第8話

もうすぐ花と陶器の店が見える、

そういえば〝お岩に〟も、

あの店先に飾ってあるような苗を植えていたっけ。


〝のらねこ お岩を思いだすような、しごとがしたいんだよ〟


苗を植えながら、〝お岩に〟が つぶやいていた。


その〝お岩に〟も、もう いないのだから。


からすから にげていると、

ひゅうっ、と、風が強く吹いて、白い袋が飛んでった。



白い袋

吹きつける風に ふいに取られ

手のうち すりぬけていく

すこし おしいけど

その光景は

雨あがりに 晴れが見えるように 胸のすく‥



いつかは晴れがでる、

きょう こんな日がくることを、

想像していただろうか?


歩く道は暗がりと思っていたが、

ふと上を見たら、意外にも光がさしていた、

そういうことに気がつく日がくることを‥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る