★面接
アルバイトの私だけど、コンパニオンさんの面接もしていました。
まぁ、大体受かるんでしょ?とか思ってません??
はい。
正解。
ルックス良しなら、出勤時間が短かろうが日数が少なかろうが、即採用。
ただし、お客様の予約に遅れたり接客に苦情がきたり、いい加減な事をしてると退店してもらう場合もあります。
そしてルックスに自信のない方も、雰囲気が良くて常識的な方なら大体採用させてもらいます。
お客様の求めるタイプは十人十色。
実際、必ずしも綺麗な方の方が人気があるとも限りません。
なので、不採用とさせてもらうのは…
非常識な方(面接予約をした時間に、連絡なく遅れたりする等)
態度の悪い方(意外といるんです)
巨漢な方(そういう方はポッチャリ専門店の方が需要があると思うので)
ざっくり言ってそれくらいです。
私が面接をしていると言っても、勿論最終チェックは社長。
お店用の携帯で写真を撮って送ります。
まぁ、今まで「採用(不採用)で考えてます」と言うと100%で「うん。それでいいよ」と返ってきますが。
ただ、過去に一人…
社長に報告の前に「すみません…」と言っちゃった方がいました。
不採用とさせてもらう場合の理由、もう一つ追加です。
…死相が出てそうな方…
彼女が事務所に来たのは、夏。
確か、時間帯は夕方頃。
よく覚えてるんです。
何故なら、普段なら事務所に誰かがいる時間帯。
人妻さんは大体夕方には仕事を終わらせるので、一斉に事務所に精算に来るんです。
が、その日は誰も戻って来ず、精算が入ると、面接に来てくれた方を無駄に待たせてしまうかもなのでちょうどよかったかも。くらいに考えてました。
駅に着いて、面接予約の方から電話。
徒歩10分もない距離を、電話で誘導します。
少しボソボソ喋る人だなぁ…くらいにしか思っていなかった私。
業界未経験らしいし、緊張してるんかな?
そして、事務所に到着。
インターホンが鳴り
『○○といいます』
「はぁい、お待ちくださ~い」
ドアを開けて
……
思わず、もう一度閉めたい衝動にかられる。
すみません、本当にすみません。
わざわざ足を運んでもらったのに失礼な事言って…
でも…
怖いんです。
極度の猫背で、髪は肩までの長さでバサバサしている。
スレンダー…過ぎて首元も腕も筋と骨が浮き出てる💦
勿論、顔にも余計な肉はついていないので…
こけた頬に落ち窪んだ目…。
40歳代ってきいてますが、唇の周りも細かいシワだらけ。
一応写真は撮ったけど、送るまでもない…
十人十色とはいえ、お客様に紹介出来ないよー…。
…とは言え、一応履歴書を書いてもらい写真も撮って形式通り面接を始める。
「基本的には自由出勤なんですが、大体週にどれくらいで考えてますか?」
「用事ある時以外は、なるべく出勤したいです」
ありがたい言葉…ですが。
すみません~。
「暫くお待ちくださいね」
席を立って、メールをチェックに行く…ふり。
だって、送ってないもの。
そして、戻って
「本当にすみません…今、オーナーから連絡ありまして、今回は見送らせていただくとい…」
「落ちたんですか?」
言葉を被された。
「落ちたんですか?」
再度聞かれる。
ひー。
何でこの人、こんなに怖いの!?
…アッ
彼女…殆どまばたきしてない!?
ジッと見つめられて気付きました。
無表情に「落ちたんですか?」と再度聞かれる。
「はい、すみません…」
すると彼女は席を立ち、玄関へと歩いて行きました。
慌てて見送りに行きます。
「せっかく来ていただいたのに、すみまません」
そう言うと、彼女は「いえ」と頭を下げて出て行った。
業界未経験っていうし、きっと覚悟決めて面接に来たんやろうに…
RRR
社長から電話。
『面接の人、来た?』
「来ました…けど、不採用にさせてもらいました」
『そうか。やばかった?』
「…怖かった」
『マジで。とりあえず写真送って~』
「はい」
携帯から写真を送ってすぐ…
RRR
「もしもし…」
『怖っ!!怖いっ!』
「でしょ?」
『これから、やばいと思ったらリョウさんの判断で決めてくれていいよ~!』
「了解しました」
一応、合否の権限を得た私。
それでも独断で不採用にさせてもらったのは、彼女一人でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます