一人息子だ。
自分で言うのはなんだが、容姿は大変整ってる……そんでもって俺は学校では成績で学年一位をキープしている。
そう……俺は完璧なのだ……
今日は社長である、親父に呼ばれて、会社のオフィスの社長室に足を運んだ。
俺は社長室のドアを軽く鳴らし、社長室に入った。
「失礼します」
「おお! 湊! どうだ? 学校の方は順調そうか?」
俺にこうして聞いてきているのは……俺の父であり、流川グループ全体の社長、
この人はたった一代でこの会社を誰もが知っている大企業に成長させたのだからほんとにめちゃくちゃすごい人だ
「はい! 順調です!」
「それはよかった! それでお前をここに呼んだ理由だが……」
そう言って親父は、ドアの方を見る。
ん? ドアの方に何かあるのか?
まさか……親父は何か俺にプレゼントをくれるのか?
「入って来なさい!!」
「失礼します!!」
親父はドアの向こうに声を飛ばすと、同じくドアの向こうから元気の良い女の人っぽい声が聞こえてきて、ドアを開けて俺の前に姿を見せる。
「こんにちは! 流川くん!!」
このメガネをかけている美人な人……俺どこかで見たぞ?
「この人は、新太の通っている学校の理事長を務めている。
「どうして? 理事長さんが?」
俺は率直な疑問を親父にぶつけた。
なぜ我が校の理事長がこんなところにいるのだ?
まさか……俺が何かとんでもないことをやらかして俺はもしかして学校を退学しなくちゃいけなくなったとか?
いや、それはない……なぜって俺は日の打ちどころのない完璧な人だからな!!
「それはね! 私の会社が丘の上学園と何かと繋がりが深くてね!」
「そうだったんですね……」
そうだったのか、初耳だ
だから俺の親父はこの高校に入学しなさいと俺に進めてきたのか?
それともただ単に偶然だったのか……
「理事長、例の話を」
「はい! 社長!! 湊くん! 私は前々から社長にご相談されていた事あって……」
「なんでしょう……?」
社長が、わざわざ俺の学校の理事長に?
一体なんだというんだ?
「湊くん! あなたの、許嫁について……」
俺は理事長にそう言われてしばらくその場でぽかんとしていた。
……は? 許嫁とは、あの許嫁か?
「許嫁とは? どういう事なんですか?」
急に理事長に許嫁が何だか言われても全く検討がつかない……
「えーとね! 丘の上高校には虹色の美少女様がいるじゃない! その中からあなたの許嫁候補を探そう! っということになったのよ」
……は? この人は頭がおかしいのか?
許嫁候補を探そう? ちょっと言ってることがやばくてついていけない……
丘の上高校の虹色の美少女様というのは、丘の上高校にいる七人の美少女のことで、その七人の美少女の名前に色が入っていて、ちょうどその色……つまり七人が集まることで、虹色になることからみんなから虹色の美少女様と言われるようになった。
「ちょっと待ってくれ! いきなり許嫁だか何とか言われても困る! 大体俺は! 恋愛などと言う非効率な事に全くと言っていいほど興味がない! という事で、理事長諦めてくれ!」
俺はいきなりそのようなことを言われて動揺してついつい敬語を忘れて喋ってしまった。
恋愛など何が楽しいというのだ……
「え〜恋愛も楽しいわよ!キュンキュンしたり、手を繋いだり、一緒にどこかにデートに行ったり」
「ふん、俺にはそれの何がいいのかさっぱりわからん!!」
その、キュンキュンというものも俺にとっちゃ意味がわからん……
キュンキュン? なんだ? 動物の名前か?
確かいた気がするな、キュンキュンとかいう動物が……
いや、いないか? まあそんなことは今はいい
「まぁいいわ、明日の放課後、理事長室に来てもらえないかしら?」
「理事長室ですか?」
「そうよ! じゃあ、よろしくね! 流川グループ次期社長」
ふん! 次期社長と言われて悪い気はしないな! まぁいいや、ほんのちょっとだけ理事長室に顔を見せてやるか……
ーーそして、次の日
俺はいつも通り学校に来て、いつも通り教室に入った。
「よーう! 湊おはよう!!」
「ああ! おはよう!」
今俺に話しかけて来たのは、俺と同じクラスで友達の名は
こいつは、この学校で理事長以外で唯一俺の正体が流川グループの一人息子という事を知っている。
俺は学校では仮面をかぶって、流川グループ次期社長だとみんなに知らないように日々を過ごしている。
なぜって、面倒ごとは避けたいからだ
「どした? お前、なんか疲れたような顔をして」
「えっ? 別に俺は疲れてなんかいないぞ」
俺は身に覚えがなかったのですぐに否定した。
もしや、この俺が許嫁の件を気にしてるのか?
そんな事を思っていると一人の女の子に話しかけられる。
「あっ! おはよう!! 流川くん!!」
「ん? あ、おはよう! 山瀬」
この子は
それにあの優しそうな声……聞いていると思わずこの俺でさえ虜になってしまうほどだ……
ふん! まあ、本当に虜になることなんてないのだがな!!
「今日も学校一緒に頑張ろうね!!」
「ああ……」
そう言うと彼女は友人の元に喋りに行った。
……全くなんで俺なんかに話しかけてくるのだ……俺は容姿は自分で言うのもなんだかそれなりに整っていると思うが、そんなに超絶イケメンだというほどでもない……
だからめちゃくちゃモテるってほどじゃないので、山瀬ほどの美少女がよく俺に話しかけてくる意味がわからんのだ……
てか、この学校はどうかしてる……山瀬ほどの美少女があと六人もいるんだからな
そのうち噂を聞きつけて、芸能関係の人がスカウトに来てもなんら不思議ではない
ーーそして……放課後……
俺は理事長実の前で待っていた。
俺は勢いよく理事長室のドアを開ける。
あら! やっと来たわね! 新太くん」
理事長がドアを開けて入ってきたこの俺に向かって言う。
「……うん?」
理事長室を開けて中には入ると、そこには、虹色の美少女様が全員集合していた。
もれなく全員集合してるのか……なんだか全員集合しているこの絵を見ると、ご利益がありそう
そして、理事長が全員集まった事を確認してから、話を始めた。
「よーし! 全員揃ったわけだし! 話を始めようか!!」
「手短にすませてちょうだい! 私だって、暇じゃないのよ!!」
今、そう言った人は虹色の女神様が一人、名を
思わずLED電球と間違えるほどの黄色い髪の毛とショートカットヘアが特徴の美少女だ。
そして、何より性格がツンツンしている。
「ちょっと! 黄華ちゃん! だめだよ! 理事長先生にそんな事言ったら!!」
有栖に注意を施したのが、先ほど俺に話しかけてきた俺と同じクラスの山瀬赤音だ。
山瀬は相変わらず優しくて、こういう友達の悪いところもちゃんと優しく注意してくれるから、まさに聖母みたいな感じだ……
「すまないねぇ、手間をとらせて、さて、本題に入ろうか!! そこにいる流川湊は何を隠そう! あの流川グループの社長の一人息子なんだよ!」
そう理事長が言うと、虹色の女神様たちが一斉に俺の方を見る。
てか、そんなに簡単に俺が時期社長だってことを言うんだな、もうちょっとデレデレデレデレ!! デデン!! とかいうふうに溜めて欲しかった!
