第35話:またかよ、忙しい女だな。

うそだろ?いい加減にしろよな・・・

姫が元にもどってるじゃねえかよ・・・って言ったらややこしいよな。

なにが元にも戻ってるかつうと、ゴスロリ女が普通の女になったと思ったら

また最初に俺んちに来た時の姫にもどっちゃったってことだよ。


姫はとうとうまともな人間の女になっちゃった・・・実際そうなってみて俺は

半分、つまらんな〜とか思ってたんだ。


でもって俺がエロいこと言うと


「ほんと・・・ツッキー、ヤらしい」


なんて、何も知らない小娘みたいなことを言ってたのにだ・・・。


ある日の朝、姫がいつものように二階から降りてきたんだ。

俺は二度見したね。


最近はパジャマ着て降りてきてたるはずなのに、その日はまたパンツ一丁で

降りてきたんだよ。


「姫?・・・パジャマは?」


「なに、パジャマって・・・」


「パジャマ着てただろ?」

「なんでパンいちなんだよ」


「いつもでしょ・・・ツッキーこそなに言ってるの?」


「え〜・・・それじゃ最初に俺んちに来た時の姫じゃないかよ」


「どうなってる?」


「どうもしないけど・・・私、普通だよ・・・バッカじゃないのツッキー」



「次の満月の夜、楽しみにしててね」

「まじでか?・・・マイルド姫だったのは1日だけかよ」

「忙しい女だな」


「私の脳が完全に修復完了しただけだよ・・・これが正常な私」


俺って姫に振り回されっぱなしだな。

こういう時はブッダー、そう思って俺はすぐにブッダーを呼んだ。


「元にもどってしまったでござるか?姫は」


「なんでよ、なんでそんなことになるんだよ」


「損傷を受けていた脳が修復完了したのでござろう、ツッキー殿」


「なんだよ姫と同じこと言ってんじゃねんかよ」


「結局、姫は我々の星の女性の遺伝子を受け継いでるでござるからな」

「まあ、丸く収まったではござらぬか・・・南無阿弥陀仏〜おんかかびさんま〜

えいそわか〜」


「なんだよそれ?」


「姫はさしずめ天使にはなれなかった堕天使ってことでござろうか・・・」


「堕天使って・・・綺麗にまとめようとするな」


「でも元に戻ってよかったではござらぬか」

「ツッキー殿は暴力的で口が悪い姫のほうがよかったのでござろう?」


「まあな、おしとやかなでエロくない女なんて姫じゃないからな・・・」

「実はなんとなくホッとしてるってのが正直な気持ちかな」

「優しいだけの姫でいられちゃめっちゃ調子狂うんだよな」

「何にも知らない小娘みたいでさ・・・」


「では姫が初期状態に戻って文句をいう筋合いではござらんな」

「姫は元に戻って今まで通り、そういうことでござろう」


「変わったり戻ったり忙しい女だよ」


「歴史は繰り返されるのでござるよ」


「歴史って・・・そんな大げさなもんでもないだろ?」


ってことで姫はまたゴルロリ女に戻って、でもって俺はまた満月の夜

エロい姫を迎えることになった。


「ツッキーエッチしよ〜」


って姫はまた俺の部屋にやってくる。


「拒否るなよ、ツッキー、無視したら、あそこ引っこ抜くからな」


「なんてこと言うんだよ、おまえ?」

「元に戻って・・・さらに酷くなってないか?」

「そのうち、ほんとに引っこ抜かれてしまいそうだな・・・」


「体が疼いちゃうよ・・・いっぱい濡れてるし・・・」

「ねえ、チューして・・・」


「あ〜そこは変わんないんだな・・・」


「おっぱいも舐めるう〜?」


「そこも変わんないか・・・」


姫が元に戻ってたのもそうなんだけど、エッチに関しても変わった。

18才にめでたくなって、なんの制約もなくなったのはいいんだけど

めっちゃエッチに強くなった。

どこまで体力持つんだよってくらい・・・。

俺のほうがとても持たない。


姫にだらしないって怒られる。


どんどん無敵のゴスロリ女になっ行く姫・・・。

そのうちまじで無敵で不死身の女にでもなりそうな勢い。

このさき、どこまで変化するのか進化していくのか、末恐ろしい。


なんだけど俺的には、この姫が一番いいって思う。

俺には合ってる。

もうちょっと満月の夜、加減してエロくなってくれたら言うことなし

なんだけどね・・・。


そして次の日、駅のホームに、フルフェイスを被ったゴスロリ女が

電車を待っていた。

だからバイク用のヘルメットなんて役にたたねえっつってんだろ。

バカブッダー。


俺は一応ブッダーに、あのヘルメットじゃ役に立たないからやめろって

言ってやったんだけどな。

人の言うことを聞かねえ異星人だよ。


それになんたって姫の美貌がフルフェイスのせいで見えなくなるのは

彼氏的に絶対反対なんだ・・・まじでそれだけは譲れないって。


つづく。

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