★真面目です2

「新人期間過ぎましたけど、お仕事どうですか?」

「普通ですね」

「そうですか。ところで、Bさんってどんな接客されてます?」

「どんな…普通と思うけど、あまりにしつこく本番(挿入の事ですね)言われるとムッとしてきますね」

うちはデリヘルなので勿論本番行為は禁止。

とは言え、高ぶってくると本番を求めてしまうのも男の性なのでしょうか……。

本番させて。ってしつこい!とかはよく聞きます。

あまりにしつこかったり、強引に挿入しようとした場合などは店としてお断りさせていただく場合も。

でも、ぶっちゃけてしまうと、それをある程度かわすのも仕事のうちだと思うんです。

できたらラッキーくらいの気持ちで言ったのにあからさまにムッとした表情を見せてもお客様がリピーターさんになってくれるのならいいですが。

表情や態度に気持ちが出ちゃうからダメなのかな?

そう思い、まず基本的な事のお話をしようと考えました。

「本番は勿論断るべきですが、ある程度は笑顔でかわす努力も必要だと思いますよ?」

「私、そんな目に見えて不機嫌にしたりはしてないですよ?」

首を振るBさん。

うーん。そうか…

なら、なんでリピーターさんがいないのだろう?

更に基本的な話を始める事に。

「お客様と部屋に入ったら、まず何しますか?」

「え?何って?」

「靴揃えたり上着かけたりしてますか?」

「バラバラですね…する時としない時があります」

うちは、熟女さんの多い店。

私が勝手に思う事なんですが、お客様は熟女さんならではの気遣いや癒しを求めてるんじゃないかと。

あとはいやらしさ。

「夫とセックスレスで欲求不満なの…」的な❤

ピチピチの肉体のみを求めるなら、10代だって業界にはいるんですから。

気配りが出来てとってもイヤラシイ。

これぞ、(私の勝手な思い込みの)熟女店の魅力❤

外見の好みは十人十色だし、あとは、それぞれのコンパニオンさんに合った接客をすれば…こんなリピーター率にはならないはず。

「私、お客さん返ってこなくていいです」

はい?

耳を疑いましたよ。

まさかの言葉に。

「え?」

「お客さんに返ってきてもらおうとは思ってないんで」

「と、言いますと?」

「何度も来てくれなくても、その日仕事があればいいです」

多分…悪気はないんですよ。

正直にこたえてくれてるんですよね。

でも、それじゃダメって事に気付かないんでしょうか…

「でも、お客様は無限にいるわけじゃないですよ?リピーターさんがいないとお仕事なくなりますし、あまりにリピーター率が低いとお客様に紹介出来なくなりますし」

「クビですかね?」

「クビじゃないけど、お仕事つかないとBさんのお給料ゼロですよ?」

「クビじゃないんだ、よかった」

よくないです…

もう一度、接客についての話をしようとすると、

「あのー。リョウコさんの言ってる事わかるんですけど、そうしても私にはお客さん返ってこないと思うんです」

私、またまたビックリしまして。

いや、もうほんとに…

想定外の言葉が飛び出しすぎ!

「…じゃあ、何が原因と思いますか?」

「腕を石鹸つけて洗わないからですかね…?」

いや…多分違う…

「旦那が匂いに敏感なんですよ。無香料のボディーソープ売ってなくて」

いや、普通に売ってます!

「あ、嘘つけないから?」

ん?

嘘つけない?

「嘘つけないとは?」

「下手な人に上手って言えないんです」

それーーーーー!

きっとそれーーΣ( ̄口 ̄;)

「えっ?じ、じゃあイッたフリは…」

「イッたことないからわかんないです。お客さんには言うんですけどね。イッたことないからイかない。って」

…あぁ…

原因見つけた…

「イかないって言ってるのにしつこく弄ってくるから、だんだんうんざりしてきて…」

「勿論イッたフリは…」

「わかんないから出来ませんよー!」

…男性の皆様ごめんなさい。

普通のセックスはわかりませんが、風俗においては、9割は『イッたフリ』と言っても過言ではない。

と思います。

イくまで弄られると身が持たないっていうのもありますが、お金を払って遊びに来ているんだから、気分良く帰っていただくためにも『イッたフリ』って必要だと思うんです。

だって、自分だって相手にキモチイイって言われたら嬉しいでしょ?

ドライオーガズムとかあるみたいだけど、男の人がイッたフリをするのは難しいけど、女の人は何も出ないのでいくらでも出来ると思うんです。

少しの演技力で可能。

イクということがわからなくても、少し勉強(?)すれば、イったらどういう状態になるのか。なんてわかりそうなものなのに。

「いや…フリしてくださいよ…それが無理なら、上手とか何とかテクニックを誉めるとか…」

「無理ですって。嘘つけないんですから」

お金を貰っている以上、『仕事』だし『プロ』だから、頑張りましょうよー…。

まぁ…

私じゃ彼女を説得出来ないな。と…。

なので、それ以上話はしませんでしたが。

思ったより長くなりましたが、

イッたフリは、かなり重要ですよー?というお話でした。

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