忘れられた種族〜宇宙でゴブリンが帝国の復興を目指す成り上がり物語〜
@ikkyu33
忘れられた種族
宇宙が生まれてから無数の星が生まれ、消えていった。生命の進化はその間も止まることなく、多種多様な知的生命体が銀河全体に散らばっていた。だが、どの文明も必ずしも繁栄を約束されたわけではない。特に、他の種族から見下され、歴史の片隅に追いやられる存在もいた。
そのひとつが、ゴブリンだった。
かつて、地球から遠く離れた惑星「ザルヴァス」に栄えたゴブリン族。彼らは機械工学やナノテクノロジーの基礎を築いたと言われるが、戦闘力や身体能力の低さから次第に他の種族に征服され、その技術を奪われた。生き残った者たちは奴隷として銀河各地に散らばり、故郷を失った。やがて、その存在自体が神話と化し、「ゴブリン」は無力で愚かな種族の代名詞となった。
辺境の鉱山惑星「デルクス」。この星は、強大な帝国の支配下で、最も底辺の種族たちが過酷な労働に従事していた。ここで生きるゴブリンたちは、もはや種族の誇りも記憶も失い、ただ命をつなぐことだけに執着していた。
その中に、一人だけ異質なゴブリンがいた。
「グリード」――彼は他のゴブリンたちと同じく、小柄で醜い姿をしていたが、目には燃えるような意志の光を宿していた。幼い頃から周囲のゴブリンたちと異なり、天文学や機械工学に異常な興味を示し、廃棄された機械から無数のガジェットを作り上げてきた。その才能は明らかに特異だったが、誰も彼を認める者はいなかった。
ある日、彼の運命を変える出来事が起こる。
廃鉱と化した坑道の奥で、彼は奇妙な装置を発見した。それは、ゴブリンたちがかつて失った伝説の技術、**「アークコア」**の一部だった。コアを触れた瞬間、彼の脳裏に大量の情報が流れ込んできた。それは、かつてゴブリンが築き上げた最盛期の技術体系と、彼らが絶望の中で残した“最後のメッセージ”だった。
「ゴブリンは再び立ち上がる。」
その瞬間から、グリードは決意した。
「この銀河で最も見下される存在が、最も高き頂に立つ――俺がその証明をする。」
やがて、彼が発見したアークコアの力を解放することで、銀河全体を巻き込む壮大な戦いが始まる。しかし、それは同時に、グリード自身が「ただのゴブリン」ではなくなることを意味していた――。
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