てか、みんな驚いてるな……ふん無理もないな! だってここにいるこの俺流川港は、将来この世界を背負って立つ会社の次期社長の一人なのだからな……
「そこで! 虹色の美少女様の中から一人彼の許嫁になってもらおうと思ってね!」
「…………!?」
「はぁ〜〜〜〜!?」
虹色の女神様が理事長の話を聞くと一斉に叫び声を上げた。
ふん! お前らがいくらそれに驚こうが、俺はこの話を初めから蹴るつもりだったので、驚くだけ損だということだ……
まあ、俺が流川グループ次期社長だってバレたことに関しては何か手を打たなければならないな……
「今の話……本当なんですか?」
山瀬が理事長に聞く。
山瀬は普段はほんまかしているが、この時はえらい動揺した様子を見せていた。
「当たり前じゃない! あ、心配しないでね! あなたたちの親御さんには許可をとっているわ!」
おい……一体、俺の親父は虹色の美少女様の親に許嫁の件で何円つんだんだ……
「嫌よ!! こんな奴の結婚相手なんて! こっちから願い下げだわ!!」
有栖が理事長に怒りをぶつけた。
てか、俺もこんな性格ツンツン女の結婚相手なんてごめんだわ!!
「ちょっと! 待てお前! 今俺をこんなやつだと言ったな! 訂正しろ! 今すぐに!」
「は? お断りだわ! 何度だって言ってやるわよ! バーカ!!」
……!? この女!?
今、俺にバカと言いやがったな! 流川グループ次期社長のこの俺に!!
「ええ〜!! あたし、結婚しちゃうんですか!?」
今、悲鳴を上げたのは、
「私は〜快適なベットとゲームがあればなんだっていいです〜」
続いて言葉を漏らしたのは……
青い髪の色でミディアム型の髪型が特徴の美少女で、無気力というか、なんかいつも眠たそうにしている。
今だって声がもうやる気がなさそうというか……気だるそうというか……
「結婚という事は! あなたは、あたしと一緒に魔界のドラゴンと戦ってくれる戦士ということですね!」
はっ? 続いてこいつは、何を言っている?
今意味のわからん事を言ったのは、
特徴的なのはやはり、緑色の髪の毛でボブの髪型をしている。そしてこいつはおでこに眼帯を巻いているおかしなやつだ……
「…………っ!?」
続いて、声を出さずに恥ずかしがりながら今の状況に動揺しているのは
特徴的なのは水色の髪の毛で、ストレートロングの髪型が特徴だろう……
この子は人と喋るのが苦手なのだろうか?
「いきなり……そんなこと言われても困るな……」
続いて、そう言ったのは
特徴的なのはオレンジ色の髪の毛でツインテールの髪型だろう……
あと、この女は確か生徒会長やってなかったか? よくよく見るとこの女は見た目からして生徒会長をやってそうだ……
「流川くんの許嫁ってどういうこと!?」
最後に山瀬が動揺を隠さずに言った。
「驚くのはまだ早いぞ!! これから君たちにはしばらくの間、共同生活をしてもらう!!」
「はぁ〜〜〜〜〜!!」
これには虹色の美少女様達と、ついでにこの俺も含めて叫んだ。
共同生活だと!? そんなの俺は聞いてないし! そんなの絶対お断りだ!!
「おい! 理事長!! そんなの聞いてないぞ!」
「あら? 言ってなかったかしら?」
「ふざけるな、俺は全くもってこの話は断らせてもらう」
そう言って俺はそのまま回れ右しながら、理事長室を後にした。
ふん! とんだ茶番だ!! 何が虹色の皆様と共同生活をおくれだ!! バカじゃないのか!!
そのまま俺は家に帰宅した。
だがそこには引越しのトラックが来ていた。
……はっ? どう言う事だ!?
俺はとりあえず俺の使用人であるじぃに電話をかけた。
「おい! じぃ! なぜだか、知らないが俺の荷物がトラックに積み込まれていく! どうにかしろ! これは異常事態だ!!」
「それは! どういうことですな? お坊ちゃん?」
「じぃ! いますぐ! こっちに来い! いますぐだ!」
「……はっ、承知いたしました。お坊ちゃん」
そして、しばらくして、じぃが運転する車が俺の家の前に到着する。
「おい! 見ろ! これはどういう事だ! 俺の荷物が勝手にトラックの中に入れられているではないか!」
じぃに状況を説明しているとそのトラックは、どこかに走り始めた。
あ! あのトラック逃げたぞ!!
