私と世界征服どっちが大切なの(魔王編
山親爺大将
第1話 儀式
召喚の儀式が行われていた。
「成功です! 王よご覧あれ! 異世界より救国の者を呼び寄せましたぞ!」
そこには一人の女の子が呆然としていた。
「え? ここどこ? ラノベ的な異世界召喚?」
「フハハハハ! この時を待っていたぞ!」
「何やつ!」
「余は魔王ジルバーン! お前たちが切り札の召喚術を使って呼び寄せたものを抹殺してしまえば、もう抵抗する力なぞあるまい!」
「クッ! 守れ! その女性を守るのじゃ!」
「ハッハッハ! 無駄だ何の為に魔王自らこの場所に来たと思っておるのだ! 確実に召喚された者をまっさつ……」
え、可愛い!
ちょっとブラウンが入ったボブカットにクリクリなお目々。
身長が低いのに、ちゃんと出てるところは出てて、小動物的な可愛さと女性としての色香を併せ持っている。
しかも、清楚な雰囲気もあって、理想の女性なんですけど!
え? この子殺すの? ムリムリムリ!
どうしようかな……攫う?
どう考えても好きにならないよな。
殺しに来た奴が気に入ったからって攫うとかヒトデナシだな。
あ、俺、人じゃないや、魔王だわ。
いや、でも、嫌われたくないし。
よし! 適当に理由つけて一回撤退しよう!
ー この間二秒 ー
「ぐわああ、なんだこのおーらわあー」
「え? 私何もしてないですけど」
ちょ、それ言うなし!
「シーッ!シーッ!」
「え! あぁ!」
「これは、もうたいさんだあー」
よし、これで一回帰ろう。
ー魔界 魔王城ー
「ハァァァァ」
「魔王様どうしたんですか? そんなに深いため息をおつきになられて」
「ん? あぁ、あの子が見えないかとずっと遠見の水晶球見てるんだけどなぁ……全然神殿から出て来ないんだよなぁ」
「あの子? あぁ! 魔王様が日和って殺さないで戻ってきた時の女ですか」
「仕方ないだろう、お前みたいに冷たい血流れてるんじゃないんだから」
「確かに私の血は冷たいですが、そういう問題じゃないと思いますが?」
「うわぁ、出た出たヴァンパイアジョーク……お!」
「お?」
「あーすまんけど、しばらく魔王軍お前が指揮してくれ、俺は旅に出る!」
「は? 何言ってるんですか?」
「じゃあな! 後よろしくな!」
「あ! ちょっちょっちょっと! あーあ、行っちゃった」
ー人間界 城下町ー
「あ、すいません。 登録お願い出来ますか?」
「あ、はい、冒険者証はお持ちですか?」
「いえ、持ってません」
「参加資格が冒険者である事なんですが、この場で登録出来ますので、冒険者になって試合に参加するでよろしいですか?」
「はい、お願いします」
「では、お名前は?」
「えっと、魔王です」
「魔王?」
「あーっとっとっと、ちがいますよおー、えっと、えっと、マーオです」
「マーオさんですね」
「は、はい」
「物理職、魔法職どちらですか?」
「どっちもいけます」
「そういうのはオススメしないですねぇ、どっちつかずになりやすいですからどちらか片方に集中された方が良いですよ」
「あーじゃあ、物理職で」
「はい、完成しました」
「じゃあ、これで参加出来るんですね」
「はい、勇者選抜試験に参加出来ますよ」
「これで勇者になれば、異世界から現れた聖女と一緒に居られるんですよね?」
「はい、そうですが、動機が不純すぎませんか?」
「何言ってるんですか! これ以上に崇高な目標ないですよ!」
「は、はぁ、。そうですか?」
待ってろよ! 聖女ちゃん! 君の為なら勇者にだってなってみせる!
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。
長編も書いているので良ければ見てください!
https://kakuyomu.jp/works/16818093081579462826
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よろしくお願いします。
次の更新予定
私と世界征服どっちが大切なの(魔王編 山親爺大将 @yamaoyajitaisho
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