<詩>最後の葉書
ありもと優
第1話
今日は一番の笑顔の日
はじまりの一日
愛に抱かれ
祝福された日
まるでお伽話のような
そして恐怖シリーズのような
未知数な未来も
こわくない
本のページを開けば
新しい世界があった
夢見る日々は色褪せないままに
すきな人ができたり
苦手な人がいたり
迷子になって
泣いていた
晴れ渡る空に向かって
叫んだ 涙のあと
台風の日には
吹き飛ばされた傘の数々
終わりを感じた若い日
途中を思った二十代後半
時を重ね
最後に気づく いま
愛する
死んだ人全部が生き返るなら
全員にお箸を贈ろう
おいしいご飯を作ろう
たくさん話そう
きっと
生き返らない
だから
わたしが逝くよ
みんな待っていてね
そうつぶやいたら
まどろみの眠りから覚めた
演出は二十四時間
続く
わたしたちは
ひとりひとり人生の主人公
だから
ときに脇役も演じながら
この人生ゲームを
クリアしていく
勇者もいい
賢者もいい
愚者もいい
魔法使いもいい
遊び人もいい
宿屋の主人だっていいじゃない
わたしという役柄に馴染んで
死んでゆくなら
船上から砂の葉書を
眺めることだろう
未来人 タスキを投げる 逝く末に
さらば
共に利確する者たちよ
さらば
共に理解する人よ
本当のハナムケの言葉は
"ありがとう"
結晶は常にあなたの心に宿っている
<詩>最後の葉書 ありもと優 @sekai279
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