「おい待て!! じぃ! 今すぐあの車を追え! いますぐだ!! 早く!」
「は! お坊ちゃん!! 直ちに!」
俺はじぃが運転する車であのトラックの後を追った。
「坊ちゃん!! これは!」
俺がトラックを追いかけて、行き着いた先はとてもでっかい家の前だった。
なんだこれは?
「おい! そこのお前ら、勝手に俺の荷物をトラックに入れて、こんな所に来てただで済むと思うなよ! 俺を誰だと思ってる! 流川グループ次期……え?」
俺は引っ越し業者の顔を見て言葉を発するのを中断した。どこかで見たことのある顔だったから
すると、引越し業者の人が俺に謝罪をした。
「申し訳ありません!! お坊ちゃん!! でもこれは社長に言われて仕方なく!!」
「……なに? お前らは!」
俺はその引越し業者らしき人の顔を何度か見て正体が誰なのかわかった
こいつらは、親父の使用人だ
「おい! 親父に言われたからってどう言うことだ!」
「それは、社長にこの家にお坊ちゃんの荷物を運ぶように頼まれて……」
は? なぜ、親父がそのような事を頼む?
「とにかく、お坊ちゃん! この家の中に入ってください!!」
そう俺は親父の使用人に促されでかい家の中に入った。
おい! 何でこの家に……!?
「虹色の美少女様がいるんだーー!?」
俺が仕方なくでかい家の中に入ると、これまたどでかいリビングに虹色の美少女様が全員集合していた。
俺は家に入るとそれなりに大きいリビングに虹色の美少女様が全員集合していた事に驚いた。
「お……やっと来たか! 流川くん!!」
生徒会長をやっている真白先輩が言った。
そういえば真白先輩は、俺の一個上の先輩だったな……ちなみに胡蝶先輩もである。
「わーい! この家広ーい広ーい!!」
「おい!こら紫月!! 家の中を走り回るでないぞ!!」
真白先輩が騒がしくリビングを走り回る白雪に注意した。
なんだこりゃ……騒がしいな……
胡蝶先輩に至ってはリビングにあるソファで寝ている。
「おーい! 虹色の美少女様!! 俺の話を聞け!」
「えっ? どうしたの? 流川くん?」
山瀬が不思議そうに聞いて来たが、俺は手で静止した。
「俺はな! 文字通り流川グループの次期社長! 流川湊だ!!」
「は? あんたそれ何回言うわけ!?」
「うるさい! 少しは俺の話を聞け!!」
俺は有栖がなんか言って来たが、だまらせた。
この女はすぐに俺に噛み付いてくるからな……ましては野良犬みたいだな
「俺はなそもそも恋愛なんてものにみじんも興味はない! それに許嫁のこともだ! 許嫁なんてこっちから願い下げだ!」
「それで? 結局流川くんは、何が言いたいの?」
真白先輩が言って来たので、俺は淡々と結論を言うためにみんなを見た。
「つまりだな! 俺には許嫁は必要ない! それすなわちこの馬鹿げた共同生活も必要ないということだ! だから俺は帰る! じゃあな!!」
そう言って俺はふん! と言いながら玄関の方に歩き始める。
「えっ? 流川くんどこ行くんですか?」
玄関に向かう俺の前に白雪が現れてそう聞いてくるので、俺はもう一度みんなの方を振り返った。
「もちろん帰るんだ!! こんな共同生活こっちから願い下げだ!」
「あ! そうだ! お前らがどうしてもこの家に住みたいと……そう思うのならばこの家お前らにあげてやったっていいんだぞ! お前ら俺に感謝しろ!! 顔がいいってだけで一瞬でも俺の許嫁候補になってこの家を手に入れることができたんだからな!!」
そう俺は右手を差し出すジェーチャーをした。
「あっそう! じゃあ早く帰ったら! その代わりこの家はあたしたちが快適に使わせてもらうから!」
「ちょっと、黄華! あなたもいちいち流川くんに噛み付かないで! あと流川くんもちょっと待ってよせっかくここに集まったんだし、少しお話でもしようよ……」
山瀬が俺と有栖に弱々しく言ったが、俺はそれに応じなかった。
「ふん、せいぜい俺に感謝することだな! 虹色の美少女様!!」
俺はそう言って靴を履いて、勢いよく外へ飛び出した。
「なぁここに運ばれた荷物、俺の家にちゃんと戻しておいてくれよ!」
玄関の前で固まっていた、親父の使用人二人に俺は命令をした。
「帰るぞ! じぃ車を出せ!」
俺はじぃに車を出してもらって家に帰ろうとする、だがしかし……
「なりません!」
……はっ!?
