第6話

独り紡いだ夢も

想像に咲く 花も

だれもが この地に もう いない

綺麗に咲いた夢の残骸を抱え

いま 再び 歩きだす



いったい、どうしちゃったの?

このうたが ほんとうになったように、

せかいに、ぽつり、わて、ひとりだけ。


電信柱のそばに、くしゃくしゃにまるめた

紙玉1つ、転がっているだけ。


さっきのちょうちょうが、旅のはじまりの合図?

でも まぼろしだったかな?

あの ちょうちょの白も、いまは見えないよ。


えーん。

やっぱり地味なのらねこのわてには、

ぼうけんなんて大それたこと似合わないよ、

ちいさな1歩で せいいっぱい。


でも、ちいさな1歩でも

歩きはじめれば たちまち だれもが

その道の主人公になれるんだ。

そういうことを思う、旅の第1歩だった。

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