第3話:ホラーな女。
それで俺は何度も病院送りになりかけた。
姫は人格がジキルとハイドなんだ。
暴力で思い出したが姫が転校してきた日、姫に一目惚れした俺のダチ
ヨコチが姫に「君のことが好きだから付き合ってくれませんか」って告った。
ヨコチは姫に往復ビンタを食らわされた上に、さらにパンチを食らってアゴの
骨が砕けて病院に入院した。
ヨコチは根っからのドMだったからだからさぞかし快感だっただろうな。
あともうひとつ、奇妙なことが・・・
姫が俺んちに来てはじめてディズニーランドへ連れて行ってやった時のことだった。
大勢のカップルや家族ずれがいたから迷子になるといけないと思って俺は姫と手を
繋いで歩いていた。
すると繋いだ手が妙に軽くなったなと思って見たら手を繋いでるはずの姫がいない。
代わりに姫の腕が・・・俺の手にぶら下がっていた。
「おおおおお・・・わわわ・・・なんだこれ?・・・」
姫の体から左腕がはずれていたんだ。
少し遅れて俺の後ろから姫がニタニタ笑いながら、追いついてきた。
「うそお・・・ホラーじゃないかよ・・どうなってんだよこれ?」
よく分からないが腕に負荷がかかると取れるようになっているらしい。
他に足が取れたり・・・そういうことは普通にあるらしい。
そのくせ俺に暴力ふるう時には腕が取れないってどういうことだよ。
俺は姫は人間じゃないって思った。
でも、ロボットでもないし・・・サイボーグなんかでもないしアンドロイド
とかってのでもない。
皮膚だってプニプニして作り物じゃないし本物の人間の肌だし。
怪我をしたらちゃんと赤い血も出るし・・・ただ傷の治りが半端なく速い。
あっと言う間に傷口がふさがっていくんだ。
でも、やっぱり姫は普通の人間じゃない気がする。
正直、姫が何者なのか俺も分からない・・・親父だけが知ってるのかもしれない。
姫が常識を逸脱してることについて俺は親父に問いただした。
最初は親父も、しぶっていたが俺がしつこく聞くもんだから姫のことをボチボチ
話し始めた。
姫の生まれた家は農家さんを営んでいて、その家にUFOが墜落して来たらしい。
で、その墜落事故で姫の祖父母と両親が亡くなったんだそうだ。
姫も重傷を負ったが落ちたUFOを救助に来た異星人が姫の命を救ったらしい。
だから姫は異星人のすぐれた医療技術によって一命をとりとめた。
体の一部は異星人の細胞を移植されたので異星人のDNAを持ってる。
宇宙なんかの研究をしていた親父は、その墜落現場で異星人に姫を託された。
研究所の人たちの中に、ちょうど姫を引き取ってくれる人がいて姫はその一家に
引き取られて行ったが姫が高校生になってから義理の両親夫婦ともども交通事故で
他界してしまった。
そこで親父が天涯孤独になった姫をやむなく俺んちに引き取ってきたって・・・
そういうことらしい。
それが姫の正体。
親父の隠し子じゃなかったんだ。
その話がどこまで信憑性にある話かは分からない。
UFOとか異星人が出てきた時点で、胡散臭い。
親父のでっち上げだったとしても一応、筋は通ってるワケで姫を見てると
あながち、ウソとも言い切れない・・・だから今は親父のことを信じるしかなさ
そうだ。
姫が我が家に来てから暴力は振るわれるわ・・・エッチしようって迫られるわ、
散々だけど、とりあえず俺はまだ生きている。
で、昼休みのこと俺は大学の食堂で飯を食った後、テーブルにつっぷして
寝ていた。
するとテーブルを足で蹴るやつがいる。
「誰だよ」
そいつの方を見ると、え?・・・姫じゃないか・・・。
「なんだよ、またこっちに来てんのか?」
「人が気持ち良く寝てんのに何やってんだよ、おまえ自分の教室に帰れ」
「高校生は大学内をうろうろするな・・・」
「あのさ・・・ツッキー私、ツッキーに話があるんだけど・・・」
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます