白昼の流星

梁瀬 叶夢

白昼の流星

雲ひとつない空の下、広々とした公園で暖かい太陽を浴びるのはとても心地がいい。冬だからなおさらにね。

それにしてもほんとうに雲が一つもないなぁ。見渡すかぎり清々しい青空が広がっていて、低い太陽の光が幻想的に映る。

こんな景色を独り占めできるなんてついているというか、我ながらあっぱれかもしれない。近くにはもっと整備されていて綺麗な公園があるけど、そこは人が多くて落ち着けないから行かないことにした。

公園だからといって遊ぶと思うのは大間違い。誰もいない公園はときに、人を落ち着かせる広い家みたいになることもある。青空という広い屋根を持った大きい家にね。

けど、しくじったなぁ。今日は両親が二人とも仕事だから早く帰ってたくさんゲームしようと思っていたんだけど、家の鍵を忘れてしまった。

でもまぁ、これはこれで良かったというか。落ち着くなんて久しぶりだと思う。

今までは勉強しなさいとか早く夢を見つけなさいとか、親が喚き立てて落ち着く余裕なんてなかった。実際、周りの子はみんな夢に向かって直向きに頑張っているのに、僕だけ置いてけぼりという感覚は否めなかった。

焦りとか劣等感とか、色々な感情がごちゃ混ぜになって苦しかったけど、この青空を見ているとそんなことなんて溶けていってしまいそうだった。

センチメンタルな感情でこういうことを言うんだっけ。ちょっと違う気がするけど、そんな感じ。

青空の真ん中を一筋の飛行機雲が駆けていく。飛行機でさえ空の中ではあんなに小さいのだから、私のことなんてもっと小さいんだろうな。

そう思うと、少しだけ気持ちが軽くなった気がした。

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