じぃにいきなりだめだと言われた。
「なぜだ! じぃ、お前は俺の使用人のはずだ! 俺のいうことを聞け!! 今すぐに!!」
「なりません!」
「なぜだ! じぃ!?」
「私は社長に伝言をおおせつかってあるからです」
……親父からの伝言だと?
なんだ!? 伝言というのは!?
「わかった……聞こう……その代わり手短に話せ!」
「はい、ゴホン! 社長殿からはあなたがこの家に少なくても一ヶ月は、住まないと次期社長を剥奪すると……」
……は?
今、じぃはなんと言った? 次期社長を剥奪する!? え? 剥奪!?!?
「……はっ!?」
「ですから! お坊ちゃんあなたは! 家に帰ってはだめなのです! あなたが流川グループを継ぎたい思うのならなおさらです!」
おいおい、嘘だろ!?
俺の命運がかかっているのかこの家に!? この共同生活に〜〜!?!?
「おい! じぃ! なぜそれをもっと先に言わない……」
「すみません……お坊ちゃん、こう言うのは後で話すべきかと……」
ちっ! あの家の中にいる虹色の美少女様にあんなこと言ってしまったじゃねえかよ!
虹色の美少女様にあんな事を言った手前やっぱり家に戻るのは俺のプライドが許さない……くっ! どうするか!!
「じぃ、やっぱり戻るぞ!」
「お坊ちゃん!! なりませんぞ! 今のご自身の立場をもっと考えて!! あなたは次期社長になるべきお方! こんなところで終わるあなたではないはずです!!」
「ふんじゃあ、いますぐ車を出せ! いますぐ親父のところへ行って直談判に行ってくる」
「お坊ちゃん! おそらく今回の社長殿は本気です!! 直談判に行ってもおそらく無謀かと……いいですか! お坊ちゃん! あなたが次期社長として生き残るためには虹色の美少女様との共同生活を受け入れるしかないのですぞ!」
「でも俺はあの家にいるあいつらにあんな事を言った手前家に戻るのが気まずいというかだな……」
「きっとお坊ちゃんなら! 大丈夫だと思いますぞ!!」
「ほんとか? じぃ……」
「はい! お坊ちゃんがこんな小さい時から使えてるこの私が言うのです! もっと自分を信じて」
……じぃ……
俺はその言葉をもらうと、もう一回虹色の美少女様のいるあの家の中に入って、リビングに向かった。
そして、リビングに着くと虹色の美少女様に向かって言葉をかけた。
「ふん、お前らがどうしてもとお願いするのならしばらくの間、一緒に住んでやってもいいぞ!」
「あのクッキー美味しいよね!」
「確かにね!! あ! 最近このショートケーキも人気じゃない!?」
……は?
