41 全てを懸けた攻撃

空気が歪み、無数の雷光が空を切り裂く。

リヴォールの圧倒的な力が辺りに満ち、地面が揺れ、空気が震える。

その威圧感は、まるで大地自体が彼の力を恐れているかのようだ。


俺は空中で静止しながら、リヴォールの動きをじっと見据えていた。

黒炎の霊刃を握り直し、体内の魔力を全て集中させる。

神威の力が流れ込み、霊刃に宿った黒炎がさらに強く、鮮烈な光を放つ。

今、俺の体には全てをかけた攻撃を放つ準備が整った。


「決めるぞ」俺は呟き、全身に魔力を込める。

空中で軽く舞いながら、魔法陣を展開し、次々と攻撃魔法を放つ。

炎、氷、そして闇の魔法が複雑に絡み合い、リヴォールに向かって放たれる。

それぞれの魔法がリヴォールの防御を削り取っていくが、彼の力もまた圧倒的だ。


リヴォールは最終形態に移行し、闇と炎が混ざり合うような威圧的な魔法を放つ。


その攻撃の前に、周囲の空間が一瞬で歪み、まるで空そのものが引き裂かれたかのように感じる。

俺の魔法がその衝撃に押し戻され、一時的に攻撃が止まった。


だが、俺は冷静さを失うことなく、すぐに反応する。


リヴォールの動きが見えた瞬間、俺はその隙間を突くべく魔法陣を再展開し、

炎と氷を組み合わせた連携魔法を放つ。

リヴォールの周囲に広がった炎をかき消し、さらに氷の魔法でその動きを封じ込めようと試みる。


その隙に、黒炎の霊刃を振り抜く。

刃先がリヴォールの防御に触れると、黒炎がその防御を焼き尽くし、深く刻み込まれる。


だが、リヴォールはその痛みにもかかわらず反撃を開始する。


闇の波動が再び周囲を包み込み、俺の動きを制限しようとするが

今の俺にはその波動に対抗するための力が備わっていた。


「今だ…!」神威の声が響く。

俺はその声に従い、魔法の力を全て一つに凝縮させる。

黒炎の霊刃にすべての力を込め、再びリヴォールに向かって突撃する。


リヴォールがその力を振り払おうとするが、俺はその動きを冷静に見極め、反撃の隙を作り出す。

黒炎がリヴォールの体に深く食い込み、彼の防御を突き破った。


リヴォールはそれに応じて激しい反撃を試みるが、俺はそれをかわし、さらに連続攻撃を繰り出す。

空中での魔法と肉体の動きが一体となり、ついにリヴォールの動きに大きな隙が生まれた。


全身に流れる魔力が脈打ち

黒炎の霊刃がその力を引き寄せさらなる力を与える。


全ての力を、この一撃にかける。


「修羅、これが最後だ。全てを懸けろ。」

神威の声が、心の中で響く。


背中を押すように

俺はすぐに意識を集中させ

霊刃を強く握りしめた






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