第7話:無敵のゴスロリ女。
姫を追い出すって方法もある・・・だけど引き取り手のない子を追い出すなんて
そんな可哀想なこと俺にはできないよな。
まあ、それに悪いことばかりじゃない・・・姫は男所帯のむさ苦しい中に咲く
一輪の花だ。
姫がいるだけで家の中が華やかになるのは違いないことだし、
しかも、いつも甘いいい匂いを漂わせている・・・これはひとつの癒しだと
俺は思ってる。
女っ気があるってだけで男はバカだから頑張れたりする。
俺は満月の夜の姫のエロい行動には閉口するけどまあ、悪いことばかりじゃない。
で、姫に入院させられていたヨコチが退院してきた。
で、バカだから懲りもせず、また姫に告った。
気の毒に・・・ヨコチはまた姫の往復ビンタとパンチを食らって病院に
戻って行った。
せっかく退院してきたのに・・・学習しない野郎だよ。
俺が姫に告ったって偽情報がクラス内に広まって、月雄でも姫に告ったのかと他の
男どもの気持ちが吹っ切れたのかつぎつぎ姫に告って全員往復ビンタを食らって、
そいつらみんな学校を休んだ。
姫はあんなに俺に告ってくれって頼んでおきながら、他の男から告られたら
逆ギレするっておかしくないか?
思考回路が狂ってるんだ。
これも異星人に脳みそをいじられたからに違いないんだ。
とにかく姫は人間であっって人間じゃない。
ニュースピーシーズにちがいない。
誰彼なしに、すぐに人を叩くし足蹴りにするし・・・。
ある日のこと、姫の仮の彼氏の俺はデートって名目で姫を連れて買い物に出かけた。
商店街のコンビニの入り口でヤバげな連中とすれ違う時、うまく避けられなくて
俺の体がヤバげな連中の一人と当たった。
ヤバげな連中は5人つるんでいた。
なんか先頭のやつが無理に当たってきた気がした。
でもトラブりたくなくて俺はすぐに謝ったが、姫がガンを飛ばした。
「おい、ネエちゃん、今、俺にガンくれたよな」
「喧嘩売ってんのか?」
「あ、すいません、なにも知らない子なんで許してやってくれませんか?」
「ツッキーなにヘコヘコしてんの?」
「どう見ても、ぶつかってきたのは、こいつらじゃん」
「謝るのは、こいつらだよ」
「ネエちゃん、因縁つけようってのか?・・・いい度胸してんじゃねえかよ」
「女だからって舐めてるとタダで済まねえぞ・・・」
「すいません・・・姫、謝れ」
「ツッキーのヘタレ・・・わたしの彼氏だろ」
「なら謝ってないで、わたしを守れよ」
「やめろって、数からしてどうみたって俺たちの方が不利だって・・・」
「こんな連中がいるから世の中の風紀が乱れるんだよ」
「言ってくれたな、ネエちゃん」
そう言うと先頭にいた男が、姫を殴ろうとした。
そんなことくらいで姫がひるむわけがない。
当然、ヤバげな連中は姫に返り討ちにあうわけでゴスロリ娘を舐めてかかった、
ツケが回ってくる。
街でヤバげいな連中に絡まれても俺は謝るけど姫は立ち向かっていく。
ゴスロリ衣装を着たネエちゃんがヤバげな男相手に大立ち回り。
姫は人間の男より力が強いから大の男でも姫の一発のパンチで何メートルも
すっ飛んで行ってしまう。
姫の蹴りなんか食らった日には絶対骨がぐちゃぐちゃに砕けるに決まってる。
それでよく死人が出ないなって思う。
ま、でも、たしかに姫を連れてると無敵だから怖いものはない。
当然、病院送りになるのはヤバげな連中の方。
その度に警察がやってきて保護責任者の俺がおとがめを受ける。
姫は未成年だから当然怒られるのは俺。
当の本人は可愛いことをアピールして警察のおまわりさんを腑抜けにしてしまう。
なんて姑息な女・・・恐ろしい女。
でも、なんて言うの・・・憎めないところもある・・・それはブレない真っ直ぐさ、
純粋さ汚れがないってのが姫にはある気がする。
どっちにしても可愛いくてバカ強い女子が俺の身の回りにいるってのは心強いし
悪くない。
最近、姫を見てるとつい姫を美化して考えるようになって来た。
俺って、もしかして姫を好きになってきてる?・・・まさかな〜・・・。
つづく。
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