誰も俺の話を聞いていないのか……そもそも俺がここに戻ってきたことに誰一人気づいてない
何ということだ……
俺はそう思い再度大きい声で。
「おーい!! 虹色の美少女様!! 俺の話を聞け!」
すると虹色の美少女様が一斉にこちらに向いた。
「あんた! なに? 戻ってきたの? 忘れ物? ほらはやくとっていったいった! あと虹色の美少女様って言うのやめてくんない!」
有栖が俺に向かって言って来た。
「忘れ物……ふふ! そんなものは無い! なぜってここは俺の家だからだ!」
「は? あなたさっき私たちにあげるとか何とか言ってたわよね! 寝言は寝ていいなさい!!」
有栖……こいつは、なぜ俺にこんな噛みついてくる……?
俺はこいつに対して前に何かをしたとか、こいつに因縁をつけられたとかそんなことは身に覚えがないぞ!
「ふん、気が変わったまでだ……これからは、しばらく俺と一緒に暮らせるんだ、お前ら俺に感謝しろ!」
「はあ? 誰があんたみたいなバカに感謝するかって言うの!!」
「おい! 今のは聞き逃さないぞ! この流川グループ次期社長に今バカと言ったか? バカと!」
「ええ! 言ったわよ! 何だったら聞こえなかったんだったら何回でも言ってあげるわ!バーカ!! バカ! バカ! バーカ!!」
この女!?
バカバカバカって、お前は知らないかもしれないが俺は学年成績一位なんだぞ!! このバカ女!!
「お前! バカを一回たらずさっきから六回も!」
「あら? あたしが言ったバカの数は数えられる程……知能はあるようね……」
「なんだと! あ? お前もう一回言ってみろ!!
「二人ともいい加減にして!」
……なんだ?
俺と有栖の言い合いに待ったをかけたのは、山瀬だった。
「二人ともこれから一緒に暮らすんだよ! もっと仲良くして!! そうだ、今から二人のいい所を言い合ってもらいましょ! それで仲直りよ!」
「はっ? 何を言っている、この女に良いところなんて一つもあるわけないだろ!」
「はっ!? あんたにそれをそっくりそのままお返しするわ、次期社長〜〜〜」
「何だと?」
「なによ?」
「ちょっと二人とも、落ち着いて……」
俺と有栖の間に山瀬がわって入ったが、それでも俺たちの喧嘩は治らなかったので、生徒会長である真白先輩がでかい声でそう言った。
「はいはいー! みんな注目!!」
「あっ?」
「ちょっと、黄華ちゃん落ち着いて、流川くんも一旦落ち着こうか……」
真白先輩は手をぱんと叩き、俺たちの目線を一つに集めた。
ふん! さすがは生徒会長と言ったところか、褒めてやろう!!
「私たち……まだお互いの事よくわからないじゃん……だから今から自己紹介をしようと思います!
はい! みんな拍手!!」
そういうと、虹色の美少女様が総出で拍手を始める。
「ほら、流川くんも拍手!」
山瀬が拍手をしながら笑顔で俺に拍手を促してきた。
「ふん今何もない時に拍手しても腕が疲れるだけだ……だから俺はせん」
「相変わらず流川くんは流川くんね……まあいいわ! それよりも自己紹介始めましょう!!」
真白先輩がそう言ったことで、俺たちは互いに自己紹介をした。
「みんなそれではこれからの共同生活よろしくね! みんなで頑張っていこう!!」
「はーい!!!」
自己紹介が終わった後、真白先輩が俺たちに呼びかけると、虹色の美少女様たちはみんな元気に返事をした。
ーーこうして、虹色の美少女様と俺の波乱万丈の共同生活がスタートした。
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虹色の美少女様 〜流川グループ次期社長と言われる俺が社長である父親の命令で俺が通っている高校にいる七人の美少女……通称虹色の美少女様との一つ屋根の同棲生活を送ることになった件 赤岡伊織 @akapen3
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