第6話

「えっ? 俺には何もしてないけど? じゃあ? 資料貰って行くなぁ?」

 資料をカバンに仕舞おうとした渚の手を上から昴が掴む。

「渚? 僕になにか隠してない?」

「何も? じゃあ? 資料ありがとうなぁ!」

 昴が掴んできた手を払いのけ、資料(柿谷霧矢と茉莉川杏奈の件)を奪い取りカバンに入れ、部屋から出て行こうとしたら、

「そう言えばさぁ? 美緒さんって、今どこにいるんだろうなぁ?」

「!」

 部屋から出て行こうしていた渚の足が一瞬止まる。

 しかし、すぐさま……

「俺が、知る訳ないだろう!」

「だよなぁ? もし、お前が、美緒さんの居場所知っているなら、俺に、仕事とはいえあんな見知らぬ男女のキス動画見せたりしないもんなぁ? 俺なんか、未だにあの映像が、偶に浮かんできて、灯にも不審がられって困っていたんだけど」

「知らないよねぇ? エロ魔のお前と一緒にするなぁ! 話しがそれだけなら、もう行くぞ!」

 今度こそ、部屋から出て行こうとした渚を後ろから抱きしめる。

「見つけたんだろ? 美緒さんの事?」

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