第32話:え?姫を連れて帰るってか?。

結局、姫は頭を撃たれたことが原因でツッキーと姫は恋人どうしに戻った。

そして満月の夜、姫は以前のようにツッキーの部屋に夜這いにやってくる

ようになった。


何もかも元どおり・・・めでたいのか、そうじゃないのか?。


でもひとつ違っていたのは姫はもう未成年じゃないってこと。

だから姫はツッキーからエッチを拒否られることは、もうないのだ。

姫は欲求不満になることもなく充実した日々を送っていた。


だからして、平和が戻ってきた・・・かのように見えた。


でもって仏像仮面ブッダーが俺と姫を呼んで、まさかなことを言った。


「姫が無事でなによりでござったが、こんな治安の悪いところに姫を置いては

おけないでござる」

「それがしの星に連れて帰るでござるが、いかがなもんでござろう〜ツッキー殿」


「何、言ってんの?」


「あれはさ・・・たまたま姫が逆恨みされたからだろ?」

「心配しなくてもそんなに頻繁にあることじゃないよ」


「万にひとつもあった訳でござるから安心はできないでござろう?」


「だってさ・・・姫を連れて行かれちゃったら俺が困るし・・・」

「エッチできなく・・・じゃなくて俺の大事な彼女だぜ・・・」


「だいいち肝心の姫は?・・・姫はなんて言うかだろ?」

「姫、ブッダーとブッダーの星に帰りたいか?」


「ツッキー・・・おっぱい舐める?」


「あのな〜大事な話してる時に、それか?」

「頭打たれて記憶は戻ったけど知能は低下したんじゃないか?」

「あとで、好きなだけおっぱい舐めてやるしレロレロもしてやるよ」


「それより、姫の気持ちはどうなんだ?」


「帰らないよ・・・」


「ほら、本人が帰らないって言ってるじゃん・・・」


「姫、それがしと星に帰ったほうが身のためでござるぞ」


「帰らないね・・・誰がなんと言っても・・・ツッキーが死んじゃったら

考えてもいいけど・・・」

「もしツッキーが浮気したら、そうなるね」


「死ぬかよ・・・浮気もしねえよ・・・」


「じゃ〜やっぱり帰らない」

「ブッダーにはお世話になってるけど、それとこれとは別」

「どうしても私を連れて行くってのなら、ツッキーも一緒じゃなきゃ」


「おいおい、俺を巻きこむなよ」

「俺は絶対行かないからな・・・異星人となんか暮らしたくないぞ」


「困ったでござる・・・強制はできないでござるからな」


「ブッダーだけ帰ればいいじゃん、私はツッキーと暮らすから」


「しょうがないでござるな・・・」

「では、こうするでござるよ」


「姫の大学への行き帰りは、それがしも同行してガードするでござる」


「ってかさ・・・行きは、俺といっしょだから・・・ブッダーは

姫が帰る時間、見計らって迎えに行ってやってくれたらいいじゃん」


「それでいいだろ?」


「もし、万が一姫がブッダーの星に帰るって言い出しても、俺は絶対

帰さないからな・・・」

「俺は姫を愛してるんだ・・・姫なしじゃ生きていけないよ」


「ツッキー嬉しい・・・」

「はい、ハグして・・・」


「ほいほい・・・」


「はい、チューして・・・」


「次はおっぱい舐める〜って言うんだろ?」


「エッチする?」


「お〜〜〜〜い、わざとおっぱい、はずしただろ・・・」


「ふたりとも熱いでござる・・・・エアコンつけるでござるか」


「そんな仮面被ってるから熱いんだよ・・・」


ってことで、なんとか姫がブッダーの星へ帰るって話はボツになった。

これでひとまず安心。


そして次の日、駅のホームに、フルフェイスを被ったゴスロリ女が

電車を待っていた。

どうやらブッダーが姫にフルフェイスをかぶせたみたいだ。

しかも赤いフルフェイスって・・・。


赤いフルフェイス被ったゴスロリ女って見た目どうなの?

どうせなら黒のフルフェイスにしとけよ。

黒いゴスロリ衣装とちゃんとコーディネートしとけっつ〜の。

で、フルフェイスの後ろに「南無阿弥陀仏」ってステッカーまで貼ってるし・・・。

魔除けのつもりか?

屁のツッパリにもならんわ。


つうかバッカじゃねえの?・・・バイクのヘルメット被せたところで拳銃の弾が

防げるかよ。

鉄兜でもないかぎり、カーボンなんて簡単に弾が貫通するだろ。

頭の悪い、異星人だよな。


つうか、姫にそんな格好させてウロウロしてたら職務質問されたりして、余計、

怪しまれるわ・・・。


それに姫の美貌をフルフェイスなんかで隠しちゃうなんて勿体ないだろ。


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る