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「何にしようかな〜~、緑茶にしよっと」
ダンッ。
廉の拳が勢いよく中澤の顔の真横を通りすぎ、自販機のボタンに叩きつけられた。
ガコッという音と共に野菜ジュースが取り出し口に落ちる。
「俺が何だって?」
「ッ?!……か、上條くんっ」
不機嫌オーラMAX状態の廉は、自販機に拳を叩きつけたまま、真横にいる中澤を睨み倒す。
「俺が、自分のジャージを誰に貸そうが、誰と一緒に帰ろうが、お前に関係ねぇだろ」
「っ……」
廉は怒気を含んだ凄みのある声を吐き捨てる。
言い訳する気すら与えぬように。
「俺のプライベートに口出すって、お前何様?」
「っ……、こ、小森さんみたいな子にジャージ貸すとか「彼女でもねぇのにガタガタうっせーなッ」
廉は中澤の言葉に食い気味に言い被せた。
「小森のノート、出せ」
「っ……」
「出せっつってんだろッ!」
「……今は持ってない」
「じゃあ、どこにあんだよ」
「……家」
あー面倒な女だな。
縋るような媚び売る視線が胸糞悪くてイラっとする。
心配そうに見つめる女友達にもギロッと睨みをきかせ、野菜ジュースを取り出す。
そして、スマホ決済で緑茶を押す。
「今日、18時に虎ノ門ヒルズ駅出口A1に持って来い」
「っ……」
「てめぇ、聞いてんのかッ」
「あ、……はい」
「その意地汚ねぇ性格、他の奴らにバラされたくなかったら、ぜってぇ遅れんな」
「っ……」
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